こんにちは、外科医のレンです。
今日は40代半ばから英会話を始めた私が
この5年で試してきた英会話学習法について
お話しします。
2013年まで、私は 英語論文は読めるけれど英会話力はゼロ という典型的なおっさん医師の一人でした。
そこから数年、おっさんながらに英語で自信を持って学会発表がこなせるようになり、NHKの英語ニュースをはっきりと聞き取れるようになりました。
今日は最初に取り組んだ 英語耳 という発音学習書についての感想を、私なりに述べてみたいと思います。
発音学習の教材選びに悩む方に何か参考になることがあれば幸いです。
私が「発音学習をしなければ」と思った理由
英語の学会発表をやると決め、英会話学習を始めた年、私はNHKの ニュースで英会話 とそのあとに続く5分だけの発音解説番組(松坂先生の「ニュースで英会話プラス」) を視聴することから始めました。
僕ら世代にとって、お金をかけずに英会話をやろうと思ったらとりあえずNHKだったからです。
ニュースで英会話は残念ながら2018年に終了してしまいましたが、大変質の良い番組でした。
ある週、視聴者からの質問で「want と言っているつもりなのにいつも won’t と聞き間違えられてしまうのですがなぜでしょうか?」というものがあり、それに対する松坂先生の解説を聞きながら、ほほう、発音も大事なんかと昭和世代の私は初めて感じました。
これまで英語学習といえば新しい単語や熟語をどんどん覚え、知識を増やし続けてきたけれど、どうやらすでに知っているものに対して発音を勉強しなきゃいけないらしい…。
これまで避けてきた “発音記号” というものに、ついに対峙しないといけない時がやってきたようでした。
“英語耳” を読んだ感想
そしてエイミ先生(私の英会話の先生)に紹介されて初めて読んでみた発音学習書が「英語耳」でした。
とりあえず一人で一読し、最初の感想として抱いたものは、
「発音記号って、元素記号みたいに系統立てられていて、理論的な理解を促してくれるものなのだな」
というものでした。
これまで発音というのは国語的な、絶対的な答えのないものだと思っており、そのために苦手意識が強かったのですが、その苦手意識が少し薄まったのでした。
2022年の今日改めてもう一度読み、やはりこの本は発音学習の最大公約数的な内容であると感じます。
今はYouTube全盛期。
私はYouTubeが大好きです。
発音もYouTubeで勉強できます。
できるけれども、YouTubeの情報は断片的です。
体系立てて学ぶ事が難しいという欠点があります。
本の価値は全体像がまとまっていることであり、その意味でやはり書籍は絶対的な存在意義があります。
英語耳のような本は、発音学習の白地図のようなもの。
地図がなければ全体を理解することができません。
発音学習を挫折しないために
次に私の思う “発音学習を挫折しないコツ” についてお話ししていきます。
たとえば「英語耳」は最初、[s] の発音練習から始まります。
だけどこれが早速、僕のような音痴かつ音感ゼロの40代にとって、どうもよくわからない。
(今はわかるようになりましたが最初は全くわかりませんでした)
そして [s] の次は “[s] と [sh] の違い” というパートなのですが、[s] がわからないのでこれも当然わからない。
二つわからん話が続いたら挫折決定です。
ということで私のように音に弱い方は、少しでもわかりやすい音、イメージしやすい音からやるのが良いのではないかと思います。
たとえば R と L、F と V、TH など、日本語に存在しない動きをする音から始めてみることをお勧めします。
s や sh は日本語にも似た音があるため、違いを理解するのがなかなか難しいのですが、明らかに日本語にない動きを作る音は私にも取り組みやすかったです。
R の発音のコツ
ここから、私が長年苦戦してきた R と L の発音のコツについて、私なりに説明をしてみたいと思います。
同じように苦労されている方にとって何か参考になればと思います。
最初に Rですが、これはまず 舌の動きだけで出す音ではありません。
私は最初「R は舌を巻けばいい」と思っていたのですが、エイミ先生についてRのやり方を習ったところ、声を出す位置を口の後ろの方(喉)に下げないといけないということがわかりました。
そして舌は巻くのではなく、舌の横側を上の歯茎につけないといけない。
また、唇は “アヒル口” にします。
舌・声を出す位置・口の形の3点が全部揃わないとRの音は出せません。
そして私が思う R のポイントは、舌をワッフル(写真)のように深く折り曲げること です。
で、真ん中のクリームを飲み込むような感覚で舌をずり下げ、喉の奥で声を出します。
最初のころの私は、Rの舌を 使う前のホッチキスの芯 くらいのイメージでやっていたのですが、どうもそれでは舌の使い方が甘いということがわかりました。
ワッフルの深さのイメージで舌の真ん中に谷を作り、クリームを飲み込むように舌を後ろにずり下げて声を出すようにしたところ、Rが出来るようになりました。
で、このように舌で大きな動きを作るというのはあるのですが、だからといって 力んだらダメ なんです。
僕のように40半ばを超えたおっさんが新しい動き(スポーツとか発音とか)をやろうとすると、身体が硬くなっているので、うまく力が抜けずに力んでしまいます。
それがあかん。
力んだらダメ。
Rの発音も、舌も喉も力を抜き、その上で正しいフォームを作る事 が大事です。
L (ライトL)の発音のコツ
続いて L の発音です。
これは舌先を前歯の裏まで伸ばして発音する音です。
理屈は教えてもらえればとりあえずわかりますし、音として出せるようになるのですが、しかし実際にからだに馴染むまでは私は2年かかりました。
無意識レベルで間違えずに発音できるようになるまでが非常に難しく、時間を要した音です。
最初「Lは舌先が上前歯の裏をタッチすれば良い」と思ってやっていたのですが、Rと同じで、これもやり方が甘かったことが途中でわかりました。
軽くタッチするのではなく、舌先に力を入れて一瞬止めなければ、Lの音は出ません。
今は 軽くタッチするだけのLは自分本位なL だと認識しています。
会話相手にきちんとLを認識してもらうためには、舌に力を入れ、前歯の裏でビシッと止めるようにしなければいけません。
l – liver。
r – river。
肝臓 と 川 が一緒の音にならないよう、RとLはしっかり習得しなければなりません。
英語耳の後半部分について
さてここで話を英語耳に戻しましょう。
この本は、前半に「発音バイエル」という名称の基礎練習、後半に英会話学習全般にわたるヒントがまとめられ、二部作的な作りとなっています。
第5章までの「発音バイエル」の内容が本書のメインと見えがちですが、私は第6章以降の後半の内容、ここがむしろこの本の良いところだと感じています。
後半の内容は昭和に英語を習った人間に非常に馴染みやすい内容であり、特に理系の人間には刺さるポイントがたくさん詰まっています。
英会話学習という大海で泳ぎ疲れ、足が止まってしまった時、この本の後半を眺めてみると、何か新しい糸口が見えてくるかもしれません。
英語耳は、英会話学習の最中に都度戻り、足場を確認する基地的な存在になり得るように思います。
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今回のまとめ
今回は私が40代から行ってきた英会話学習の中から「英語耳」という発音学習書について振り返りました。
英語耳を改めて読み返してみたところ、やはりこの本は発音学習の最大公約数的な内容であると感じます。
こういった本を発音学習の基地とし、その後の学習の深まりによって発音世界を自由に歩き回れるような感じになると、勉強ががぜん楽しくなると思いますね。
ただそれにはやはり、自分に合ったトレーナーについてもらわないと難しいですが…。
次の私の記事では、漫画で英会話学習 について振り返る予定です。
英語漫画もたくさん読みましたので、いろいろお話してみようと思います。
お楽しみに。