ポッドキャスト 日常英会話

【第63回】ピンクレディー世代に捧げる発音講座 want と won’t

投稿日:2021年12月28日 更新日:

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/

(アイコンをクリックで登録画面へ移動します)

 

 

エイミ

こんにちは!

医学英語発音コーチのエイミです。

 

今回は、動詞 want のアメリカ英語とイギリス英語の発音の違い、そして won’t との音の違いについてラジオでお話ししていきます。

want は ワント なのでしょうか、それとも ウォント なのでしょうか?

そして want と won’t は、どう発音が違うのでしょうか?

今回は特に ピンクレディーの「ウォンテッド」世代の方に聞いていただきたい内容 に仕上がりました。

 

Dr.レン

ラジオは通常速度で12分42秒だよ。
大事なところだけ聞きたいあなたは 03:35 からどうぞ!

 

アップルポッドキャスト、グーグルポッドキャストからも「エイミ」で検索!

 

ピンクレディーのヒット曲「ウォンテッド」

皆さんは、カタカナでは want をどう読まれていますか?

私は、便宜上ですが、ワント と読みます。

しかし ウォント と読む方も結構おられます。

あなたはワント派ですか、それともウォント派でしょうか?

発音レッスンをしていると「want と won’t はどう発音が違うのでしょうか?どっちもウォントですよね?」という質問を結構いただきます。

私は自分では want を ワント だと思っていたので、ある時50代の外科の先生に質問してみました。

エイミ

どうして want をウォントと読まれるのでしょうか?

 

するとその先生のお返事はこんな感じでした。

 

Dr.ゴリラ

だって

ピンクレディーが

ウォンテッド!って言ってたんで…。

 

なるほど、ピンクレディーですか~、と納得しました。

 

ネイティブの want を二種類聞いてみよう

ここで want のネイティブの発音を聞いてみましょう。

ケンブリッジディクショナリーでアメリカ英語とイギリス英語を両方確認できます。

 

<画像をクリックで辞書サイトが開きます>

https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/want

 

どうでしょうか。

聞き比べてみると、UK の方は ウォント、US の方は ワント に近く聞こえませんか?

結局 ウォント なのか ワント なのかどっちやねんってなりますね。

実は want の発音は、ワ なのか ウォ なのかということではない んです。

別の所に注目してみましょう。

発音のポイントは、口の中の発声位置です。

口先ではなく、あくびをする場所、舌の根元のあたりを広く使って声を出すのが want の発音方法です。

日本人は口先で「ウォント」と言います。

これは won’t に聞こえます。

 

● want は 喉で発声

ワントに聴こえてもウォントに聴こえてもどちらでも構わない。

発声位置が大切です。

英語はどこで音が響いているかで判断します。

● won’t は 口先で発声

唇を小さくすぼめて発音します。

アメリカ英語ではウォント、イギリス英語ではウェントに聞こえることが多いです。

これもどちらに聴こえても構いません。

とにかく口をすぼめ、口先で発音することが大切です。

 

アメリカ英語の wanted ははしょって発音されます

ここでピンク・レディーの「ウォンテッド」の話に戻りましょう。

want の発音のポイントは発声位置だということをお話ししました。

ということで、口の奥の方、喉で声を出して wanted と言えば、ワンテッドに聞こえてもウォンテッドに聞こえても、この単語の発音はOKということになります。

ただアメリカ英語での wanted は、もっと省略されて発音されることが多いです。

今回は最後にそれを一緒に聞きましょう。

TEDスピーチから、アメリカ人腫瘍内科医、Sue Desmond-Hellmann先生のこんな一言をご紹介します。

(日本語訳は私の意訳になります。)

 

私は、がんの医者、腫瘍内科医になるための訓練を受けました。この道に進んだのは患者さんの苦しみを軽減する手助けがしたかったからです。

 

この中に wanted の発音が出てきます。

何と言っているか、よーーく聞いてみましょう。

 

◆【聞き取りチャレンジ】私がこの科を選んだのは…

A smarter, more precise way to think about public health | Sue Desmond-Hellmann  04:15時点)

 

どうでしょうか。

何とお話しになっているかおわかりになりましたか?

そして wanted はどこに出てきて、どのように発音されていたでしょうか?

ぜひ2、3回繰り返し聞いて、考えてみてください。

考えて頂いたら答えをどうぞ!

 

 

 

◆ 答え

I traind as a cancer doctor, an oncologist. And I got into it because I wanted to help people feel better.

私は、がんの医者、腫瘍内科医になるための訓練を受けました。この道に進んだのは患者さんの苦しみを軽減する手助けがしたかったからです。

 

 

ということで、Sue Desmond-Hellmann先生の一言は

I traind as a cancer doctor, an oncologist.

And I got into it because I wanted to help people feel better.

でした!

 

そして後半部分で I wanted to help people… と話されていますが、発音はこのようになっていました。

I wanted to help people feel better.

アイ ネッ トゥ ヘウp ープウ フィーゥ ダァ.

 

アメリカ英語では wanted の t を省略して発音することが多いです。

そのため wanted が waned になり、ワネッ のような、 ワヌッ のような音に聞こえます。

 

● wanted はアメリカ英語では “ワネッ” “ワヌッ”

・それがやってみたかったんです。

I wanted to do that. 

アイ ネッ トゥ ウ ザァ.

・彼女は屋外で仕事がするのが好きでね。

She always wanted to work outdoors

ーウェイズ ネッ トゥ ーk アウァズ.

 

今回はここまでです!

ラジオの 08:22時点から、Sue Desmond-Hellmann先生の台詞を練習しています。

ぜひ私と一緒に英語を話す練習をしてみましょう!

I trainted as a cancer doctor, an oncologist.

アイ チュレインd ァズァ ケァンサァ kタァ ア ナンロジst. 

I got into it because I wanted to help people feel better.

アイ ディントゥイッ ビコズ アイ ネッ トゥ ウp ープウ フィーゥ ダァ.

アップルポッドキャスト、グーグルポッドキャストからも「エイミ」で検索!

 

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/

(アイコンをクリックで登録画面へ移動します)

 

 

今回のまとめ

~がしたい、~が欲しい、という話をする時に使う動詞 want は、ネイティブの発音を聞くと、ワントのようなウォントのような微妙な音に聞こえます。

アメリカ英語ではワント寄り、イギリス英語ではウォント寄りに発音されることが多いですが、「ワなのかウォなのか」は実は重要な部分ではありません。

want の発音のコツは、口の奥、舌の付け根のあたりから、喉で発声することです。

口先で発声する日本語の「ウォント」は、英語では won’t に聞こえます。

want [wɑnt] は喉で、won’t [woʊnt] は口先をすぼめて、私たちも出来るだけ発音に気を付けてみましょう。

最後に、アメリカ英語の wanted は音がはしょられることが多いです。

ワンテッド より ワネ、ワヌ と聞こえる時があります。

少しずつ耳を慣らしていきましょう。

それではまた一緒に英語学習しましょう!

 

-ポッドキャスト, 日常英会話

執筆者:

関連記事

【第24回】オーストラリア英語の聞き取り練習(TOEICとERで解説)

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     エイミ こんにちは! 医学英語発音コーチのエイミです。   今日は オースト …

【第103回】品詞に注目すればネイティブっぽく英語が話せる

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     英語を英語らしく話すには発話にリズム(強弱)を伴わせる必要があります。 日本人は強弱の …

【第84回】iPhoneの「Live Text」で大量の英語表現をメモアプリに保存する方法

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     今回は「iPhone のこれすごく便利!」と最近私が思っている機能を英語学習者の皆さん …

【第37回】大動脈解離の術後ブリーフィングを ER で練習【1】

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     エイミ こんにちは! 医学英語発音コーチのエイミです。   今回は「ER の …

【第141回】胃の再建法「ルーワイ法」「ビルロート法」は英語でこう読む!

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     今回は、ER から、胃の再建方法にあたる「ルーワイ法」と「ビルロート法」の英語の正しい …

最新記事

  1. 【医療者の英語表現】「~の疑いがある」ネイティブはどう言う?
  2. 【学会レポ】座長編「外国人の読めない名前をなんとか発音する方法」
  3. 【L、dL、mL、µL】を英語でちゃんと発音するコツ
  4. 「mEq」ミリイクイバレント を英語で正しく読もう!【ERで解説】
  5. 【第150回】/ʒ/ を正しく発音する方法! ELSA speak や Siri を攻略しよう
  6. 【第1回】t と s がくっ付く英語の発音のはなし
  7. 【薬剤名の発音どう調べる?】YouTubeで結構解決できます!
  8. 【動画】「一般化ウィルコクソン検定」の英語の発音をわかりやすく
  9. 【腹部4区分】右下腹部、右上腹部、左下腹部… Quadrant の発音をERで学ぼう!
  10. 【第113回】”Why don’t you” の発音は「ホワイドンチュー」ではありません!
  11. 【学会レポ】Vol. 7 ourの発音は『アー』の巻
  12. 英検1級受験記【2】英作文・エッセイの「難キーワード」まとめ No. 1
  13. 【タバコ関連医療英語まとめ】「元喫煙者」「現喫煙者」「副流煙」どういう?
  14. 大静脈【vena cava】の発音は「ベナカバ」じゃない!
  15. 【第110回】”バニラ” を日本人が発音すると “バナナ” に聞こえます
  16. 【学会レポ】留学せずに英語でスラスラ発表している人がやっていること【子音編】
  17. 【第30回】「多変量解析」multivariate analysis の発音のコツ
  18. 【第38回】大動脈解離の術後ブリーフィングを ER で練習【2】
  19. 【医療で頻出】「可能性がある」「恐れがある」の英語表現
  20. 【第104回】英語でチャット〜ポッドキャスト配信アプリのスタッフさんと
  21. 【学会レポ】座長編 英語の例文「質疑応答をコントロールし、セッションを締めくくる」
  22. penis の発音はペニスではないという真面目な話
  23. 【医療の英会話】「症例数は多くない」ネイティブの英語表現を聞いてみよう!
  24. 【第21回】英語で「酸素飽和度は97」ネイティブはどう言う?
  25. 穿刺針やカテーテルを「入れる」ネイティブが使う動詞5つ  まとめ
  26. 【英語の発表例文】「(みんな知っての通り)~ですので」を自然に言う方法
  27. ロサンゼルス・タイムズ英語学習「富裕層の寄付でホームレスの住宅を買う」
  28. 【第6回】”could” の使い方
  29. 【ERで学ぶ医療英会話】緊急分娩対応5【英語丸ごと解説】
  30. 【第63回】ピンクレディー世代に捧げる発音講座 want と won’t
エイミ
医療英会話の発音とリスニングの専門家。ER先生。舌トレ先生。英検先生。
20代後半から英会話習得をスタートし、最初は「センキュー」以外一言も話せない英語音痴だった。日本人にとっての理解しやすさを追求した解説と「トレーニングは楽しく!」が信条。ERが大好き。University of Baguio, Associate in Hotel and Restaurant Management卒。TOEIC 935点。

詳しいプロフィールはこちらからどうぞ。