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こんにちは!
医学英語発音コーチのエイミです。
今回は「ER のワンシーンをまるまる発話練習していくシリーズ」の、大動脈解離の患者さんの術後回診ブリーフィング(状態説明)後半です。
「オペ自体は成功でしたが、患者の両脚に不全対麻痺が起こっています。」
「それで今朝は?」
「エコーで駆出率は15%、尿素窒素45、クレアチニン2、血圧180の110です。」
この会話、英語ネイティブはどのような表現や発音で話すのでしょうか?
記事とポッドキャストでコンテンツを公開していますので、お好みのサービスで発音練習してみてください!
●「大動脈解離の術後ブリーフィングで英語学習 前半」の記事はこちら
ラジオは通常速度で29分08秒だよ。
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ネイティブはこうブリーフィングする
今回見ていく ER の場面は、
ある日の回診で、
循環器外科のヴューセリッチ先生が
外科レジデント3年目のベントン先生に
患者さんの状態説明を求めているシーンです。
前回の記事では、ベントン先生の最初の一言
「第9病日です。大動脈解離の患者で、
人工血管置換術でオペを行いました。」
という台詞を学習していきました。
今回はその続きを聞いていきます。
まずは聞き取りにチャレンジしましょう!
◆ 【聞き取りにトライ】「オペは成功でしたが…」ネイティブはどう言う?
Dr. ベントン:オペ自体は成功でしたが、患者の両下肢に不全対麻痺が起こっています。
_______________, __________________.
Dr. ヴューセリッチ:それで今朝は?
And this morning?
Dr. ベントン:エコーで駆出率は15%、尿素窒素45、クレアチニン2、血圧は180の110です。
Well, Echo shows ejection fraction of 15%, BUN’s 45, creatinine two. BP’s 180 over 110.
Dr. ヴューセリッチ:そこから考えられるのは?
______________?
Dr. ベントン:鬱血性心不全に腎不全かと。
________ heart failure, renal insufficiency?
【英語音声のみ】
さて、ヴューセリッチ先生とベントン先生が何と言っているか、わかりましたか?
ネイティブ同士の会話なので、ものすごく速いですね!
日本語訳をヒントにして、ぜひ繰り返してよーーく聞いて、考えてみてくださいね!
「オペ自体は成功でしたが…」
「そこから考えられるのは?」
の英語表現は?
考えていただいたら、答えをどうぞ!
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◆ 答え
Dr. ベントン:オペ自体は成功でしたが、患者の両下肢に不全対麻痺が起こっています。
Patient’s surgical course was unremarkable, though there is evidence of partial paraplegia in the lower extremities.
Dr. ヴューセリッチ:それで今朝は?
And this morning?
Dr. ベントン:エコーで駆出率は15%、尿素窒素45、クレアチニン2、血圧は180の110です。
Well, Echo shows ejection fraction of 15%, BUN’s 45, creatinine two. BP’s 180 over 110.
Dr. ヴューセリッチ:そこから考えられるのは?
Suggesting what?
Dr. ベントン:鬱血性心不全に腎不全かと。
Congestive heart failure, renal insufficiency?
【日本語吹替と英語音声を連続で】
ということで、ベントン先生の「オペは成功でしたが」の表現は、
Patient’s surgical course was unremarkable, though
でした!
“unremarkable”(特筆事項のない、問題のない)は、医療界では頻出の英単語かと思います。
ただ、「知ってる単語だけれど全然聞き取れなかった…!」という方は、ぜひこの先の解説を読んでみてくださいね。
(ラジオでも詳しく説明しています!)
また、ヴューセリッチ先生の「そこから考えられるのは?」の表現は、
Suggesting what?
でした!
これまた医療界頻出単語の一つ、”suggest” (~を示唆している)だったのですが、 こちらも聞き取りは少し難しかったかもしれません。
ここから unremarkable と suggesting の聞き取りのコツをお話ししていきます。
ご参考までにどうぞ!
“unremarkable” は「アン」と「マー」しか聞こえません!
ゴリラ先生!
ベントン先生の “unremarkable” は
とっても速かったですね。
速すぎて、正直僕には
unremarkable の「マー」
しか聞き取れなかったです…。
unremarkable が「マー」だけって一体…。
そうですね、ほぼ「マー」しか聞こえないですよね!
先生の耳は間違っていないです!
英語ネイティブは unremarkable を
un(アン)とmar(マー)しかまともに発音しません。
なので、unremarkable の発音は
「アンマー」なんです!
アンリマーカブルが「アンマー」…!?
【unremarkable】
● 日本人の感覚 → 「アンリマーカブル」(全部の音が、ちゃんと聞こえるように。)
● 英語人の感覚 → “アン リ マー カボウ“ (「アン」と「マー」だけちゃんと聞こえればOK。あとは大体でOK。)
ということで unremarkable は、音の山を二つ作るようなイメージで発音してみましょう!
参考までに、ネイティブの unremarkable の発音を
4つ集めてみました!
連続で聞くと
「音のかたまりが二つある」感覚が
見えてきやすいかなと思います!
◆unremarkable “アン リ マー カボウ” の発音 4つ連続で
1つ目:ベントン先生の unremarkable
2つ目:-and fairly unremarkable.
3つ目:-the radiology report went on to say that my pancreas was unremarkable.
4つ目:-it’s just an unremarkable video of a dad and the son playing.
正確には ri と kable の部分も全然発音されていないわけではなく、
「こうすれば聞き取れる!」というコツがあるのですが、
少し難しくなるので
また別の機会にお話しできればと思います!
“suggesting” は「ジェス」しか聞こえません!
続いて、
“Suggesting what?”
の部分での suggesting の発音です。
ゴリラ先生、ここはどう聞こえましたか?
ここは「ジェスワッ、って何だ?」
ってなりましたね!
suggesting が「ジェス」
しか聞こえなかったので…。
最初の「サ」と最後の「ティング」は一体どこに…?
そうですね、「ジェス」しか聞こえないですよね!
英語ネイティブは suggesting も
ges(ジェス)しかまともに発音しないです。
さっきの remarkable と理屈は同じです!
【suggesting】
● 日本人の感覚 → 「サジェスティング」(全部の音が、ちゃんと聞こえるように。)
● 英語人の感覚 → “サ ジェス (ティ)ン“ (「ジェス」だけちゃんと聞こえればOK。あとは大体でOK。)
suggesting は、音の山を一つだけ作るようなイメージで発音してみましょう!
ネイティブの suggesting の発音を
3つ集めてみました。
連続で聞いて
「音のかたまりが一つだけ」の感覚を
掴んでみましょう!
◆suggesting “サ ジェス (ティ)ン“ の発音 4つ連続で
1つ目:ヴューセリッチ先生の suggesting
2つ目:-suggesting that intelligence itself is made up of-
3つ目:-There’s also growing work suggesting that social networks really matter for people when they sign up for programs-
それでは今日はここまでです!
ラジオでは、今回の会話全体の聞き取りのコツをもっと詳しくお話しし、同じように発話できるよう、発音練習していきます。
頑張りましょう!
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今回のまとめ
今回はERの術後回診のシーンから、「ネイティブはどんな風に患者さんのブリーフィングをするのか?」の続きを学習していきました。
発音面からは、次の2つの単語を取り上げました。
1:unremarkable
アン リ マー カボウ
2:suggesting
サ ジェス (ティ)ン
unremarkable の re と kable、そして suggesting の su と ting は聞こえにくいですが、実際はまったく発音されていないのではなく、子音だけで発音されています。
(私たち日本人は「子音だけの音」を聞き取るのが苦手です。)
ポイントを押さえて英語を聞き続けていくと、私たちも段々と聞き取れるようになっていきます。
発音や聞き取りのスキルを上げるには、「子音だけの音に意識を向けること」が大きなカギとなります。