この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/
(アイコンをクリックで登録画面へ移動します)
ラジオは通常速度で10分57秒だよ。
早く聞きたいあなたは倍速などでどうぞ!
アップルポッドキャストや Spotify で「エイミ」で検索!
多くの英語ネイティブは子音Hを発音しない
こんにちは!
医学英語英語発音コーチのエイミです。
現代の英語ネイティブ、特にアメリカ英語話者の多くは、子音Hをあまり発音しません。
映画マイ・フェア・レディの主人公であるイギリスの下町娘イライザは、heard を「アード」、him を「イム」と発音し、音声学者のヒギンズ教授に
「Hをちゃんと発音しなさい!」
と、猛特訓されます。
ヒギンズ教授はろうそくに火をつけ、イライザへ、
「この炎を見ながら練習しよう。きみがHを正しく発音すれば、火は揺れる。しかし、Hを落とすと、炎は揺れない。私がやってみるから、よく耳を澄まして、聞くんだよ。」
と言い、お手本を見せます。
「ハートフォードと、ヘレフォードと、ハンプシャーでは、ハリケーンは滅多に起こらない。」
“In Hartford, Hereford and Hampshire huricanes hardly ever happen.”
ヒギンズ教授がHを発音するたび、ろうそくの炎は大きく揺れます。
しかし、イライザはHを落とす(発音しない)ので、炎が全然揺れません。
イライザのように、ハ・ヒ・フ・ヘ・ホの H を発音しないネイティブは、ものすごくたくさんいます。
なぜ英語ネイティブの多くは子音Hを発音しないのでしょうか?
日本語の「ハヒフヘホ」の子音を理解すれば、その理由が見えてきます!
子音Hは発音するのがしんどい音
日本語のハ行のうち、ハ・ヘ・ホは、英語の ハ行と同じく、子音 /h/ です。
日本語のハ・ヘ・ホから母音を抜き、息だけで発音すると、子音 /h/ になりますので、この「息だけでハ・ヘ・ホ」を、ぜひ正しくやってみてください。
そうするとわかるのですが、発音するのがかなりしんどい音です。
子音Hは
「声門を使い」
「無声音(声を出さない音)」
であることが特徴の音、無声声門摩擦音(むせいせいもんまさつおん)です。
口の中の広い空間に息をすばやく通過させないと発音出来ません。
ハ・ヘ・ホの3つに対し、日本語の「ヒ」と「フ」は、口内空間をHより狭くして発音するため、音声学的には「Hとは違う音」として区別されます。
私たち日本人は、おそらく無意識のうちに、発音しやすいように子音を微妙に調節して「ヒ」と「フ」を発音しているんじゃないかなと思います。
しかし、英語のハ行は /h/ しかありません。
そのため、少々言いにくくても、正しくは H で発音しないといけないわけですが、それが「言いにくいので発音しなくても良い」という方向に変わっていったのではないかなと、私は考えています。
日本語の「ヒ」の子音は /ç/!
日本語の「ヒー」と英語の He の違いを比較し、英語の発音を聞いてみましょう!
● 日本語の「ヒー」/çiː/ と英語の He /hiː/ は違う音!
・日本語の「ヒ」(無声硬口蓋摩擦音)は、舌の中央と上あごの距離を非常に狭くしますが、英語の He は、これほど狭くしません。
・日本語の「ヒ」の子音 /ç/ にアイウエオを付けると、「ヒャ・ヒ・ヒュ・ヒェ・ヒョ」になります。(「ハヒフヘホ」の「ヒ」ではない。)
・英語ネイティブが He を発音する時、Hが弱くなり、「イー」/iː/ になることが多くあります。
<”How is he?” が「ハウイズイ?」>
Dr. カーター:患者さんの様子はどうだい?
How is he?
看護師コニー:血圧も呼吸も落ちる一方よ。朝まで持たないわね。
PB’s falling, respiration’s down. I don’t think he’ll make it till morning.
日本語の「フ」の子音は /ɸ/!
同じように、日本語の「フー」と英語の Who の違いを比較し、英語の発音を聞いてみましょう!
● 日本語の「フー」/ɸuː/ と英語の Who /huː/ は違う音!
・日本語の「フ」(無声両唇摩擦音)は唇を小さくすぼめ、あごも落とさず、息の通り道を非常に狭くしますが、英語の Who は、あごを落として唇を円形にし、狭くしません。
・日本語の「フ」の子音 /ɸ/ にアイウエオを付けると、「ファ・フィ・フ・フェ・フォ」になります。
・英語ネイティブが Who を発音する時、Hが弱くなり、「ウー」/uː/ になることが多くあります。
<”One who has…” が「ワンヌーアズ」(直前の N からリンキング)>
女の子:幼稚園なんてもう絶対に来ないから!!絶対、絶対、絶対いや!
I’m never going back in there again. Never, never, never! No!
ダニー:[幼稚園に行くのを嫌がるステフの前を、別の子も嫌がって逃げて行き] 他のお友達を待とう。もっと人生に前向きな子がいいね。
Let’s wait for another little girl. One who has a better outlook on life.
今回の内容をポッドキャストでも一緒に学習しましょう!
ラジオは通常速度で10分57秒だよ。
早く聞きたいあなたは倍速などでどうぞ!
アップルポッドキャストや Spotify で「エイミ」で検索!
この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/
(アイコンをクリックで登録画面へ移動します)
今回のまとめ
今回は、日本語の「ハヒフヘホ」と英語の “ha hi hu he ho” を比較し、日本語と英語のハ行子音の違いを考察しました。
・日本語のハ行の子音は、音声学的には複雑であり、ハ・ヘ・ホの3つは、子音 /h/ です。これは英語の /h/ と同じ音で、母音ア・エ・オを無声化させた音です。
・日本語の「ヒ」と「フ」の子音は /h/ ではなく、さらにこの二つは、それぞれに違う子音です。日本語のヒとフにあたる子音は、英語には存在しません。
・日本語の「ヒ」/çi:/は、口の中で舌の中央部と上あごを狭く近づけて調音しますが、英語の he /hi:/ は、「ヒ」のように接近させません。
・日本語の「フ」/ɸu:/ は、唇を強くすぼめて調音しますが、英語の who /hu:/ は、「フ」のようにすぼめません。
・英語の ha hi hu he ho は、広い口内空間に素早く息を通過させて発話せねばならず、英語を母語とする人々にとっても、発音しにくい音です。そのため、英語のHは頻繁に脱落すると考えられます。
英語の He や Who を発音する時、出来るだけカタカナ発音せず、/h/ で発音出来ると素晴らしいです。
一緒に練習してくださった皆様、お疲れ様でした!
記事下にあるメルマガで、医療英会話・英語の発音・英語リスニングの学習講座を開講していますので、興味のある方は、もしよければフォローしてみてください。
それではまた一緒に英語学習しましょう!