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今回は 英検準1級(S-CBT形式)を先日初めて受験され、一発合格された生徒さん「D先生」による寄稿記事を紹介させて頂きます。
準1級合格の鍵となるものとは?
S-CBT形式(パソコン利用受験)の思わぬ落とし穴となったことは?
英会話習得を目指す方ならどなたでも読む価値のある寄稿となっています。
ぜひご一読ください!
※本記事は全体で約5200文字あり、濃密です。下の目次から気になる項目に飛び、その部分のみ読むことが出来ます。
目次
英検準1級受験を決めた経緯
皆さんこんにちは。開業医のDと申します。
私は2021年4月からエイミ先生のレッスンを受けています。
ここまでのレッスンでは半分を発音練習、半分を英語表現の練習(実際の診療で自分の言いたいことが言えるようになる練習)として進んできました。
当院には多くの外国人患者さんが来院されますが、先生のレッスンのおかげで、外来、手術、入院とさまざまな場面で少しずつ不自由なく会話ができるようになってきました。
最近では外来で「英語ができる先生が希望でここへ来ました」と言われるようになり、英語を使う機会が増えるなか、今の自分の力はどのくらいなんだろう?といった思いや、「もっと教養のある英語をアウトプットしてみたい」という願望を抱くようになりました。
英検は、リスニング、リーディング、スピーキング、ライティングの4つの技能が総合的に試されるということで、準一級の受験に興味を持ち始めていた時、「英検準1級S-CBT形式で受験してみた」と題したエイミ先生の記事をたまたま読み、受験を決意しました。
合格までに使用した教材
受験日まで2ヶ月しか準備期間がない中、英検に向けたレッスンが始まりました。
先生からは2冊の参考書を薦められました(英検準1級のワークブック、英検準1級過去6回全問題集)。
そして「英検準1級スピーキングとライティング学習用の手引き」と題した先生手作りの資料をいただきました。
これは先生ご自身が受験勉強用に作成された資料で、合格用情報と洗練された英文の型が書かれたエッセンスがA4サイズ37ページにビッチリと網羅されていました。
限られた時間の中で、レッスン以外の時間は先生から頂いた資料(学習の手引き)だけをひたすら声に出して読み、英文の型を暗記していった ことが自信と合格に繋がったと思います。
スピーキング、ライティングとポイントを先生に解説していただきながら対策を進め、試験間近になってからはリスニング問題がうまく聞き取れず不安になり、リスニング問題を1問ずつ丁寧に解きながら指導していただきました。
先生はいつも私の悩みや愚痴を傾聴して、今できる解決策を生徒の希望に沿って指導してくださるので、このことが私にとっていちばんの心の支えになりました。
合格のカギと準一級の生かし方:リーディング
今回英検を受験してみて、4つの技能のうちどこが苦手なのか自分の弱点を知ることができ、またその対策をしていくことで、自分の英語力の向上につながることを確信しました。
まずリーディングに関して述べます。
英検準1級で覚えないといけない単語の中には会話ではあまり使わない難易度の高いものもありますが、単語単独で暗記するのではなく、各品詞との自然な組み合わせ(コロケーション)で覚えていく と暗記もしやすく、有効に語彙を増やすことができ、英語らしい自然な文章を作るのに役立ちました。
また英検では同じ言い回しを避けることが求められるため、多くの同義語を覚えたり言い換えの表現を意識して使うようになりました。
単語力を付けようと「英検準1級でる順パス単」を購入していましたが、受験まで2ヶ月しかなかったので、1冊を精読することは困難と考え、ワークブックと過去問で解いた問題の中でわからなかった単語、句動詞をノートに書きとめて何度も声に出して復習しました。
合格のカギと準一級の生かし方:リスニング
準1級リスニング問題のPart 1(会話問題)には、ネイティブが実際の会話で頻回に使用する表現が満載です。
そういった表現を正しく聞き取れて、日本語としても理解できて、自分の口からもスラスラと言えることがとても重要であると痛感しました。
これまでは「8割聞き取れれば文の意味がわかるので十分」と考えていましたが、これだと聞き取れなかった文章に大切な情報が含まれていて正答が導けなかったりすることがあり、リスニングの精度を上げていく ことが重要です。
そういった理由で、英検受験が終わってからも、英検のリスニング問題を使ってレッスンを受けることにしました。
前週にやった問題の中から会話に大切な表現は次のレッスンでエイミ先生にテストしてもらい、記憶の定着に役立てています。
合格のカギと準一級の生かし方:スピーキング
スピーキング問題の1問目は、4つのイラストを見て各コマ2、3文ずつ順序立てて説明する「ナレーション問題」です。これは思ったよりも難しく、最初の頃は苦戦してまともな文章を作ることができませんでしたが、イラストの中に登場する人物の以下3つのポイント 1 行動(いつ・どこにいるか・何をしているか)2 セリフ (話す、苦情、提案、決断、アドバイスなど)3 心情(嬉しい、ホッとした、羨ましい、ショック、驚き、心配など)を絵を見ていない人にいかにわかり易く説明するにはどうしたら良いかを考えながらトレーニングを重ねるうちに、英語の描写表現力が少しずつ改善されていきました。
そして続く問題は No.1 から No.4 の社会問題4問です。こちらに答えるために覚えた英語の型は日常の会話にも幅広く応用することができ、品格ある表現を可能にすると思います。
スピーキングの試験では当然のことながらタイミングよく質問に返答しないといけないので、いつでも即座にアウトプットできるよう確実に記憶して臨みました。ここで覚えた英語の表現はスピーキングのみならずライティングでも非常に役に立ちました。一石二鳥のセクションです。
合格のカギと準一級の生かし方:ライティング
英検準一級合格の鍵を握るのはライティングで高得点をとること だと先生からも教えていただいていたので、ワークブックのライティング問題の解答例は全て何度も口に出して暗記 して試験に臨みました。
過去問は10題解きました。
英作文の構成には定型の型(意見表明:賛成か反対か?→その理由→そして結論)があるので、その形を使用して意見を述べる習慣をつけることがスピーキングにおいてもとても大切 かと思いました。
こんな人は大人でも英検準一級を受験する価値がある
英語学習者なら誰でも挑戦してみる価値があると思います。
特に挨拶や日常的な会話を卒業して、教育、環境問題など社会的な話題に対して自分の意見をしっかりと伝えることができるようになりたいと思っている方、今の自分を少しでも超えたいともがいている方(私がそうでした)は積極的に挑戦すべきと思います。
私の今回の挑戦には “失敗したくない” という精神的なプレッシャーと “集中を切らさずに試験を受けることができるか” という肉体的不安がありましたが(実際とても疲れました)、自分の中でもスピーキング力が向上したと実感ができ、受験して本当に良かったと思います。
きっとエイミ先生が力になってくれると思います。努力の後には必ず大きな歓びが待っていると信じています。
S-CBT形式で受験してみて感じた注意点
エイミ先生の記事 で S-CBT形式(Speaking-Computer Based testing:今までのようなペーパー試験と面接でなくコンピュータを使って受験する英検)の受験について詳しく解説されていると思いますが、私も一次と二次で二日間必要な従来のテストより、1日で終わるCBTを選択しました。
私のように今までこの方式でテストを受けた経験がなくパソコンがそれほど得意でないものにとってはCBTは注意が必要と思いました。
私は受験2ヶ月前と2週間前に計2回模擬CBTテスト(過去問)を受けて準備しましたが、それでも本番にはミスを犯してしまいました。
CBTテストは各自がヘッドフォンを装着してPCのガイダンスに従って試験を受けますが、周りの受験者が解答している声がかすかに聞こえます。試験はスピーキング問題から始まり、最初の問題は4コマのイラストの説明文を1分間で考えた後、2分間を使って声に出して説明していくものです。
最初の1分間の準備時間が30秒過ぎたころ、私の隣の受験者が話しはじめている声が聞こえ(テスト開始前にPCで説明がありますが、理解できている人は説明が理解できたかどうかのボタンを早く押して進みますので、試験開始時間に個人差が生じます)、自分はまだ1分間経っていないのに話しはじめないといけないと勘違いをしてスピーキングを開始してしまいました。
しかしまだ私自身は1分経過していなかったので、話しても録音されるはずもありません。
途中でそのことに気づき、もう一度最初からナレーション問題に答えましたが、パニックになってしまい、2分間何を話したか、その後のスピーキング4問で何を聞かれたか、全く覚えていません。
スピーキング問題が終了しその後少し落ち着きを取り戻して、リスニング問題そしてリーディング問題と進みましたが、最初のパニックを引きずってしまい、リーディング問題に慎重になり過ぎて予想以上に時間がかかってしまいました。
予定では残り30分残して最後のライティング問題に取り組むつもりでしたが、20分弱しか残らず、本当に慌てて文章を考える羽目になりました。
またライティングはパソコン入力に不安があったのでタイピング型でなく筆記型を選択していましたが(受験申込時にいずれかを選択できます)、時間がなく慌てていたので、書く手が震えて、何度も消しゴムで消しながら筆記するという予想もしなかった事態に陥ってしまいました。
やっとの思いで文章を書き切ったところでほぼ同時に終了の合図がアナウンスされました。あと10秒遅れていたら最後まで書き切ることができない状況でした。
英検は時間配分がとても重要だとあらためて実感した瞬間でした。
試験は緊張していると何が起こるかわからないものです。英検準1級S-CBT受験で特に重要なのは、最初のスピーキング問題で自分自身にだけ集中すること(周りの受験者の声につられないこと)、その後のリーディングに予定以上の時間をかけすぎないこと と感じました。
以上、私の拙い体験談ですが、何か皆さんの参考になれば幸いです。
今回のまとめ
D先生の手記から、大事なポイントをまとめます。
英検準1級合格に必要なことは
・「英語表現の型」を確実に記憶 すること。特にスピーキングの試験では即座に質問に返答しないといけないので、いつでも即アウトプットできるレベルにまで「型」を自分自身に馴染ませること。(考えて思い出すレベルでは足りません。)
・単語の暗記はもちろん大切だが、1、2カ月という限られた時間でスピーキング対策まで行うのであれば、単語集をやり切るのは困難。そのため単語帳制覇は場合によっては諦め、過去問の中でわからなかった単語、句動詞をノートに書きとめて何度も声に出して復習するのがお勧め。
・リスニングでは「8割聞き取れていれば良い」という考えは捨てること。8割では聞き取れなかった文章に大切な情報が含まれていて正答が導けなかったりすることがあります。リスニングの精度を限りなく100%まで上げていく ことが重要。
・英検準一級合格の鍵を握るのはライティングで高得点をとること。ライティング問題の解答例は全て何度も口に出して暗記 しましょう。(「書けるだけでは足りない」と意識して。)以上のやり方で、ライティングの過去問を10題以上 解きましょう。
・S-CBT受験の場合、最初のスピーキング問題では自分自身にだけ全集中すること(周りの受験者の声につられないこと)、リーディングに予定以上の時間をかけすぎないこと がキモです。
今の自分を少しでも超えたいともがいている方、教育、環境問題など社会的な話題に対して自分の意見をしっかりと伝えることができるようになりたいと思われている方 は、英検受験がその助けになるのではと思います。本当に良く出来ている試験です。
D先生、貴重な体験談とご寄稿を本当にありがとうございました!!