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こんにちは!
医学英語発音コーチのエイミです。
今回はメルマガ読者さんからのご相談にお答えしていく回です。
「帰国子女の妻によく英語の発音をチェックしてもらっていますが、いつもコテンパンにダメ出しされてしまいます」という、「若手外科医の R.A.」先生からのお悩みに回答していきます!
ご相談内容は以下二つです。
➊ 英語を話すと「全体のテンポの取り方がおかしい。それでは通じない」と妻にダメ出しされてしまう。文章全体を通して上手く発音するためのヒント があれば教えてもらいたい…!
そして、
❷ of や that などで、前と後、どっちで音を切ればいいのかわからない。文章が長くなればなるほど悩まされる。どう切れば自然なのか教えてもらいたい…!
ということで今日は、ご質問1番の 英文全体を通してネイティブっぽく話すためのヒント について解説し、皆さんと一緒にワークをしていきます。(2番は次回やります。)
題材としては、定番ですが、今回は故スティーブ・ジョブズさんのスタンフォード大学卒業式でのスピーチ冒頭を使ってみようかなと。
皆さんジョブスさんのスピーチがお好きなので…。
いつものように、記事とポッドキャストでコンテンツを公開しています。
お好みのサービスで発音練習してみてください!
ラジオは通常速度で18分42秒だニャ。
早く聞きたいあなたは倍速などでどうぞ!
アップルポッドキャスト、グーグルポッドキャストからも「エイミ」で検索!
ジョブスさんの発音の聞き取りにトライ!
↑この動画をここにシェアして気が付きましたが、このスピーチ、2005年のものなんですね…。今2021年なので、16年も前になりますね…!
それではさっそく
ジョブスさんのスピーチで
冒頭部分の聞き取りにトライしてみましょう。
よーーく耳を澄まし、ブランク部分で
何と言っているのか考えてみてください!
◆ 【聞き取りチャレンジ】ジョブスさんのスピーチ 冒頭
Thank you. I’m, uh, ho_____ to be ___ ___ ___day for your commencement ____ ___ ___ ___ fi_____ universities ___ ___ world. Truth be told, I ne____ gra______ ___ college and, uh, this is the closest I’ve ever go____ to a college graduation.
◆ commencement 旅立ち、門出
◆ Truth be told 実は
こんな感じです!
どうでしょうか。
聞き取れた部分、どのくらいありましたでしょうか?
少し難しいかと思うのですが、2、3回繰り返して出来るだけよーーーく聴いて、ジョブスさんが何と言っているか考えてみてください。
考えていただいたら、答えをどうぞ!
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◆ 答え
Thank you. I’m, uh, honored to be with you today for your commencement from one of the finest universities in the world. Truth be told, I never graduated from college and, uh, this is the closest I’ve ever gotten to a college graduation.
[拍手] ありがとうございます。今日、世界で最も優れた大学の一つからの皆さんの旅立ちに立ちあえていることを光栄に思います。[拍手] 実は私は、大学を一度も卒業していません。今回が、私の人生で一番「大学からの卒業」に近い体験になります。
◆ commencement 旅立ち、開始、卒業
◆ Truth be told 実は
ということで、ブランクに入る音は
● honored の ‘nored’
● today の ‘to’
● from one of the finest universities の ‘from one of the’
● finest の ‘nest’
● never の ‘ver’
● graduated の ‘duated’
● gotten の ‘tten’
● in the world の ‘in the’
でした!
ブランク部分は「ぼそぼそしていてよく聞こえない…」と感じられた方が多かったのではと思います。それはあなたの耳が悪いわけではありません。
英語の発音には「はっきり聞こえる強い音(強勢音節)」と「よく聞こえない弱い音(非強勢音節)」を混ぜて話す 特徴があり、こういった言語を Stress-timed language(強勢で捉える言語) と言います。
日本語は Syllable-timed language であり、強弱を設けず、どの音も同じ強さで発音することが特徴です。
英語の音の「強弱」を視覚で捉えましょう!
ここでスティーブ・ジョブズさんの強弱リズムを文字のサイズと太さで表現してみましょう。
Thank you. I’m, uh, honored to be with you today for your commencement from one of the finest universities in the world. Truth be told, I never graduated from college and, uh, this is the closest I’ve ever gotten to a college graduation.
ありがとうございます。今日、世界で最も優れた大学の一つからの皆さんの旅立ちに立ちあえていることを光栄に思います。[拍手] 実は私は、大学を一度も卒業していません。今回が、私の人生で一番「大学からの卒業」に近い体験になります。
こんな感じです。
少しわかりやすくなりましたか?
さらにわかりやすくしてみましょう。
ちょっと大変ですが手で書いてみますね。
声で「山と谷」をおおきく描きます。
こんな感じです。
で、ここで私たち日本人にとって大切なのは、谷の音を、低く、速く、小さく発音することです。
山部分で声を張ることではありません。
ここ、とても大切なので、もう一度言わせてください。
私たち日本人にとって大切なのは、谷の音を、低く、速く、小さく発音することです。
山で声を張ることではありません。
(多くの方が「英語はアクセントで声を張るんだ」と思われています。それは違います。)
私たちは谷部分をはっきり発音しすぎるので、強弱がなくなります。
その結果がいわゆるカタカナ発音です。
英文発音のコツ:「発声法」を変えましょう
ということで、ジョブスさんのように強弱のリズムを付けながら英語を話せば、私たちも英文を英語らしく発音できることになります。
ただ、言うは易し行うは難しで、強弱を付けようとしてもなかなか上手くいかない…ということがあります。
これを解消するには「呼吸」から変えていきましょう。
日本人は多くの方が胸式呼吸で、浅い呼吸をしています。
胸式呼吸で話すと、谷部分で音程を下げることができず、強弱が付けられなくなります。
英語を話す時には腹式呼吸を使い、おへそ周りを膨らませて大きく呼吸をしましょう。
腹式呼吸で話すと、深い強弱リズムを得ることができます。
それでは今日はここまでです!
ラジオでは、腹式発声を使って、以下のスティーブ・ジョブズさんのスピーチ冒頭部分の聞き取りと発音を練習していきます。
Thank you. I’m, uh, honored to be with you today for your commencement from one of the finest universities in the world.
ありがとうございます。今日、世界で最も優れた大学の一つからの皆さんの旅立ちに立ちあえていることを光栄に思います。
頑張りましょう!
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今回のまとめ
英文を話す時の最大のコツは、大きく強弱をつけたリズムで、声で山と谷を描くように話すことです。
特に谷の部分で「弱い音を弱く」発音することが大切です。(そしてここが難しいです。)
このスキルは、おへそ周りに重心を置いて発声をする腹式発声を身に付けることで得られます。
外科の若手医師 R.A.先生、お悩みへのヒントになりましたでしょうか。
強弱ある発声が出来るようになると、奥様からのダメ出しが減っていくと思いますので、ぜひ頑張ってみられてください!