ポッドキャスト 医療系英単語の発音

【第92回】二つのウの練習- pull と glucose のウは違う音です!

投稿日:2023年2月6日 更新日:

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当記事でご紹介しているポッドキャストは、個別レッスンを受講してくださっている生徒さんのために私の方でレッスンの復習用にお作りしている音声データを公開しているものです。

この記事では 「英語の ウ は二つある」(使い分けられると英語の発音がより上手になります!)というトピックで英語学習していきます。

今回は「肉離れ」や「グルコース」などの医療系単語を使って練習をします。

 ER の台詞からリアルな英語表現も一緒に学習しましょう!

 

Dr.ナミ

ラジオは通常速度で09分24秒ニャ。
早く聞きたいあなたは倍速などでどうぞニャ!

 

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“pull” の プ は プとポの中間音 

エイミ

こんにちは!

医学英語発音コーチのエイミです。

 

一つ目は、発音記号で [ʊ] と書く ウ を練習します。

いろいろな呼び方があるのですが、私はこれを short U(ショートユー)と呼んでいます。  

short U を発音しているネイティブの顔を見てみましょう。

look と言っている瞬間のフルハウスのダニーパパです。

 

「自分の服装が気に入らないんだよ。手伝ってくれないかな? もっと決まってる感じにしたいんだ。」

 

◆ short U の発音のポイント

・日本語のウよりも唇のすぼめ方があいまいです。

・口先ではなく、喉にこもらせて発音します。

・そのため ウとオの中間のような音 になります。look はルックとロックの間のような音。

 

short U を使う単語には以下のようなものがあります。

 

◆ short U [ʊ] を使う単語例

pull [pʊl] full [fʊl] push [pʊʃ] 

book [bʊk] took [tʊk] look [lʊk] 

foot [fʊt]  wood [wʊd] good [gʊd] 

stood [stʊd] ureter [jʊ́rətər] woman [wʊmən]

 

「肉離れ」を英語で pulled muscle と言いますが、ネイティブが発音すると

ポウd マッスウ

のように聞こえることが多いです。

[ʊ] なのでウとオの中間音になるのですね。

ポッドキャストで pulled muscle のネイティブの発音を紹介しています。

お時間ありましたらぜひ私と一緒に練習してみましょう!

 

 

short U の練習では、最後に ER の以下の場面を使って発音練習をします。

事故で手首が断裂寸前という大怪我を負った患者さんが ER へ運び込まれてきました。

外科レジデントの Dr. ベントンは患者の術前処置を行った後、上級医の先生へこう尋ねます。

「先生、手は付きますかね?」

 

◆ ER で short U の発音練習 look, good「状態は悪くない」

Dr. ベントン:先生、手は付きますかね?

So, uh, you think you can save the hand?

上級医:状態は悪くない。付くと思うよ。

Looks pretty good. I think so.

 

 

“glucose” の ル は 唇をとがらせて発音 

次は二つ目のウ、発音記号で [u] と書く long U(ロングユー)の発話練習です。  

long U を発音しているネイティブの顔チェックいきましょう。

to を強くはっきり発音している瞬間の ER のスーザンです。

 

 

◆ long U の発音のポイント

・上唇を前歯から離し、少し突き出すようにして(アヒル口)唇をすぼめます。

・比較的口先の方で発音します。

・そのため はっきりとしたウの音 になります。

 

long U を使う単語には以下のようなものがあります。

 

◆ long U [u] を使う単語例

two, too, to(強形) [tu:] true [tru:] shampoo [ʃæmpúː] 

glucose [glúːkoʊs] tumor [tjúːmər] 

perfusion [pərfúːʒən]  acute [əcúːt] tube [tju:b] 

 

long U の練習では、ER の以下の場面の 血糖値 を使って発音練習をします。

ある患者の保険適用を巡り、保険会社の担当者が Dr. フィンチと話をしています。

保険会社の男性は、患者の男の子が5か月前にも同施設へ来院していたにも関わらずその時点の血糖値が正常であったことに疑問を抱いています。

「今日血糖値が980だったのなら、5か月前にも高かったはずですよ。」

 

◆ ER で long U の発音練習 glucose

保険会社社員:今日血糖値が980だったのなら、5か月前にも高かったはずですよ。

If his glucose was nine-eighty today, it must’ve been high five months ago.

Dr. フィンチ:そうでしょうね。

You’d think so.

 

グレーの文字はほぼ発音されていない部分です。

 

今回の内容をポッドキャストでもどうぞ!

Dr.ナミ

ラジオは通常速度で09分24秒ニャ。
早く聞きたいあなたは倍速などでどうぞニャ!

 

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今回のまとめ

今回は「英語の ウ は二つある」(使い分けられると英語の発音がより上手になります)というテーマでのレッスンの一部をご紹介しました。

日本語にウは一つですが、英語の母音にはウが二つあります。

◆ short U の発音のポイント

・日本語のウよりも唇のすぼめ方があいまいです。

・口先ではなく、喉にこもらせて発音します。

・そのため ウとオの中間のような音 になります。

◆ long U の発音のポイント

・上唇を前歯から離し、少し突き出すようにして(アヒル口)唇をすぼめます。

・比較的口先の方で発音します。

・そのため はっきりとしたウの音 になります。

 

short、long と名がついてはいますが、伸ばすか伸ばさないかではなく、発音方法自体に違いがあります。

FULLHOUSE ダニーの [ʊ] と ER スーザンの [u] をよーく見比べ、練習してみてください。

これからもラジオや無料メルマガで英語コンテンツを公開していきますので、ぜひチェックしてくださいね。

また一緒に英語学習しましょう!

 

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エイミ
医療英会話の発音とリスニングの専門家。学会発表、座長の英語、診療英会話、英検、OETなどのオンラインレッスンを提供中。20代後半から英会話習得をスタートし、最初は「センキュー」以外一言も話せない英語音痴でした。日本人にとっての理解しやすさを追求した解説と「トレーニングは楽しく!」が信条。ERが大好き。University of Baguio, Associate in Hotel and Restaurant Management卒。TOEIC 935点。

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