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【第116回】医学論文の TAKE-HOME MESSAGE で英語の音読練習 2

投稿日:2023年8月19日 更新日:

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今回は ジャーナルに掲載されている医学論文の TAKE-HOME MESSAGE を口に出して読み、発音を良くする練習 をしていきます。

取り上げる論文は循環器のもので、タイトルはこちらです。

“Long-term outcomes of perioperative myocardial infarction/injury after non-cardiac surgery”

「非心臓手術後の周術期における心筋梗塞または心筋障害に関する長期結果」

医療英語の発音をぜひご一緒に練習しましょう!

 

Dr.サトシ

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今回の TAKE-HOME MESSAGE の内容

エイミ

こんにちは!

医学英語発音コーチのエイミです。

 

◆ 今回の練習題材 TAKE-HOME MESSAGE 後半(生徒さんから練習オーダーを頂いたもの)

  • The rate of 1-year major adverse cardiovascular events was substantially higher among patients with PMI than among those without PMI, irrespective of the etiology.
  • These findings show that more than 1 in 8 high-risk patients experience PMI, which is associated with an adverse 1-year prognosis.

・重大な心臓有害事象の一年間の割合は、病因に因らず、PMIを持たない患者群と比較してPMIを持つ患者郡の方が高かった

・これらの結果は、8人中に1人以上のハイリスク患者がPMIを経験することを示しており、それは一年予後不良につながるものである。

※和訳は非医療者のエイミによるものです。違和感のある表現がありましたら申し訳ございません。

 

【英文音読のポイント】

 

・声はお腹から出し、腹筋を使います。

・喉は広く開き、舌先は「下前歯の内側」をホームポジションとします。

・キーワードとなる語や発音が難しい語などは、単語レベルに短く切って繰り返し練習 し、その後文に入れて練習するとうまくいきます!

 

1行目の練習

  • The rate of 1-year major adverse cardiovascular events was substantially higher among patients with PMI than among those without PMI, irrespective of the etiology.

★ワードチェックと和訳★

・major adverse cardiac(/cardiovascular) event 重大な心臓有害事象。略称 MACE(メイス)。

・PMI  “perioperative myocardial infarction/injury”(周術期における心筋梗塞および心筋障害)の略称。

・irrespective of A   ~に因らず。

・etiology  病因。病気の原因。

「重大な心臓有害事象の一年割合は、病因に因らず、PMIを持たない患者群と比較してPMIを持つ患者郡の方が優位に高かった。」

 

まずはここまで読んでいきます!

強弱のリズムをフォントの大小で示すとこんな感じです。

The rate of one-year major adverse cardiovascular events was substantially higher among patients with PMI than among those without PMI, irrespective of the etiology.

 

今回の主語、“The rate of 1-year major adverse cardiovascular events” のような長い名詞のかたまりは、最初と最後の音節にアクセントを付けて発音するようにします。

rate と events を最も強くし、あとの単語は音程を抑えて、控えめに。

“The rate of one-year major adverse cardiovascular events

 

event は 「ベント」 と発音を間違えてしまうことが多く、私たち日本人にとって気を付けるべき単語です。

event

ヴェンt

 

また、The rate of one year…の of 前後の発音に悩むことがあります。リンキングさせるのかさせないのか、どちらもありなのですが、私は今回はリンキングさせず、 t を「ッ」と読んで発音しました。

The rate of one-year

レイッォv ワン ィヤ

(”ザ レイドv ワン ィヤ” と繋げてもOKです。)

 

“PMI” のような頭文字略語は、最初と最後の文字を強く発音します。(「長い名詞のかたまり」と同じです。)真ん中のアルファベット、今回は M は、音程を下げます。

among patients with PMI

among those without PMI,

 

病因、etiology の読み方は「エチオロジー」ではありません。

etiology

ディロジィ

最初の e は [i] なので イ、アメリカ英語では ti が濁り、ディっぽく発音されます。ティと発音しても大丈夫です!

 

2行目の練習

  • These findings show that more than 1 in 8 high-risk patients experience PMI, which is associated with an adverse 1-year prognosis.

★ワードチェックと和訳★

・1 in 8 high-risk patients 8人に一人のハイリスク患者。”one in X A” で、「X(数字)のうち1人のA、1つのA」を表すことが出来ます。

・be associated with A     ~に関係がある。~につながる。

・adverse 1-year prognosis  一年での予後不良。

「これらの結果は、8人中に1人以上のハイリスク患者がPMIを経験することを示しており、それは一年予後不良につながるものである。」

 

こちらはリズムを取るとこのような感じになります!

These findings show that more than one in eight high-risk patients experience PMI, which is associated with an adverse one-year prognosis.

 

この英文は These findings show… で始まっています。

“findings show” で単語末と単語頭 が “s-sh” という並びになり、音読すると findings の s が聞こえなくなりますが、それで大丈夫です。

These findings show

ディファインディング(ス) ショウ

s-sh の音並びでは、s音は後ろの sh音と合体します。

 

続く「8人に一人」”one in eight” は、口述ではどのように読めば良いのでしょうか。悩みどころかと思います。

3単語全て繋げて発音することも可能ですが、大事な数字はネイティブでもわざと離して発音することが良くあります。その方が聞き手に良く伝わるためです。

私は今回、one in はリンキングさせ、eight は離して発音しました。

more than one in eight

アザン ニン エイ

(”アザン ネイt” と繋げてもOKです。)

 

今回の内容をポッドキャストでもどうぞ!

Dr.サトシ

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今回のまとめ

今回は、医学論文のTAKE-HOME MESSSGE を使った英語の発話練習をレッスンで行ったものをご紹介しました。

【英文音読のポイント】

・声はお腹から出し、腹筋を使います。

・喉は広く開き、舌先は「下前歯の内側」をホームポジションとします。

・キーワードとなる語や発音が難しい語などは、単語レベルに短く切って繰り返し練習 し、その後文に入れて練習するとうまくいきます!

リズムを可視化するためにフォントの太さや大小を変えた原稿を作り、最初はそれを見ながら音読するのがおすすめです。

 

これからもポッドキャストや無料メルマガで医療英語コンテンツを公開していきますので、ぜひチェックしてください。

また一緒に英語学習しましょう!

 

【第117回】医学論文で英語の音読練習 3

 

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エイミ
医療英会話の発音とリスニングの専門家。ER先生。舌トレ先生。英検先生。
20代後半から英会話習得をスタートし、最初は「センキュー」以外一言も話せない英語音痴だった。日本人にとっての理解しやすさを追求した解説と「トレーニングは楽しく!」が信条。ERが大好き。University of Baguio, Associate in Hotel and Restaurant Management卒。TOEIC 935点。

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