医療ドラマ英会話

「そのため、~(病名)だと考えました」【ER】症例検討会の英語表現 発音も解説【2】

投稿日:2020年3月20日 更新日:

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/

(アイコンをクリックで登録画面へ移動します)

 

 

エイミ

こんにちは!

学会英語発音コーチのエイミです。

 

この記事は、医療ドラマ ER の ケースカンファレンス(症例検討会)のシーン から、英語表現と発音を皆さんにご紹介する記事の2つ目です。

(1つ目の記事はこちらです。)

今回は、質疑応答でのドクター同士のやり取りを詳しく見ていきましょう!

 

「その症状を~によるものだと考えた」の英語をリスニング!

 

このカンファは、

救急科にて緊急帝王切開をした妊婦さんが子癇前症(妊娠高血圧症候群)であり、お産直後に出血多量で亡くなってしまった

という深刻なケースに関するものです。

 

この症例を担当したグリーン先生は、別のドクターからの質問(ほぼ詰問)に、冷静に答えようと努力しています。

 

 

 

エイミ

ではここで、

ネイティブの発音の聞き取りに

トライ してみましょう。

何と言っているか、わかるでしょうか?

 

 

【1回目】グリーン先生の英語をリスニングチャレンジ!!

質問者:She had a hypertension and proteinuria.

彼女は(子癇前症の診断基準である)高血圧と蛋白尿があった。

Dr. グリーン:ーーーーーーー a urinary-tract infection. And her pressure was high on only one occasion.

私はそれを尿路感染によるものと考えました。血圧が高かったのは、一度だけだったんです。

 

 

暗に「子癇前症を疑うべきだったのに、なぜ見逃したのか?」と問うている質問者に対し、Dr. グリーンは「蛋白尿は尿路感染症にも当てはまるだろう(だから自分はそう診断した)」と言い返しています。

 

ここでグリーン先生の使っている表現は、

とても英語らしく、

そして日本人には使いこなしにくいタイプの、少し難しい英語です。

 

吹き替えでは「だから、尿路感染かと思いました。」というシンプルかつわかりやすい日本語になっているのですが、この「だから」と「と思いました」にあたる英語が、曲者です。

 

ここの「と思いました。」をもう少し丁寧に訳すと、

「それ(蛋白尿)を尿路感染 によるものと判断しました。

という感じになります。

 

この「によるものと判断しました。」には、どんな 動詞 が使われているのでしょうか?

 

エイミ

ここでもう一度、聞いてみましょう!

 

 

【2回目】グリーン先生の英語リスニングに再トライ!

質問者:She had a hypertension and proteinuria.

彼女は(子癇前症の診断基準である)高血圧と蛋白尿があった。

Dr.グリーン:ーーーーーーー a urinary-tract infection. And her pressure was high on only one occasion.

私はそれを尿路感染によるものと考えました。血圧が高かったのは、一度だけだったんです。

 

 

これで「あ、わかった」という方もおられるかと思います。

 

それでは、答えを見てみましょう!

 

 

【3回目】「~によるものと判断しました」の答え合わせ

質問者:She had a hypertension and proteinuria.

彼女は(子癇前症の診断基準である)高血圧と蛋白尿があった。

Dr.グリーン:Which I attributed it to a urinary-tract infection. And her pressure was high on only one occasion.

私はそれを尿路感染によるものと考えました。血圧が高かったのは、一度だけだったんです。

 

 

グリーン先生の英語表現は、

” Which I attributed it to a urinary-tract infection. “

でした!

 

質問者の文を which でそのまま引っ張り、そこから I attributed it to A (自分はその症状を病気Aによるものだと考えた)と続けて、当時の自身の判断を説明しています。

 

ハードル高めの表現にはなりますが、もしもこんな風に which や attribute を使えると、とても素晴らしいですね。

 

エイミ

それでは、最後に 発音解説 いきます!

 

 

【発音解説】グリーン先生はこう言っています!

Dr.グリーン:Which I attributed it to a urinary-tract infection. And her pressure was high on only one occasion.

私はそれを尿路感染によるものと考えました。血圧が高かったのは、一度だけだったんです。

◆ 解説【音声42秒】

 

 

今回のまとめ

今回は、ネイティブがケースカンファレンスで使う英語表現をご紹介しました。

 

質問者:She had a hypertension and proteinuria.

彼女は(子癇前症の診断基準である)高血圧と蛋白尿の両方があった。

Dr.グリーン:Which I attributed it to a urinary-tract infection. And her pressure was high on only one occasion.

私はそれを尿路感染によるものと考えました。血圧が高かったのは、一度だけだったんです。

 

すこし難易度高めの表現が出てきましたが、「あ、ここで使える!」という場面に出会われた際には、グリーン先生のような英語表現をぜひ使ってみてください!

 

エイミ

 

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/

(アイコンをクリックで登録画面へ移動します)

 

 

-医療ドラマ英会話

執筆者:

関連記事

「アナフィラキシー」「挿管」「気管切開」ERで英語学習しましょう

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     今回は ER から、アナフィラキシーで救急搬送されてきた患者さんの治療場面 で使われて …

【第87回】The Resident 型破りな天才研修医 第一話で英語学習 1

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     今回は The Resident というアメリカの医療ドラマの第一話 を使って英語学習 …

【ERで学ぶ医療英会話】手の術前処置後の報告2【英語丸ごと解説】

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     エイミ こんにちは! 医学英語発音コーチのエイミです。   ドラマ「ER 緊 …

【ERで学ぶ医療英会話】頭部と頸部の触診1【英語丸ごと解説】

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     エイミ こんにちは! 医学英語発音コーチのエイミです。   日々仕事に追われ …

【第103回】品詞に注目すればネイティブっぽく英語が話せる

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     英語を英語らしく話すには発話にリズム(強弱)を伴わせる必要があります。 日本人は強弱の …

最新記事

  1. 【第68回】ブラよろで保険医療費制度の英語表現を学ぼう
  2. 【第29回】「針を肝臓から門脈に入れ短絡路を作る」の発音練習
  3. 【第43回】’文発音’ のコツをスティーブ・ジョブス伝説のスピーチで解説します!
  4. 【第47回】五十嵐カノア選手の五輪英語インタビューが勉強になり過ぎる 前編
  5. 【第35回】「コックス比例ハザードモデル」 の英語発音のコツ
  6. penis の発音はペニスではないという真面目な話
  7. 【第114回】診療英会話〜再生不良性貧血の患者さんへ「病気の疑い」を伝える
  8. 【第116回】医学論文の TAKE-HOME MESSAGE で英語の音読練習 2
  9. 【第104回】英語でチャット〜ポッドキャスト配信アプリのスタッフさんと
  10. 「少し前に来て」「後ろに下がって」「上に上がって」「下に下がって」を英語で
  11. 【第151回】「ヒー」と “He”、「フー」と “Who” は、違う音!英語のH脱落の理由も解説します
  12. “th” の発音のコツ【ER・プリズンブレイク・グレイズアナトミーで解説】
  13. 【学会レポ】Vol. 7 ourの発音は『アー』の巻
  14. 通じないカタカナ医学英語 まとめ【1】
  15. 【第11回】医学のトップジャーナル「NEJM」で発音練習
  16. 【第112回】英検準1級のリスニング問題演習 4
  17. 【第15回】リスニングクイズ!「sink」と「think」聞き分けられる?
  18. 40代で始めた「学び直し英会話」10年続いたので振り返ってまとめてみた
  19. 【第97回】小学5年生の生徒さんへのサッカー英会話レッスン1
  20. 【医療者の英会話】「上を向いてください」ネイティブはなんて言う?
  21. 【第118回&120回】英検準1級のリスニング問題演習 5
  22. 通じないカタカナ医学英語 まとめ【2】
  23. 【第148回】 Probably のネイティブ発音は「プロバブリー」ではありません
  24. 【第100回】英検準1級のリスニング問題演習 2
  25. 【腸音】ネイティブの『bowel』の発音を真似してみよう!
  26. 【学会レポ】Vol. 8「発音ミス続出の英単語 まとめ」
  27. 【第143回】「便秘」「お通じ」の英語表現! bowel「腸」はボーエルではありません
  28. 【第30回】「多変量解析」multivariate analysis の発音のコツ
  29. 【第23回】ネイティブの「ヘマトクリットは32です」の発音と省略表現
  30. 【第125回】英語学習アプリ「ELSA speak」でスコアアップするコツ
エイミ
医療英会話の発音とリスニングの専門家。ER先生。舌トレ先生。英検先生。
20代後半から英会話習得をスタートし、最初は「センキュー」以外一言も話せない英語音痴だった。日本人にとっての理解しやすさを追求した解説と「トレーニングは楽しく!」が信条。ERが大好き。University of Baguio, Associate in Hotel and Restaurant Management卒。TOEIC 935点。

詳しいプロフィールはこちらからどうぞ。