英語 with Amie

医師のための100%楽しむ医療英語オンラインスクール

ポッドキャスト

【第26回】「大動脈瘤の最先端治療を行っています」ER で発音練習

投稿日:2021年3月9日 更新日:

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/

(アイコンをクリックで登録画面へ移動します)

 

 

エイミ

こんにちは!

医学英語発音コーチのエイミです。

 

今回は、米ドラマ ER のワンシーンを使い、「大動脈瘤の最先端治療を行っています」の聞き取りと発音 を、ラジオで皆さんと一緒にワークしてみたいと思います。

たとえ「大動脈瘤」や「先端治療」の英語表現をちゃんと知っておられたとしても、ネイティブの発話の聞き取りはなかなか難しいですよ…!

それでは、チャレンジしてみましょう!

 

Dr.レン

ラジオは通常速度で13分09秒だよ。

早く聞きたいアナタは倍速などでどうぞ!

 

 

1.Anchor

2.アップルポッドキャスト   

「エイミ」で検索してください!

3.Google Podcasts

 

「最先端治療」英語で聞き取れる?

 

ドラマ「ER」の舞台、カウンティー・ジェネラル病院の救急科へ、レイクさんという男性が胸部痛で来院しました。

レイクさんは内科医のスーザン・ルイス先生の担当となりますが、患者のX線写真を見た外科医のベントン先生は「大動脈瘤の可能性がある(手術になるかも)」と考え、同病院の循環器外科医・ヴューセリッチ先生にコンサルテーションを依頼しました。

 

エイミ

ここでルイス先生は、患者のレイクさんに

ヴューセリッチ先生のことを説明するのですが、

ここで「大動脈瘤の最先端治療を行っている先生です

というフレーズが出てきます。

聞いていきましょう!

 

◆【聞き取りにチャレンジ】1回目

レイクさん(患者):ルイス先生は(ヴューセリッチ先生のことを)知ってます?

Do you know him?

Dr. ベントン:いえ、ルイス先生は外科じゃないので。

No, Dr. Lewis isn’t on the surgical team.

Dr. ルイスヴューセリッチ先生は心臓血管外科の権威で、大動脈瘤の最先端治療をなさっています。

Dr. Vucelich is an excellent cardiovascular surgeon, one of the best in the country. He’s ________________________________.

【日本語吹替と英語音声を連続で】

 

 

エイミ

どうやらルイス先生は

ヴューセリッチ先生のことを

ちゃんと知っていたようですね!

レン先生、

ルイス先生の最後の一言、

かなり難しいのですが

何と言っているかわかりましたか?

 

Dr.レン

えーと、最後の

on aortic aneurysms(大動脈瘤に関して)

聞き取れたよ!

でも、その前はなんだろう?

「最先端治療」なら

latest とか advanced とか

そういう単語が出てくるかと思ったんだけど…

全然そんな風に聞こえないなぁ?

 

エイミ

そうですね、今回一番難しいのは

最先端治療」の聞き取りです。

音声の速度を少しゆっくりにして、

もう一度よく聞いてみましょう!

 

 

◆【聞き取りにチャレンジ】2回目(0.7倍速)

Dr. ルイスヴューセリッチ先生は心臓血管外科の権威で、大動脈瘤の最先端治療をなさっています。

Dr. Vucelich is an excellent cardiovascular surgeon, one of the best in the country. He’s _____________________ on aortic aneurysms.

【英語音声のみ(0.7倍速)】

 

 

これで、だいぶ聞こえてきましたか?

 

Dr.レン

うーむ、どうも

ヴェリーベス  ワーク」のように聞こえるけど…

very best work?

そんな言い方するのだろうか?

 

繰り返しよーーく聞いて、考えて頂いたら、答えをどうぞ!!

 

 

 

 

 

◆ 答え

Dr. ベントン:いえ、ルイス先生は外科じゃないので。

No, Dr. Lewis isn’t on the surgical team.

Dr. ルイスヴューセリッチ先生は心臓血管外科の権威で、大動脈瘤の最先端治療をなさっています。

Dr. Vucelich is an excellent cardiovascular surgeon, one of the best in the country. He’s doing very advanced work on aortic aneurysms.

【英語音声のみ】

 

エイミ

ということで、「先進の」は

レン先生の予想された

“advanced” で正解でした!!

“very advanced” で「最先端の」です! 

 

Dr.レン

なんと、advanced で合ってたの?!

いや、待って!

全然「アドバンスト」って聞こえなかったけど

それはどうして?

 

エイミ

それは、advanced の

アド(ad)がまったく発音されていないから

かと思います。

ここでは very advanced が

ヴェリー ヴァンスt」になっているんです!

 

Dr.レン

advancedヴァンスtに…!

だから very best みたいに聞こえたのか!

 

He’s doing very (ad)vanced work  → 

ヒズドゥーイン ヴェリー ヴァンスt ワーk

と思って、この部分だけもう一度聞いてみましょう!

 

 

 

第二音節に強勢が乗る単語は第一音節が聞こえない

 

さて、どうして advanced の発音が「ヴァンス」だけ になってしまうのしょうか?

それは、advance のように第二音節に強勢の乗る単語は、第一音節が非常に弱くなる からです。

 

 

エイミ

たとえば他に、こんな単語もそうです。

こちらも聞いてみてください!

 

(ERより)

そうでもないの。1年くらい前に教会で出会って…。

Not really. About a year. We met at church.

【英語音声】

 

 

エイミ

about は advance と同じように

第二音節に強勢の乗る単語ですが、

どのように聞こえますか?

 

Dr.レン

最初のアが発音されずに、

「バウ」だけになっているね!

About a year. が

バウダイヤー に聞こえるよ。

 

エイミ

その通りです!

他に例を挙げれば、

allow は ラウ に、

adjust は ジャス に、

inform は フォーム

聞こえたりすることがあります。

 

Dr.レン

一つずつ耳鳴らしが大事だね…!

 

 

それでは今回はここまでです!

ラジオでは「大動脈瘤の最先端治療を行っています」の発音を練習していきます!

 

 

1.Anchor

2.アップルポッドキャスト   

「エイミ」で検索してください!

3.Google Podcasts

 

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/

(アイコンをクリックで登録画面へ移動します)

 

 

 

今回のまとめ

今回は、「A(人や施設名)は B(疾病名)の治療において最先端治療を行っている」の英語表現、

A is doing very advanced work on B.

のご紹介とともに、

第二音節に強勢が乗る英単語は第一音節が聞こえなくなることがよくある

という大切な部分をお伝えしていきました。

advance が「ヴァンス」になったり、about が「バウ」になったり、ネイティブは音をどんどん減らして発話します。

ということで、第二音節に強勢が乗る英単語(特に第一音節が母音のもの)は今後要注意です。

これ、強勢が第二音節だけど、最初の音が聞こえなかったらどう聞こえるだろう?」と考えながら英語に触れていると、ネイティブの速い発話であっても、聞き取れる量が増えていきます。

 

 

-ポッドキャスト

執筆者:

関連記事

【第33回】electorocardiogram(心電図)を英語らしく発音する方法

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     エイミ こんにちは! 医学英語発音コーチのエイミです。   今回は、医療系基 …

【第128回】英語「コッホの三角」「ファロー四徴症」「紹介状」の正しい発音

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     この間、ある生徒さんが、 「心臓に「コッホの三角」というのがあります」 と教えてくださ …

【第21回】英語で「酸素飽和度は97」ネイティブはどう言う?

  この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     エイミ こんにちは! 医学英語発音コーチのエイミです。   今 …

【第123回】”them” “that” “there” は「ゼム」「ザット」「ゼア」じゃない! 英語リスニング攻略法

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     Dr.サトシ ラジオは通常速度で08分20秒だよ。 早く聞きたいあなたは倍速などでどう …

【第82回】スタンフォード大学研究者の著書から学ぶ発表に役立ちそうな英語表現

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     今回は「スタンフォード式人生を変える運動の科学(原題:The Joy of Movem …

最新記事

  1. 【第61回】英語で「は?」と聞き返されても気にしない。受け止め方と対処法
  2. 【第58回】”低位舌” は英語の発音にとって大問題
  3. 【学会レポ】質疑応答編 英語の例文「最初の一言」
  4. 【第67回】ER 鉄パイプ貫通治療シーンから英語学習 後編
  5. 【第88回】The Resident 型破りな天才研修医 第一話で英語学習 2
  6. 【第98回】人工透析患者さんとお医者さんの会話
  7. 【ERで学ぶ医療英会話】手の術前処置後の報告2【英語丸ごと解説】
  8. 【第45回】五輪カナダ人レポーターが英語で熱くコンビニを語る 前編
  9. 【第78回】急性心筋梗塞の患者さんのTPA治療場面で英語学習
  10. 【第26回】「大動脈瘤の最先端治療を行っています」ER で発音練習
  11. 【第106回】座長の英語例文「セッションを予定の時間で進行させる」
  12. 【第19回】医療英会話のアウトプット学習について考えてみよう
  13. 【第21回】英語で「酸素飽和度は97」ネイティブはどう言う?
  14. penis の発音はペニスではないという真面目な話
  15. 【第155回】呼吸器の英語の発音 ~ 呼吸不全、人工呼吸器、レスパイト
  16. 【第62回】can と can’t がどうしても同じに聞こえる時
  17. 【第66回】ER 鉄パイプ貫通治療シーンから英語学習 前編
  18. 英検1級受験記【5】エピジェネティクス ~「後天的遺伝子修飾」とは?
  19. 【第74回】生徒さんからの最近の質問まとめ 2022 【1】
  20. 【第35回】「コックス比例ハザードモデル」 の英語発音のコツ
  21. 【食道の英語】「エソファーガス」が通じないのはなぜ?
  22. 【第4回】antibiotics が「アナ」バイアディクスになる理由
  23. 【第97回】小学5年生の生徒さんへのサッカー英会話レッスン1
  24. 【生徒さんの声】4週間でネイティブに聞き返されない発音になる
  25. 【第73回】ER の診察英会話 初診診療での英語表現と発音
  26. 【第11回】医学のトップジャーナル「NEJM」で発音練習
  27. 【胆嚢】ネイティブの『gallbladder』をリスニングチャレンジ!
  28. 【医療者の英語表現】「血がサラサラ」「ドロドロ」どう言えばいい?
  29. 【第10回】「英語の母音はどの程度の完璧さを目指すべきか」を考えてみる
  30. 【第111回】診療英会話〜妊娠高血圧症疑いの妊婦さんとその夫とお医者さん
エイミ
医療英会話の発音とリスニングの専門家。学会発表、座長の英語、診療英会話、英検、OETなどのオンラインレッスンを提供中。20代後半から英会話習得をスタートし、最初は「センキュー」以外一言も話せない英語音痴でした。日本人にとっての理解しやすさを追求した解説と「トレーニングは楽しく!」が信条。ERオタク。University of Baguio, Associate in Hotel and Restaurant Management卒。TOEIC 935点。

詳しいプロフィールはこちらからどうぞ。