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【第101回】医療の英語表現〜解放骨折とCT撮影

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当記事でご紹介しているポッドキャストは、個別レッスンを受講してくださっている生徒さんのために私の方でレッスンの復習用にお作りしている音声データを公開しているものです。

この時のレッスンでは 交通事故後の治療に関する患者さん、お医者さん、看護師さんの3人の会話 を使って学習していきました!

 

Dr.ゴリラ

ラジオは通常速度で7分07秒だ。
早く聞きたいあなたは倍速などでどうぞ!

 

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ERの診療場面でリスニングチャレンジ!

エイミ

こんにちは!

医学英語発音コーチのエイミです。

 

最初に ER から会話を聞いて頂き、何を話しているのかを考えてみましょう。

今回の患者さんは、車を運転中にトラックと激しく衝突し大怪我を負った男性、ハリスさんです。

ハリスさんの車には高校生の息子さんが乗っており、息子さんも怪我を負って同じ病院へ救急車で搬送されました。

幸いなことに二人とも致命傷はありません。

治療を受けお父さんのハリスさんの容体が落ち着いた頃、看護師のアビーがやってきて、息子のポールくんの骨折治療について説明をする…という場面です。

それでは、どうぞ!

 

◆ リスニングチャレンジ「息子さんの骨折は~なので、~だと思います。」

 

さて、いかがでしょうか。

ネイティブの発話なのでとても難しいですが、2回、3回と聞き返して出来るだけ頑張ってみてください。

ヒントとしまして、ハリスさんが

「~では治療できないのか?」

と尋ねたのに対し、看護師のアビーが

「骨が~なんです(だからそれは出来ない)」

と返事、しかしご家族へのフォローとして

「でも~なんですよ」とポジティブな情報を付け加える、という流れです。

本当に難しいですが、出来るだけ頑張って聞いていただき、下で答え合わせをしましょう!

 

 

 

◆ 答え

ハリスさん:(息子の骨折治療は)ギプスじゃダメなのか?

Can‘t you just put a cast on it?

アビー:骨が外へ出ているんです。

The bone penetrated the skin.

ハリスさん:ええええ…。

Oh…

アビー:でも関節は無事ですし、骨の中央部分なので、おそらくきれいに治るかと思います。

But there’s no joints involved, and it’s midshaft, so it’ll probably heal nicely.

Dr. カーター:ハリスさん、これから頭部CTを撮るために移動してもらいますね。

Okay, Mr. Harris, I’ve gotta take you for a head CT.

ハリスさん:なんだそれは?

What’s that?

Dr. カーター:頭部CTというのは、キャットスキャンのことです。脳の写真を撮ります。頭を打って意識を無くされた後には、標準的にこの検査をすることになっています。

Head CT? Um, CAT scan. It’s a picture of your brain. It’s pretty standard after you hit your head and lose consciousness.

 

答えはこんな感じでした!

少しでも聞き取れたあなた、素晴らしいです。

ただここで終わらせたらもったいないです!

もう少し突っ込んで学習すればもっともっと英語が聞き取れるようになるので、もう少しだけ頑張りましょう!

 

今回の学習ポイント

 

それでは学習ポイントをまとめます!

 

ハリスさん:(息子の骨折治療は)ギプスじゃダメなのか?

Can’t you just put a cast on it?

アビー:骨が外へ出ているんです。(だから無理)

The bone penetrated the skin.

灰色文字は発音されていません。太字部分は強く、細字部分は弱く発音されています。

● ネイティブの “Can’t you” は「キャンチュー」ではなく「ケンユ」と聞こえます

ハリスさんの発音を良く聞くと、Can’t you…?(~することは出来ないの?)が

ケンユ?

と発音されていますので(Can’t のt省略)、よーく聞いてみてください。

Can’t you just put a cast on it?

ンユジャスッ ッタ キャスタンッ?

● The bone penetrated the skin.「骨が外へ出ているんです。」

開放骨折、open fracture を英語で患者さんへ説明する時、このように penetrate the skin(皮膚を貫通)を使って説明すると良いかもしれません。

 

ハリスさん:ええええ…。

Oh…

アビー:でも関節は無事ですし、骨の中央部分なので、おそらくきれいに治るかと思います。

But there’s no joints involved, and it’s midshaft, so it’ll probably heal nicely.

● “There’s no joints involved.” 「関節は無事です。」

この台詞は「~(部位)には怪我や疾病が及んでいない、達していない」ということを患者さんへお伝えになる時、There’s not A involved. という型で、応用することが出来るかもしれません。 

● “It’ll probably heal nicely.” 「きれいに治る可能性が高いと思います。」

こちらも、怪我や病気が「きれいに治る」「すっきりと治る」と見立てられる際、患者さんにお声がけする言葉として活用出来そうに思います。

● “It’ll” の発音

“It’ll” の発音がちょっと難しいのですが、ドウ、のように発音します!(イを強く、ドウを弱く。)

● “probably” の発音

そして “probably” ですが、ネイティブは真ん中の bab を省略し、proly と発音することが多いです。そのため プロリー とか、パリーとか、そんな感じに聞こえます。聞き取るには、まず一度自分で真似をして発音してみましょう!

 

Dr. カーター:ハリスさん、これから頭部CTを撮るために移動してもらいますね。

Okay, Mr. Harris, I‘ve gotta take you for a head CT.

ハリスさん:なんだそれは?

What’s that?

Dr. カーター:頭部CTというのは、キャットスキャンのことです。脳の写真を撮ります。頭を打って意識を無くされた後には、標準的にこの検査をすることになっています。

Head CT? Um, CAT scan. It’s a picture of your brain. It’s pretty standard after you hit your head and lose consciousness.

● “I’ve gotta…” は 「~しないといけない」I have to… の意味のスラングです

ネイティブは have to DO(~しないといけない)に 意味のない got を挿入することが良くあります。 

つまり have to = have got to = have gotta。どれが使われていても意味は同じで、「~しないと」です。

● “It’s pretty standard after 人 DID.” 「~があった後にはこの検査・治療を行うのが標準です。」

 

今回の内容をポッドキャストでもどうぞ!

Dr.ゴリラ

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今回のまとめ

今回は ER を使った診療英会話のレッスンの一部をご紹介しました。

特に学習ポイントとなりそうな部分をまとめます。

● アメリカ英語の “Can’t you” は「ケンユ」と聞こえます(「キャンチュー」を期待してはダメ。)

●「~(部位)は無事です。~には怪我や疾病が及んでいません。」

“There’s no/not A involved.” 

● 「きれいに治る可能性が高いと思います。」

“It’ll probably heal nicely.” 

●「~があった後にはこの検査・治療を行うのが標準です。」

“It’s (pretty) standard after 人 DID.” 

英語が話せるようになるためには、「表現を覚えて、ネイティブが実際にそれをどう発音しているのかをしっかり聞いて、自分でも同じように発音して、マスターする」というのが一番いいんじゃないかなと私は思っています。

私は発音オタクであり、リスニングオタクであり、海外医療ドラマオタクなので、医療表現のストックはかなり揃ってます!

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また一緒に英語学習しましょう!

 

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エイミ
医療英会話の発音とリスニングの専門家。ER先生。舌トレ先生。英検先生。
20代後半から英会話習得をスタートし、最初は「センキュー」以外一言も話せない英語音痴だった。日本人にとっての理解しやすさを追求した解説と「トレーニングは楽しく!」が信条。ERが大好き。University of Baguio, Associate in Hotel and Restaurant Management卒。TOEIC 935点。

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