ポッドキャスト 医療ドラマ英会話

【第98回】人工透析患者さんとお医者さんの会話

投稿日:

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/

(アイコンをクリックで登録画面へ移動します)

 

 

当記事でご紹介しているポッドキャストは、個別レッスンを受講してくださっている生徒さんのために私の方でレッスンの復習用にお作りしている音声データを公開しているものです。

この時のレッスンでは 人口透析を飛ばして入院治療を受けることになった透析患者さんと主治医の先生との会話 を使って学習していきました!

 

Dr.ゴリラ

ラジオは通常速度で10分42秒だ。
早く聞きたいあなたは倍速などでどうぞ!

 

アップルポッドキャスト、グーグルポッドキャストからも「エイミ」で検索!

 

ERの診療場面でリスニングチャレンジ!

エイミ

こんにちは!

医学英語発音コーチのエイミです。

 

最初に ER から会話を聞き、何を話しているのかを考えてみましょう。

今回の患者は、ER の主人公の一人、カーターです。

カーターはドラマの中で腎臓を二つとも失うことになり、途中から人工透析を受けつつ、腎移植を待っています。

そんなカーターがある時透析を飛ばしてしまい、体調が悪化して入院をしました。

ある日の朝、病室で目を覚ましたカーターのもとへお医者さんがやってきて、診察を始める…という場面です。

それでは、どうぞ!

 

◆ リスニングチャレンジ「カリウム値が下がりましたね」

 

さて、いかがでしょうか。

ネイティブの発話なのでとても難しい(今回特に難しいです)ですが、2回、3回と聞き返して出来るだけ頑張ってみてください。

ヒントとして、カーターのお医者さんは、質問をする時に文頭の単語を飛ばしています。

どういうこと?と思われるかもしれないのですが、ネイティブは文頭を飛ばして会話することが良くあります。

たとえば疑問文であれば、最初に来るべき “Did you” や “Are you” などは発音されないことがあります

今回本当に難しいですが、出来るだけ頑張って聞いていただき、下で答え合わせをしましょう!

 

 

 

◆ 答え

医師:寝られましたか? [カーターの返事は特に聞かず、カルテを確認して] カリウム値は4.8へ下がりましたね。[聴診器をカーターの背中にあて] 大きく息を吸って。はいもう一回。良いですね。肺はきれいになってきています。 

Did you sleep okay? K’s down to 4.8. Take a deep breath. And another. Good. Lungs are clearing.

カーター:ええ、だいぶ気分が…

Yeah, I actually start to feel…

医師:(これくらいで済んで)ラッキーでしたね。今週透析を飛ばしたんですか?

You were lucky. Did you skip dialysis this week?

カーター:いえ、あの…。

No, ….

医師:塩分は控えてます? 体重チェックしてますか?

Are you staying away from salt? Are you weighing yourself?

カーター:はい、してます。

Yes. Of course.

 

答えはこんな感じでした!

少しでも聞き取れたあなた、素晴らしいです。

ただここで終わらせたらもったいないです!

もう少し突っ込んで学習すればもっともっと英語が聞き取れるようになるので、もう少しだけ頑張りましょう!

 

今回の学習ポイント

それでは学習ポイントをまとめます!

 

医師:寝られましたか? カリウム値は4.8へ下がりましたね。[聴診器をカーターの背中にあて] 大きく息を吸って。はいもう一回。良いですね。肺はきれいになってきています。 

Did you sleep okay? K’s down to 4.8. Take a deep breath. And another. Good. Lungs are clearing.

灰色文字は発音されていません。太字部分は強く、細字部分は弱く発音されています。

● 文頭 “Did you” の省略

ネイティブが話しているところをよく聞いていると、文頭の疑問詞は非常に弱く、または完全に省略して話していることが多いことに気が付きます。

今回のお医者さんは Did you sleep okay? (寝られましたか?)と最初カーターに尋ねていますが、Did you を省略して Sleep okay? と質問しています。

スリープオーケイ?

「寝られましたか?」

● 「~の数値が〇〇まで下がった」の英語表現

“X is down to 数値.”

カリウムは英語で potassium(ポタシウム)ですが、今回は患者であるカーターも医師で医療者同士ということで、カリウムの省略語、 K(ケイ)を使っているようです。一般の患者さんにこのように言う時は

“Your potassium is down to 4.8.”

のように話されています。

● 「肺に溜まっていた水が抜けて良くなってきた」の英語表現

“Lungs are clearing.”

体調不良の原因になっていた肺内の水分が抜けてきたことを、動詞 clear を使って表現しています。このあと同じ先生が

“Lungs are drying out.”

とも言い換えています。

 

医師:(これくらいで済んで)ラッキーでしたね。今週透析を飛ばしたんですか?

You were lucky. Did you skip dialysis this week?

● 文頭 “Did you” の省略と人工透析の発音

ここでも文頭の Did you を省略し、Skip dialysis this week? と質問していますね。

また、透析 “dialysis” は日本人が発音を間違えやすい単語の一つです。

ダイレスィス

と、ストレスは a に乗せます。もし間違って覚えていたら気を付けてみましょう。

「透析治療を受けている、透析をしている」は be on dialysis

「透析(を受け)に行かないといけない」は have to go to dialysis 

などと表現します。

 

医師:塩分は控えてます? 体重チェックしてますか?

Are you staying away from salt? Are you weighing yourself?

●「~の摂取を控える」の英語表現

 “stay away from A”。類似表現の “stay off A” もERで出てきました。

●「体重をはかる」の英語表現

“weigh oneself”。体重の話をする時、名詞 weight だけでなく、動詞 weigh も良く使われます。発音は way と同じ、ウェイ です。

● 文頭 “Are you” の省略

ここでは文頭の “Are you” が二つ続けて省略されています!

 

今回の内容をポッドキャストでもどうぞ!

Dr.ゴリラ

ラジオは通常速度で10分42秒だ。
早く聞きたいあなたは倍速などでどうぞ!

 

アップルポッドキャスト、グーグルポッドキャストからも「エイミ」で検索!

 

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/

(アイコンをクリックで登録画面へ移動します)

 

 

今回のまとめ

今回は ER を使った診療英会話のレッスンの一部をご紹介しました。

英語表現の面からは、お医者様であれば、特に次のあたりがポイントになるかと思います。

● 「カリウムの数値が4.8に下がりました」

“K(Potassium) is down to 4.8.”

●透析 dialysis の発音

ダイレスィス

●「塩分を控えていますか?」

Are you staying away from salt? 

●「体重チェックはしていますか?」

Are you weighing yourself?

英語が話せるようになるためには、「表現を覚えて、ネイティブが実際にそれをどう発音しているのかをしっかり聞いて、自分でも同じように発音して、総合的にマスターする」というのが一番いいんじゃないかなと私は思っています。

私は発音オタクであり、リスニングオタクであり、海外医療ドラマオタクなので、医療表現のストックはかなり揃ってます!

医療英会話を勉強されたい方、無料メルマガ講座でもいろいろ発信していますのでよければ↓からメルマガへご参加ください。

また一緒に英語学習しましょう!

 

-ポッドキャスト, 医療ドラマ英会話

執筆者:

関連記事

【第17回】知ってる?「Didn’t」の発音は「ディドゥント」じゃないっていう話

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     エイミ こんにちは! 医学英語発音コーチのエイミです。   今回は、リスニン …

【第126回】医療の英語表現「胆嚢」「カローの三角」をドラマで学習しよう!

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     今回は、胆嚢手術においての指標となる三角形「カローの三角」とその三片の部位の英語表現 …

【第84回】iPhoneの「Live Text」で大量の英語表現をメモアプリに保存する方法

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     今回は「iPhone のこれすごく便利!」と最近私が思っている機能を英語学習者の皆さん …

【医療者の英語表現】「血がサラサラ」「ドロドロ」どう言えばいい?

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     エイミ こんにちは! 学会英語発音コーチのエイミです。   「血をサラサラに …

【第37回】大動脈解離の術後ブリーフィングを ER で練習【1】

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     エイミ こんにちは! 医学英語発音コーチのエイミです。   今回は「ER の …

最新記事

  1. 【第73回】ER の診察英会話 初診診療での英語表現と発音
  2. 「ソーシャルディスタンス」英語でどういう? 新型コロナ関連の英語表現&発音まとめ【3】
  3. 【英語の発表】「ここ、重要です!」の英語表現6つ【発音のコツ付き】
  4. 【第113回】”Why don’t you” の発音は「ホワイドンチュー」ではありません!
  5. メルマガ登録フォームのシステム不具合を経験して感じたこと
  6. 【第82回】スタンフォード大学研究者の著書から学ぶ発表に役立ちそうな英語表現
  7. “濃厚接触者” 英語でどういう?新型コロナ関連の英語表現&発音 まとめ【4】
  8. 【ERで学ぶ医療英会話】胸部X線の所見説明1 【英語丸ごと解説】
  9. 【第137回】「CT、X線に写らないことがある」英語でどういう?
  10. 英検1級受験記【4】英作文・エッセイの「難キーワード」まとめ No. 3
  11. 【学会レポ】Vol. 7 ourの発音は『アー』の巻
  12. 【ERで学ぶ医療英会話】手の術前処置後の報告2【英語丸ごと解説】
  13. 【医療で頻出】「可能性がある」「恐れがある」の英語表現
  14. 【第9回】医学英語の発音練習には何がオススメですか?
  15. 【第79回】「SGLT2」と腎臓組織の英語の発音
  16. 【第32回】”inflammatory” は「インフラマトリー」ではありません
  17. 【ERで学ぶ医療英会話】開放骨折の緊急対応2【英語丸ごと解説】
  18. 【動画】学会発表「本日は~についてお話させて頂きます」を英語で
  19. 【ERで学ぶ医療英会話】頭部と頸部の触診1【英語丸ごと解説】
  20. 【第35回】「コックス比例ハザードモデル」 の英語発音のコツ
  21. 【ドラマで診療英会話】「ベッドを起こしますね」を英語で
  22. 【第82回】スタンフォード大学研究者の著書から学ぶ発表に役立ちそうな英語表現 2
  23. 【第1回】t と s がくっ付く英語の発音のはなし
  24. 【第143回】「便秘」「お通じ」の英語表現! bowel「腸」はボーエルではありません
  25. 「アナフィラキシー」「挿管」「気管切開」ERで英語学習しましょう
  26. 【第104回】英語でチャット〜ポッドキャスト配信アプリのスタッフさんと
  27. おっさん頑張れ!40代ずぼら英会話【2】「英語耳」は発音学習の白地図である
  28. 英検1級受験記【1】学習準備・一次試験の流れ・リスニングPart1&2の感想
  29. 40代ずぼら英会話【7】王道教材を使い倒せ!NHKラジオビジネス英語学習法
  30. 【学会レポ】Vol. 4 ダビンチの発音は「チ」が大事
エイミ
医療英会話の発音とリスニングの専門家。ER先生。舌トレ先生。英検先生。
20代後半から英会話習得をスタートし、最初は「センキュー」以外一言も話せない英語音痴だった。日本人にとっての理解しやすさを追求した解説と「トレーニングは楽しく!」が信条。ERが大好き。University of Baguio, Associate in Hotel and Restaurant Management卒。TOEIC 935点。

詳しいプロフィールはこちらからどうぞ。