ポッドキャスト 医療ドラマ英会話

【第95回】Does の発音は「ダズ」ではなく、Didも「ディド」じゃない

投稿日:

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/

(アイコンをクリックで登録画面へ移動します)

 

 

当記事でご紹介しているポッドキャストは、個別レッスンを受講してくださっている生徒さんのために私の方でレッスンの復習用にお作りしている音声データを公開しているものです。

この時のレッスンは ER を使って診療英会話を学習する回でした。

Dr. スーザン・ルイスの台詞の中に Does や Did といったすごく基本的な単語が出てくるのですが、ネイティブは実は「ダズ」「ディド」とはあまり発音しません。

ではスーザンは Does、Did をどのように発音するのでしょうか?

一緒に英語学習してみましょう!

 

Dr.ゴリラ

ラジオは通常速度で10分27秒だ。
早く聞きたいあなたは倍速などでどうぞ!

 

アップルポッドキャスト、グーグルポッドキャストからも「エイミ」で検索!

 

ERの問診場面でリスニングチャレンジ!

エイミ

こんにちは!

医学英語発音コーチのエイミです。

 

最初に ER から短い会話を聞き、何を話しているのかを考えてみましょう。

場面は、外因不明の痙攣発作を起こした女性が姉の車で病院の救急科へ搬送され、救急科内科レジデントの Dr. スーザン・ルイスが診察にあたっているところです。

患者のお姉さんによると、二人はスケートリンクでスケートを楽しんでいたところ、妹が別のスケーターに接触されて脚を切り、別の病院で縫合処置を受けて帰宅中だったが、車内で突然意識を失ったため慌ててこの病院に立ち寄った…とのことです。

それでは、どうぞ!

 

◆ リスニングチャレンジ「けいれん発作の病歴はありますか?」

 

さて、いかがでしょうか。

ネイティブの発話なのでとても難しいですが、2回、3回と聞き返して出来るだけ頑張ってみてください。

ヒントとして、seizure(シージャー)は「けいれん発作」のことです。

スーザンは患者さんのお姉さんに何を聞いていて、お姉さんは何と答えているでしょうか?

もうこれ以上は無理!というところで、下で答え合わせをしましょう!

 

 

 

◆ 答え

Dr. ルイス:(患者へ)リバ、聞こえる?(看護師へ)発作後症状だわ。点滴を始めて。マスクで酸素を15リットル投与。(患者の姉へ)妹さんはけいれん発作の病歴はありますか?

Reba, can you here me? She’s postictal. Let’s start a line. 15 liters O2 by mask.  Does she have a history of seizures?

患者の姉:いいえ。スケートリンクで滑っていたら、男の子が妹にぶつかってきて、脚をひどく切ったの。

No. We were at the skating rink, and I’ve just seen a boy run into her. Her legs were cut up pretty badly.

看護師:瞳孔は左右差なし、円形、光に反応します。

Pupils equal, round, reactive.

Dr. ルイス:妹さんは頭を打ちましたか?

Did she hit her head?

患者の姉:多分。頭が痛いと言っていたわ。

I think so. She had a headache.

Dr. ルイス:(先にかかった病院で)レントゲンは撮りました?

Were any x-rays taken?

患者の姉:わからないわ。脚は縫ってもらいましたけど…。

I don’t know. They-they just stitched up her legs.

看護師:痛みに反応あり。血圧120の70、脈拍56です。

Responsive to pain. BP 120 over 70. Pulse 56.

 

答えはこんな感じでした!

少しでも聞き取れたあなた、素晴らしいです。

ただここで終わらせたらもったいないです!

もう少し突っ込んで学習すればもっともっと英語が聞き取れるようになるので、もう少しだけ頑張りましょう!

 

今回の学習ポイント

それでは学習ポイントをまとめます!

今回はルイス先生の台詞に注目してみます。

 

Dr. ルイス:妹さんはけいれん発作の病歴はありますか?

Does she have a history of seizures?

太字部分は強く、細字部分は弱く発音されています。グレー部分はほとんど発音されていません。

● Does の発音

私たち日本人は「ダズ」と読むと思っていますが、ネイティブが発音すると

ドゥス

のように聞こえることが多いです。

今回は Does の次の単語が she なので、「ス」は she と同化します。

Does she have a history of seizures?

ドゥシィ アヴァ ヒスチュリィ of シージャーズ?

「妹さんは seizures の病歴がありますか?」

ここでは have の h も発音されていません。

 

Dr. ルイス:妹さんは頭を打ちましたか?

Did she hit her head?

● Did she…? の発音

Did she をネイティブが発音すると、

ディシィ

のように聞こえることが多いです。

Did she hit her head?

ディシィ ヒダァ ヘェ?

「妹さんは頭を打ちましたか?」

単語の最後の d はあまり発音されないので、Did のド も head のド もあまり聞こえません。

この台詞では her の h も発音されてません。 

 

Dr. ルイス:(先にかかった病院で)レントゲンは撮りました?

Were any x-rays taken?

 

● any は「ニ」だけになる!

ネイティブが any を弱く発音すると、頭のエが聞こえなくなり、「二」だけ のように聞こえることがよくあります。

Were any x-rays taken?

ワ(ェ)ニ エクスレイズ テイクン?

「前の病院でレントゲンは撮りましたか?」

この「any → ニ」はドラマなどですごく良く聞く音の変化です。英語のリスニング力を上げたい方は覚えておかれると良いかもしれません。

 

 

今回の内容をポッドキャストでもどうぞ!

 

Dr.ゴリラ

ラジオは通常速度で10分27秒だ。
早く聞きたいあなたは倍速などでどうぞ!

 

アップルポッドキャスト、グーグルポッドキャストからも「エイミ」で検索!

 

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/

(アイコンをクリックで登録画面へ移動します)

 

 

今回のまとめ

今回は ER を使った診療英会話のレッスンの一部をご紹介しました。

発音面からは特に次の5つをポイントとして取り上げてみました。

● Does の発音 → ドゥス

● Did she…? の発音 → ディシ

● any の発音 → 「ニ」だけ

● have の発音 → アヴ

● her の発音 → アー

英語学習は「英語表現を覚える」のはもちろん大切なのですが、表現だけ覚えてリスニングや発音を放置していると、実際に英会話をする時に困るタイミングが必ず出てきます。

なぜなら英語話者は私たちが思うような発音では話してくれないからです。

「表現を覚えて、ネイティブが実際にそれをどう発音しているのかをしっかり聞いて、自分でも同じように発音して、総合的にマスターする」というのが一番いいんじゃないかなと私は思っています。

また一緒に英語学習しましょう!

 

-ポッドキャスト, 医療ドラマ英会話

執筆者:

関連記事

【第124回】”transcatheter”(経カテーテル)の発音練習

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     今回は transcatheter、経カテーテル の発音練習 をしていきます。 tra …

【第74回】生徒さんからの最近の質問まとめ 2022 【1】

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)   エイミ こんにちは! 医学英語発音コーチのエイミです。   今回は、最近生徒さんからいただ …

【第117回】医学論文で英語の音読練習 3

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     今回は ジャーナルに掲載されている医学論文の TAKE-HOME MESSAGE を音 …

【第72回】発音に要注意!parameter は「パラメーター」じゃないですよ

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)   エイミ こんにちは! 医学英語発音コーチのエイミです。   発表練習や論文音読の際、多くの …

【第114回】診療英会話〜再生不良性貧血の患者さんへ「病気の疑い」を伝える

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     今回は ER から 「身体がだるい」という訴えで来院した女性とお医者さんの会話 をご紹 …

最新記事

  1. ロサンゼルス・タイムズ「大谷は潔白」米報道に学ぶ英語表現
  2. 【第129&130回】英検準1級のリスニング問題演習 6
  3. 【学会レポ】Vol. 3 robot の発音はロボットではない
  4. 【第16回】「滅菌」”sterile” の発音を本気でマスターしてみよう
  5. 【第34回】コロナワクチンの製薬会社3社、英語で正しく発音するには?
  6. 【第82回】スタンフォード大学研究者の著書から学ぶ発表に役立ちそうな英語表現
  7. 【第122回】医学論文のTake Home message で英語の音読練習 4
  8. 【腹部4区分】右下腹部、右上腹部、左下腹部… Quadrant の発音をERで学ぼう!
  9. 【第108回】診療英会話〜穿刺の治療方法を説明する
  10. 私が5000時間の英語学習を続けて思う「仲間の大切さ」 1
  11. 【第30回】「多変量解析」multivariate analysis の発音のコツ
  12. 英検1級受験記【1】学習準備・一次試験の流れ・リスニングPart1&2の感想
  13. 【第51回】キング・カズこと三浦知良選手のレジェンドな半生を英語で
  14. 【医療の英会話】「〇〇先生を呼ぶ、来てもらう」ネイティブはどう言う?
  15. 【ERで学ぶ医療英会話】緊急分娩対応4【英語丸ごと解説】
  16. 【第20回】ネイティブの「When do l」は聞き取りがめっちゃ難しいの巻
  17. 【第132回】exit を「エグジット」と言わないで!子音連続の発音練習
  18. 【第10回】「英語の母音はどの程度の完璧さを目指すべきか」を考えてみる
  19. 【第9回】医学英語の発音練習には何がオススメですか?
  20. 【動画】「カプランマイヤー曲線」の英語の発音をわかりやすく
  21. 【第70回】そのカタカナ英語、通じません! “デュアルエナジーCT” の発音練習
  22. 【第6回】”could” の使い方
  23. 【第28回】「針を反時計方向に90度回す」の発音練習
  24. 【第24回】オーストラリア英語の聞き取り練習(TOEICとERで解説)
  25. 【第45回】五輪カナダ人レポーターが英語で熱くコンビニを語る 前編
  26. メルマガ登録フォームのシステム不具合を経験して感じたこと
  27. 【第8回】英語の学会発表 ~理想の準備の進め方~
  28. 【第46回】五輪カナダ人レポーターが英語で熱くコンビニを語る 後編
  29. 「メイヨークリニック」の発音はまさかのアレと同じです!
  30. おっさん頑張れ!40代ずぼら英会話【2】「英語耳」は発音学習の白地図である
エイミ
医療英会話の発音とリスニングの専門家。ER先生。舌トレ先生。英検先生。
20代後半から英会話習得をスタートし、最初は「センキュー」以外一言も話せない英語音痴だった。日本人にとっての理解しやすさを追求した解説と「トレーニングは楽しく!」が信条。ERが大好き。University of Baguio, Associate in Hotel and Restaurant Management卒。TOEIC 935点。

詳しいプロフィールはこちらからどうぞ。