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【第82回】スタンフォード大学研究者の著書から学ぶ発表に役立ちそうな英語表現 2

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今回は「スタンフォード式人生を変える運動の科学(原題:The Joy of Movement)」という2020年発刊のベストセラー本を日本語と英語で交互に読み、英語学習していく記事の続きです。

最初の記事はこちら

この本から ネイティブの一流研究者がどんな英語表現を使って研究結果を伝えるのか というようなところを、書籍の中のごく一部にはなりますが皆さんにシェアできたらなと思っています!

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一日の平均歩数が〇歩を切ると人は鬱傾向になる

エイミ

こんにちは!

医学英語発音コーチのエイミです。

 

前回の記事 では本書から「運動と内因性カンナビノイドという脳内物質との関わり」について書かれている箇所を主に取り上げ、いくつかの英語表現をご紹介しました。

次がこの書籍から今回ご紹介する最後の箇所です。

本書には歩数とうつ病や不安症との関わりについての興味深いデータが掲載されており、なんと「一日の平均歩数が〇歩を切ると人は鬱傾向になる」という数値があるそうです。

少し長いですがこの部分を日本語と英語で読んでいきます。

英語の勉強をしましょう!

 

そのほかアメリカとイギリスの研究では、適度に運動をしている成人たちに一定の期間、座っている時間の多い生活をしてもらい、健康状態が悪化するかどうかを観察した。 

Other experiments in the U.S. and the UK have forced moderately active adults to become sedentary for a period of time, only to watch their well-being wither. 

● sedentary /séd(ə)ntèri/ (形)   座りっぱなしの。

● well-being    健康で安心なこと。

● wither (動) 衰える。弱まる。

● watch A do   Aがdoするのを観察する。

↑この文章からは

“この研究では誰々に(嫌なことを無理に)~してもらった。人に~させた。”

The experiments have forced SB to do. 

の表現に注目したいと思います。

force(強いる)という動詞を使っていることで研究の性質が大変わかりやすく、この表現には筆者の人間味や感性の豊かさを感じられるように思います。

 

普段運動している人たちが2週間ほぼ座りっぱなしの生活をしたところ、不安や疲労感や敵愾心が強まった。

Regular exercisers who replace physical activity with a sedentary activity for two weeks become more anxious, tired, and hostile. 

● anxious /ǽŋ(k)ʃəs/(形)不安で。

● hostile /hɑ́ːst(ə)l/(形)他者への不満や攻撃性がある。敵愾心がある。

また無作為に選んだ成人を対象に1日の歩数を減らしたところ、88%の人たちに気分の落ち込みが見られた。

When adults are randomly assigned to reduce their daily step count, 88 percent become more depressed. 

↑こちらは最後の一文がとても勉強になります。

“無作為に選んだ誰々に~してもらったところ。~してもらうために誰々を無作為に選んだところ。”

When SB are randomly assigned to do, 

“(結果として)Xパーセントの人に(さらに)~の兆候が見られた。”

X percent become (more) adj. 

 

座りっぱなしの生活では、1週間もしないうちに人生の満足度は31%も低下した。

Within one week of becoming more sedentary, they report a 31 percent decline in life satisfaction. 

毎日の平均歩数が5649歩を切ると、不安や気分の落ち込みなどの症状が現れた。

The average daily step count required to induce feelings of anxiety and depression and decrease satisfaction with life is 5,649. 

● induce  <ある症状など>を誘発する。引き起こす(cause)。

● anxiety/æŋzá(ɪ)əti/   不安感。anxious の名詞形。

↑こちらからは

“~が現れる、みられるのに必要な X の平均値は A だ。”

 The average X required to do is A. 

という表現が私は気になりました。

 

一方、平均的なアメリカ人の1日の歩数は4774歩、世界の平均は4961歩という状況だ。

 The typical American takes 4,774 steps per day. Across the globe, the average is 4,961.

↑”世界の平均は~だ。” が

Across the globe, the average is…

なのは響きがとてもかっこいいですね。

Across the ~, the average is… でいろいろ使えそうです!

 

ということで、1日5649歩を切ると不安や鬱の症状が強まるそうなので、出来るだけ毎日6000歩くらいは歩いた方が良いようですね。

ご紹介した英語表現で皆さんのお役に立ちそうなものがありましたらぜひ使ってみてください。

 

ポッドキャストでも一緒に学習しましょう!

 

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今回のまとめ

今回はスタンフォード大学の研究者であるケリー・マクゴニガルさんの「スタンフォード式人生を変える運動の科学(The Joy of Movement)」を日本語と英語で交互に読み、英語学習をしていきました。

注目した英語表現をまとめます。

・これらの研究では、適度に運動をしている成人たちに一定の期間、座っている時間の多い生活をしてもらった。(望まないことを強制的にしてもらった。) 

These experiments have forced moderately active adults to become sedentary for a period of time.

・無作為に選んだ成人を対象に1日の歩数を減らしたところ、88%の人たちに気分の落ち込みが見られた。

When adults are randomly assigned to reduce their daily step count, 88 percent become more depressed. 

・毎日の平均歩数が5649歩を切ると、不安や気分の落ち込みなどの症状が現れた。

The average daily step count required to induce feelings of anxiety and depression and decrease satisfaction with life is 5,649. 

・世界の平均(1日歩数)は4961歩だ。

 Across the globe, the average is 4,961.

 

今回この著書を英語原本で読んでみて、日本人の科学者や研究者の先生方に参考にして頂ける英語表現がたくさん出てきているんじゃないかなと感じました。

私はこういった本が結構好きなので、またそのうちに別の本も英語原本と照らし合わせてみようかなと思います。

それではまた一緒に英語学習しましょう!

 

 

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エイミ
医療英会話の発音とリスニングの専門家。ER先生。舌トレ先生。英検先生。
20代後半から英会話習得をスタートし、最初は「センキュー」以外一言も話せない英語音痴だった。日本人にとっての理解しやすさを追求した解説と「トレーニングは楽しく!」が信条。ERが大好き。University of Baguio, Associate in Hotel and Restaurant Management卒。TOEIC 935点。

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