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【第163回】医師の英語学会発表の苦手克服〜「質疑応答の心技体」

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Dr.レン

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今回は、大学の医学部講師として長年の経験を持つ生徒さん、「レン先生」による寄稿記事を紹介させて頂きます。

・多くの若手医師が学会発表の質疑応答が苦手だが、それはなぜなのか?

・英語での質疑応答にも余裕が持てるようになるコツとは?

・攻撃的な質問者、マウントを取りたがる質問者にはどう対応すれば良いのか?

日本語または英語での学会発表で「質疑応答に苦手意識がある」先生なら、どなたでも読んでいただく価値のある寄稿となっています。

ぜひご一読ください!

※本記事は全体で9400文字以上あります。下の目次から気になる項目に飛び、その部分のみ読むことが出来ます。

 

「苦手な理由」は人それぞれ! 分析から始めよう

Dr.レン

こんにちは!Dr.レンです。  

大学で医学部の講師をしてます。

 

この記事は、先日、私の英語の先生であるエイミ先生とお話ししていた時に、「質疑応答が苦手な若いお医者様のために、記事を書いてもらえないでしょうか」と依頼を受けたことにより、執筆しています。

聞けば、エイミ先生のもとには「質疑応答が苦手なんです」という医師の声が数多く寄せられているそうです。

先生も「何か出来ることはないか」と思案されていたとこのとでした。

実は、私自身も質疑応答は得意ではありません。

学会の前になると「発表の後の質疑応答を考えると、いっそ演題を取り消したい」とまで思うこともあります。

もちろん、そんなことは許されません。

同じように、私の部下の中にも「質疑応答が苦手だ」と感じている先生はたくさんいます。

だからこそ、私はあえて「質疑応答の苦手さ」に正面から向き合うようにしています。

つまり、「なぜ自分は質疑応答が苦手なのか」を深掘りすること す。

実際に掘り下げてみると、「苦手の理由」は一つではなく、複数の要因が絡み合っていることが分かります。

さらに、国際学会となると「英語力の問題」に矮小化されがちですが、実際は英語の問題だけではありません。

日本語での質疑応答ですら苦手な場合も多く、問題は多層的なのです。

ということは、どこで詰まっているかによって、必要な対策が変わってくるということです。

そこでまずは、皆さんにとって学会発表の質疑応答が「なぜ苦手なのか」を整理するために、以下のチェックリストを使って自己診断してみてください。

 あなたの「苦手」の理由は、どこにあるでしょうか?

 

苦手分野の「心技体」自己診断チェックリスト

(各項目について「はい/どちらかというとはい」と感じたものにチェックを付けてください)
 
1. 心(Mental:心構え・余裕)
    •    □ 質問されると「批判された」「叱られた」と感じやすい。
    •    □ 英語の場になると、緊張して頭が真っ白になる。
    •    □ 攻撃的な質問を受けると意気消沈してしまう。
    •    □ 「完璧に答えなければ恥ずかしい」と思いやすい。
    •    □ 厳しい質問を「研究への関心」と前向きに受け取るのが苦手。
 
2. 技(Skill:言語力・回答技術)
    •    □ 攻撃的・否定的な質問にどう返せばよいか分からない。
    •    □ 定型表現や回答の型(結論→理由→補足)を準備していない。
    •    □ 英語の質疑において、質問を聞き取れない/理解できないことが多い。
    •    □ 言いたいことが頭にあっても英語で咄嗟に出てこない。
    •    □ 自分自身の回答が長くなりすぎ、途中で混乱してしまう。
    •    □ 時間稼ぎのフレーズ(“Let me think…” など)を持っていない。
 
3. 体(Body:基盤・準備)
    •    □ 発表内容そのものに十分な自信が持てていない。
    •    □ どのような質問が来るか想定していない。
    •    □ 自分の研究の「強みと限界」を明確に説明できない。
    •    □ 弱点を突かれると返答に困ってしまう。
    •    □ 発表練習のときに模擬質疑をほとんど行っていない。
 
★診断結果の活かし方
 
    •    「心」にチェックが多い場合 
→ メンタルトレーニングと「質問を前向きに捉える練習」が必要。
 
    •    「技」にチェックが多い場合
→ 英語フレーズの習得・短答型回答の訓練・攻撃的質問対応の型を身につける。
 
    •    「体」にチェックが多い場合
→ 発表準備・想定問答・模擬質疑を徹底して行う。
 

 

質疑応答の苦手分析によって、以下の3つの枠に「苦手」が分類されます。

心:質疑応答に際して心に余裕がない。質問されることは、弱い部分に突っ込まれること、批判されることであると、ネガティブに捉えてしまう。  

技:「英語力」に自信がない。または日本語でも質疑応答の行為自体に訓練が足りていない。

体:発表の内容に自信がない。発表の準備自体が不十分。

 

私は、まずはこれらを自己分析し、それから対策を考えることが大切だと思っています。

「苦手の心技体」を以下に詳しく体系化し、克服の方向性をまとめました。

自己分析後の対策に活用いただければと思います。

質疑応答の苦手を「心技体」で自己分析し、克服の方向性を整理する

1. 「心(メンタル・心構え)」の問題を克服するには

  • 質問は基本的に「関心の表れである」「議論を深めるチャンスである」とポジティブに捉える。
  • 完ぺきに答えられなくても問題はなく、「前向きな姿勢」が評価されることを理解する。
  • 模擬質疑を重ねて「慣れ」を養い、余裕を作る。

2. 「技(スキル・技術)」の問題を克服するには

● 時間稼ぎのフレーズを常備する。以下は一例です。

  • 例:「大変興味深い着眼点ですね。少し考えさせていただきますと…。」“That’s a very interesting question. Let me think for a moment.”
  • 例:今おっしゃったことを、言い方を変えて、もう一度お願い出来ますか?」“Could you please repeat that in another way?” 
  •  

● 定型パターンを覚える。以下は一例です。

  • 例:意見を言う。「私の考えとしては、」“In my opinion, …”
  • 例:限界を認識していることを伝える。「これについてはまだ分析していませんが、今後の課題です。」“We have not analyzed this yet, but it is our future task.”
  • データを根拠として答える。「「我々の結果によれば、…」“According to our results, …”

● 短答型で答えることを習慣とする。

  • まず1文で即答します。そして余裕があれば補足します。
  • 例:「はい。ただ、数は限られています。”Yes, but the number is limited.”

● 思考習慣の転換

  • 「日本語で考えてから英訳」ではなく、英語キーワードの組み合わせで即応する。「きれいな英文でなくても構わない」と理解する。

● 日常練習

  • 抄読会・カンファで「英語1文回答」を取り入れる。
  • 3秒以内に返答する「瞬発力訓練」を行う。

3. 「体(基盤・準備)」の問題を克服するには

  • 発表前に「弱点リスト」を作り、答え方を準備しておく。
  • 第三者に内容を説明し、想定質問を受けて練習する。
  • 自信のなさは「準備不足」から来ると理解し、徹底した事前準備で補う。

 

ここまでのまとめ

「心技体」の枠組みで自己分析することにより、自分の弱点が「心理的問題」なのか、「英語力」なのか、「準備不足」なのかを客観的に把握してみましょう。

  • 心:質問を「批判」ではなく「関心」と捉え直し、余裕を持つ。
  • 技:定型表現・短答型思考・時間稼ぎフレーズを習得し、瞬発力を養う。
  • 体:徹底した発表準備で「突かれる不安」を減らし、自信を支える。
  • 多くの場合、弱点は複合的だが、特に「心」と「体」の部分を鍛えることで「技(英語力)」の伸びも活かされやすい。
  • 日本語での質疑応答力を基盤にすれば、英語での質疑も確実に改善する。

国際学会の場において、多くの若手医師が「英語だから質疑応答が苦手」と思いがちですが、実際には 日本語でも質疑に弱い=心技体の基盤そのものが揺らいでいる場合が多くみられます。

したがって「英語発表の質疑応答トレーニング」は、同時に「日本語での質疑応答力向上の訓練」にも直結します。

 

英語で「瞬間英作文出来ない」問題はこう対処する!

また、英語での質疑応答で困ることして、「言いたいことが英語で咄嗟に出てこない」という訴えも多くあります。

私自身、英語での発表、質疑応答を今では問題なくこなせるようになりましたが、ここまで苦労してきました。

その上で皆さんに次のようにアドバイスをしたいと思います。

多くの若い医師が、「言いたいことが頭にあるのに咄嗟に英語が出てこない」という壁に直面します。

これは「瞬発力」と「準備不足」が原因で、解決にはいくつかの実践的アプローチがあります。

「言いたいことが英語でとっさに出てこない対処法

1. 時間を稼ぐテクニックを持つ。

咄嗟に答えられないときに「沈黙→焦り→頭が真っ白」という悪循環に陥ります。
そこでまずは、以下のような 時間を確保するフレーズ を常備するのが有効です。

  • 「それはとても興味深い質問ですね。少し考える時間をください。」“That’s a very interesting question. Let me take a moment to think.”
  • 「ご指摘を正しく理解しているか確認したいです。」“I want to make sure I understand your point clearly.”
  • 「今おっしゃったことを、言い方を変えて、もう一度お願い出来ますか?」“Could you please repeat that in another way?”

こういったフレーズを言うだけで、数秒の余裕が生まれ、頭を整理できます。

2. 英語の「定型構文」を持つ。

言いたいことが咄嗟に出ないのは「ゼロから英文を作ろうとする」からです。
型を覚えておけば、中身だけ入れ替えて話せるようになります。

  • 意見を述べるとき
    「私の考えでは、主要なファクターは…」“In my opinion, the key factor is …”
  • 限界を認めるとき
    「これについてはまだ分析していませんが、今後の課題です。」“We have not analyzed this aspect yet, but it will be our future task.”
  • データを根拠にするとき
    「我々のデータによると、」“According to our data, …”

 このような「定型構文+キーワード」で、十分通じます。

3. 思考を「日本語でまとめて英語に直訳しない」練習をする。

多くの若手医師が、頭の中で日本語を英語に変換しようとして時間がかかり、出てこなくなっています。
代わりに、英語のままシンプルに要点だけで考える癖をつけることが大切です。

例:質問「症例数が少ないのでは?」

  • 悪い例:「症例数は少ないですが、傾向は示されています」を日本語で考えてから翻訳しようとする。
  • 良い例:頭の中で “Small number, but trend is clear.” とイメージして即口に出す。

完全な文法より、「キーワードの組み合わせ」で十分です。

4. 短答型で答える訓練をする。

「言いたいことが長文になりすぎて出てこない」人も多いです。
あえて 1文完結、10単語程度完結で答える訓練 をするのが効果的です。

  • 質問例:「併存疾患を持つ症例もいくつかありましたか?」→「はい、ただし数は限定的です。」“Yes, but the number is limited.”
  • 質問例:「再発例や再手術例についても評価されていますか?」→「いえ、それらのケースは含んでいません。」“No, we did not include those cases.”
  • 「この方法は疾患Aにも応用できるのでしょうか?」 →「それは可能です、ですがさらなる研究が必要です。」“It is possible, but we need further study.”

 短い答えをまず出す → 余裕があれば補足する、で十分です。

5. 実践練習の方法

  • シャドーイング+コピーイング
    英語医学プレゼンや論文紹介を聞き、短いフレーズをそのまま自分で口に出して真似をする。
  • 「即答」3秒ルール練習
    質問を受けたら「3秒以内に1文で返す」を目標に練習する。
  • 日本語でも同じように練習
    抄読会やカンファで、まずは日本語でも「1文で答える」習慣を作る。

 

 ここまでのまとめ

  • 英語で咄嗟に言えないのは、「時間稼ぎのフレーズがない」「型がない」「完璧主義で長文を考えすぎ」の3つが原因。
  • 解決法は 1.時間稼ぎ表現、2.定型パターン、3.短答型思考 を身につけること。
  • 「完璧な英語より即答の簡潔な英語」が評価される場だと理解することが大切です。

 

攻撃的な質問のかわし方

また、質問者の中には、本当に攻撃的な質問をするものがいます。 

重箱の隅をつつくように些細なミスを指摘してきたり、自分の方が知識が豊富であることや、自分の研究の方が優れていることでマウントをとる目的の質問をする人、さらに発表内容を否定するような質問をする人々が、一定数存在します。

このような質問を受けると、若手であればあるほど「公開の場で叱責された」と感じてしまい、自信を喪失する大きな要因になります。

どう対応すれば良いのでしょうか。

以下、こうした質問への対処法を、こちらも「心技体」で整理してみます。

「攻撃的な質問」への対処方法

1. 心構え(心)― 前向きに&冷静に。

  • 質問の意図を読み替える。
    攻撃的に聞こえても、「自分の研究に注目してもらえた」と考えましょう。「あえて厳しい質問をもらえるのは、関心があるから」とあくまに前向きに捉えることは大切です。
  • 感情的に反応しない。
    質問者の攻撃的なトーンに引きずられず、あくまで冷静に「内容」に集中しましょう。
  • 若い皆さんに伝えたいこと
    質問のトーンは、質問者の性格や立場の問題です。あなた自身の人格や能力を否定されたわけではありません。

 

2. 技術(技)― 回答の型で受け流す。

攻撃的質問は「正面から反論」すると泥仕合になりやすいので、「型」で受けて流すのが得策です。

(A)些細なミスを突かれた場合

  • 例:「スライドの数字が違うのでは?」
    • 「ご指摘ありがとうございます。おっしゃる通り、スライドに小さな誤りがありました。しかし、全体の結論には影響はありません。」英語なら:“Thank you for pointing that out. You are correct, it was a minor error in the slide. But the overall conclusion remains unchanged.”
      → 素直に認め、結論の妥当性を再確認する。

(B)マウント目的の質問

  • 例:「私たちの研究ではもっと大規模にやっていて、違う結果でしたが?」
    • 「それは非常に大きなご貢献です。私たちの研究は範囲が限られたものですが、補完的な示唆を与えるものだと考えています。」“That is a very important contribution. Our study was limited in scope, but it provides complementary insights.”
      → 相手の知識を認めつつ、自分の研究の価値を「補完的」と位置づける。

(C)否定的な質問

  • 例:「あなたの方法では意味がないのでは?」
    • 「ご懸念は理解します。しかし、私たちのコホートではこの方法は有益な情報をもたらしましたし、より広い応用につながる一歩になり得ると考えます。」“I understand your concern. However, in our cohort, this method provided useful information, and it could be a step towards broader applications.”
      → 否定を受け止めつつ、自分の研究の意義を再確認する。

3. 体(体)― 事前準備とシミュレーションが肝。

  • 攻撃的質問は「想定質問集」に入れておく。
    → 「方法論の限界」「症例数の少なさ」「統計処理の弱点」などは、必ず突かれる前提で準備しましょう。
  • 仲間に模擬練習で「厳しい質問役」をあえて担当させる。
    → 疑似的に“攻撃的質問”を受ける訓練をすると、本番での耐性がつきます。

ここまでのまとめ

  1. 学会の質疑応答には、純粋に議論を深める質問もあれば、残念ながら「攻撃的」「マウント型」「否定的」な質問も確実に存在します。
  2. 攻撃的な質問は、あなたを否定しているのではなく、「自分が場を支配したい」という承認欲求に駆られている人の行動です。
  3. このような質問には完璧に返せなくてもよく、冷静に「一歩引いた答え」ができれば十分です。
  4. ミスを指摘されたら「すぐ認めて結論に戻る」ことが一番強い対応です。
  5. マウントを取られても「補完的な価値があります」と受け流すのが最善です。  

このような質問者に出会ってしまった時には、「質疑応答はプロレスのようなものだ」と考えてみてください。

つまり、ショー、興行です。

変な質問して来る人には「悪役レスラーが出てきた」くらいに思えば良いのです。

そういう人に対しては、聴衆も「悪役が出てきた」というくらいに思っているものですし、真に受けなくて良いのです。

気にせず、受け流していきましょう。

 

質疑応答に向かうあなたへ!基本のトレーニング方法はこう!

最後に、基本のキということで、若い先生方が取り組みやすい 疑応答トレーニング法 をご紹介します。

基本の質疑応答トレーニング法

1. 事前準備:想定質問リストを作成する

  • 自分の発表内容を第三者の視点で見直す。
    「どこが弱点か」「聴衆や座長が突っ込んでくるとしたらどこか」を意識して、10問から20問の想定質問を作る。
  • 上記を3カテゴリで整理する。
    ①基礎的確認(方法論、症例数、倫理面)
    ②深掘り(比較対象、統計手法の妥当性、限界)
    ③応用的(臨床的意義、将来展望)
  • 英語の場合は、英語でQ&A集を用意する。
    答えを短文(2〜3文)でまとめ、丸暗記ではなく「キーワードで答える」練習をしましょう。

2. 実戦練習:ロールプレイ形式

  • 同僚や指導医と模擬セッション!
    発表練習の後に、必ず5〜10分の質疑応答をセットにし、事前練習をする。
  • 役割分担!
    同僚が「厳しい質問者役」になり、あえて意地悪な質問や早口での質問を投げかけましょう。
  • 録音・録画して振り返り!
    自分の回答の「間」「英語表現」「表情」を客観的に確認できます。(ここまでやることがとても大切です。)

3. 回答テクニック:簡潔&時間稼ぎ

  • 短く答える。
    長文で答えようとせず、「まず結論→必要なら補足」の順。
    例: “The sample size was limited, but we believe the trend is clinically meaningful.”
  • 聞き返しで時間を作る。
    “Could you please repeat or clarify your question?” を活用。
  • 正直さも武器にする。
    知らないことは “That is an important point. We have not analyzed it yet, but it will be our future task.” と前向きに答える。

4. 英語表現の定型文トレーニング

  • 質問を理解するフレーズ
    • “If I understand correctly, you are asking about …”
    • “So your question is regarding …”
  • 回答を整理するフレーズ
    • “There are two points: first …, second …”
    • “In summary …”
  • 時間を稼ぐフレーズ
    • “That’s an interesting question. Let me think for a moment.”

5. 定期的な練習習慣

・抄読会を英語Q&A形式にする。
学会発表前だけでなく、日常的に英語で質問・回答する環境を作りましょう。

  • オンライン練習
    Zoomなどで外部の医師・留学生を交えて模擬質疑を行うと実戦感が増します。

 ここまでのまとめ

・質疑応答の苦手意識を克服するには、「想定質問の準備」+「ロールプレイ実践」+「定型表現の習得」の3本柱が効果的です。

・特に「完璧に答えなくてよい」「シンプルで良い」と気づくだけで心理的負担は大きく減ります。

・日本語でできないことは英語では出来ません。

・日本語でまずこれを徹底し、それを英語で行う練習をすることで、英語の質疑応答も問題なくこなせるようになります。

 

今回の内容をポッドキャストでも一緒に学習しましょう!
 
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今回のまとめ

今回は、多くの医師が苦手とする「学会で口述発表する際の質疑応答」に焦点をあて、苦手の分類と対策法についてまとめました。

・心:質問を「批判」ではなく「議論のきっかけ」と捉え直し、攻撃的な質問にも動揺せず受け流す余裕を養う。

・技:定型表現・短答型思考・時間稼ぎフレーズを習得し、特に攻撃的質問には「認めつつ結論に戻す型」で対処する。

・体:徹底準備で自信を持ち、想定問答で「攻撃的質問にも備えた体幹」をつくる。

・多くの若手医師が「英語だから質疑が苦手」と感じますが、実際には 日本語でも質疑応答の基盤(心技体)が未熟なことが多くあります。

・したがって英語発表の訓練は、日本語での質疑応答力を高める絶好の機会にもなります。

・英語の質疑応答では「定型構文」を用意し、一から英作文する必要がほとんどないくらいにしておきましょう。

・完璧な英文は必要ありません。

・長々と文を繋げる必要もありません。

・「シンプルで使い勝手の良い短い構文+キーワード」で十分です。

・攻撃的な質問には冷静に「一歩引いた答え」ができれば十分です。

・ミスを指摘されたら「すぐ認めて結論に戻る」ことが一番強い対応です。

・マウントを取られても「補完的な価値があります」と受け流すのが最善です。  

 

レン先生、若いお医者様に向けた貴重なアドバイスとご寄稿を本当にありがとうございました!!

 

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エイミ
医療英会話の発音とリスニングの専門家。学会発表、座長の英語、診療英会話、英検、OETなどのオンラインレッスンを提供中。20代後半から英会話習得をスタートし、最初は「センキュー」以外一言も話せない英語音痴でした。日本人にとっての理解しやすさを追求した解説と「トレーニングは楽しく!」が信条。ERが大好き。University of Baguio, Associate in Hotel and Restaurant Management卒。TOEIC 935点。

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