英語 with Amie

医師のための100%楽しむ医療英語オンラインスクール

英検・OET・英語総合

おっさん頑張れ!40代ずぼら英会話【2】「英語耳」は発音学習の白地図である

投稿日:2022年2月10日 更新日:

Dr.レン

こんにちは、外科医のレンです。

今日は40代半ばから英会話を始めた私が

この5年で試してきた英会話学習法について

お話しします。

 

2013年まで、私は 英語論文は読めるけれど英会話力はゼロ という典型的なおっさん医師の一人でした。

そこから数年、おっさんながらに英語で自信を持って学会発表がこなせるようになり、NHKの英語ニュースをはっきりと聞き取れるようになりました。

今日は最初に取り組んだ 英語耳 という発音学習書についての感想を、私なりに述べてみたいと思います。

発音学習の教材選びに悩む方に何か参考になることがあれば幸いです。

おっさん頑張れシリーズ 1記事目はこちら

 

私が「発音学習をしなければ」と思った理由

英語の学会発表をやると決め、英会話学習を始めた年、私はNHKの ニュースで英会話そのあとに続く5分だけの発音解説番組(松坂先生の「ニュースで英会話プラス」) を視聴することから始めました。

僕ら世代にとって、お金をかけずに英会話をやろうと思ったらとりあえずNHKだったからです。

ニュースで英会話は残念ながら2018年に終了してしまいましたが、大変質の良い番組でした。

ある週、視聴者からの質問で「want と言っているつもりなのにいつも won’t と聞き間違えられてしまうのですがなぜでしょうか?」というものがあり、それに対する松坂先生の解説を聞きながら、ほほう、発音も大事なんかと昭和世代の私は初めて感じました。

これまで英語学習といえば新しい単語や熟語をどんどん覚え、知識を増やし続けてきたけれど、どうやらすでに知っているものに対して発音を勉強しなきゃいけないらしい…

これまで避けてきた “発音記号” というものに、ついに対峙しないといけない時がやってきたようでした。

 

“英語耳” を読んだ感想

そしてエイミ先生(私の英会話の先生)に紹介されて初めて読んでみた発音学習書が「英語耳」でした。

とりあえず一人で一読し、最初の感想として抱いたものは、

発音記号って、元素記号みたいに系統立てられていて、理論的な理解を促してくれるものなのだな

というものでした。

これまで発音というのは国語的な、絶対的な答えのないものだと思っており、そのために苦手意識が強かったのですが、その苦手意識が少し薄まったのでした。

2022年の今日改めてもう一度読み、やはりこの本は発音学習の最大公約数的な内容であると感じます。

今はYouTube全盛期。

私はYouTubeが大好きです。

発音もYouTubeで勉強できます。

できるけれども、YouTubeの情報は断片的です。

体系立てて学ぶ事が難しいという欠点があります。

本の価値は全体像がまとまっていることであり、その意味でやはり書籍は絶対的な存在意義があります。

英語耳のような本は、発音学習の白地図のようなもの。

地図がなければ全体を理解することができません。

 

発音学習を挫折しないために

次に私の思う “発音学習を挫折しないコツ” についてお話ししていきます。

たとえば「英語耳」は最初、[s] の発音練習から始まります。

だけどこれが早速、僕のような音痴かつ音感ゼロの40代にとって、どうもよくわからない。

(今はわかるようになりましたが最初は全くわかりませんでした)

そして [s] の次は “[s] と [sh] の違い” というパートなのですが、[s] がわからないのでこれも当然わからない。

二つわからん話が続いたら挫折決定です。

ということで私のように音に弱い方は、少しでもわかりやすい音、イメージしやすい音からやるのが良いのではないかと思います。

たとえば R と L、F と V、TH など、日本語に存在しない動きをする音から始めてみることをお勧めします。

s や sh は日本語にも似た音があるため、違いを理解するのがなかなか難しいのですが、明らかに日本語にない動きを作る音は私にも取り組みやすかったです。

 

R の発音のコツ

ここから、私が長年苦戦してきた R と L の発音のコツについて、私なりに説明をしてみたいと思います。

同じように苦労されている方にとって何か参考になればと思います。

最初に Rですが、これはまず 舌の動きだけで出す音ではありません。

私は最初「R は舌を巻けばいい」と思っていたのですが、エイミ先生についてRのやり方を習ったところ、声を出す位置を口の後ろの方(喉)に下げないといけないということがわかりました。

そして舌は巻くのではなく、舌の横側を上の歯茎につけないといけない。

 

また、唇は “アヒル口” にします。

 

 

舌・声を出す位置・口の形の3点が全部揃わないとRの音は出せません。

そして私が思う R のポイントは、舌をワッフル(写真)のように深く折り曲げること です。

 

で、真ん中のクリームを飲み込むような感覚で舌をずり下げ、喉の奥で声を出します。

 

最初のころの私は、Rの舌を 使う前のホッチキスの芯 くらいのイメージでやっていたのですが、どうもそれでは舌の使い方が甘いということがわかりました。

 

ワッフルの深さのイメージで舌の真ん中に谷を作り、クリームを飲み込むように舌を後ろにずり下げて声を出すようにしたところ、Rが出来るようになりました。

 

で、このように舌で大きな動きを作るというのはあるのですが、だからといって 力んだらダメ なんです。

僕のように40半ばを超えたおっさんが新しい動き(スポーツとか発音とか)をやろうとすると、身体が硬くなっているので、うまく力が抜けずに力んでしまいます。

それがあかん。

力んだらダメ。

Rの発音も、舌も喉も力を抜き、その上で正しいフォームを作る事 が大事です。

 

L (ライトL)の発音のコツ

続いて L の発音です。

これは舌先を前歯の裏まで伸ばして発音する音です。

 

理屈は教えてもらえればとりあえずわかりますし、音として出せるようになるのですが、しかし実際にからだに馴染むまでは私は2年かかりました。

無意識レベルで間違えずに発音できるようになるまでが非常に難しく、時間を要した音です。

最初「Lは舌先が上前歯の裏をタッチすれば良い」と思ってやっていたのですが、Rと同じで、これもやり方が甘かったことが途中でわかりました。

軽くタッチするのではなく、舌先に力を入れて一瞬止めなければ、Lの音は出ません。

 

 

今は 軽くタッチするだけのLは自分本位なL だと認識しています。

会話相手にきちんとLを認識してもらうためには、舌に力を入れ、前歯の裏でビシッと止めるようにしなければいけません。

l – liver。

r – river。

肝臓 が一緒の音にならないよう、RとLはしっかり習得しなければなりません。

 

英語耳の後半部分について

さてここで話を英語耳に戻しましょう。

この本は、前半に「発音バイエル」という名称の基礎練習、後半に英会話学習全般にわたるヒントがまとめられ、二部作的な作りとなっています。

第5章までの「発音バイエル」の内容が本書のメインと見えがちですが、私は第6章以降の後半の内容、ここがむしろこの本の良いところだと感じています。

後半の内容は昭和に英語を習った人間に非常に馴染みやすい内容であり、特に理系の人間には刺さるポイントがたくさん詰まっています。

英会話学習という大海で泳ぎ疲れ、足が止まってしまった時、この本の後半を眺めてみると、何か新しい糸口が見えてくるかもしれません。

英語耳は、英会話学習の最中に都度戻り、足場を確認する基地的な存在になり得るように思います。

 

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/

(アイコンをクリックで登録画面へ移動します)

 

 

今回のまとめ

今回は私が40代から行ってきた英会話学習の中から「英語耳」という発音学習書について振り返りました。

英語耳を改めて読み返してみたところ、やはりこの本は発音学習の最大公約数的な内容であると感じます。

こういった本を発音学習の基地とし、その後の学習の深まりによって発音世界を自由に歩き回れるような感じになると、勉強ががぜん楽しくなると思いますね。

ただそれにはやはり、自分に合ったトレーナーについてもらわないと難しいですが…。

次の私の記事では、漫画で英会話学習 について振り返る予定です。

英語漫画もたくさん読みましたので、いろいろお話してみようと思います。

お楽しみに。

おっさん頑張れ!40代ずぼら英会話【3】「漫画で英語学習」はこうすれば上手くいく

 

-英検・OET・英語総合

執筆者:

関連記事

【第41回】留学中最高に面白かった大学の授業を振り返ってみた

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     エイミ こんにちは! 医学英語発音コーチのエイミです。   私は普段「医学英 …

【第99回】英検準1級のリスニング問題演習 1

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     今回は 英検準1級のリスニング問題で英語のリスニング対策をしつつ、同時に日常英会話の「 …

zoom レッスンの始め方

  エイミ こんにちは! 医学英語発音コーチのエイミです。   このページでは、無料オンライン動画通話サービス zoom でのカウンセリング、レッスンの始め方をご説明していきます。 …

メルマガ登録フォームのシステム不具合を経験して感じたこと

2022年10月、本サイト内に設定しているメルマガ登録フォームが完全に消え去る という非常事態が1日程度起こりました。 こんなこともあるんだなぁ…と思い、いつかどなたかのお役に立つこともあるかもしれな …

S先生のTOEICスコアが855点に大幅アップ!!

  エイミ こんにちは! 学会英語発音コーチのエイミです。   以前、「TOEIC の本試験でマークシートにフリクションペンを使う」という大実験をされたお医者さんの記事で書いたお客 …

最新記事

  1. 【医療の英会話】「~が考えられる」「の可能性がある」動詞 suggest の使い方
  2. 【英語の発表例文】「(みんな知っての通り)~ですので」を自然に言う方法
  3. 【第59回】白い巨塔「アメイジング・グレイス」の歌詞の意味 ~讃美歌に学ぶ西洋文化
  4. 40代ずぼら英会話【4】海外ドラマで英語学習1:「最初の準備」に成功のコツあり
  5. 【L、dL、mL、µL】を英語でちゃんと発音するコツ
  6. 【第162回】「back」は「背中」じゃない!「hip」は「おしり」でも「股関節」でもない!
  7. 【第109回】 “sit” (座る)を日本人が発音すると “shit” に聞こえます
  8. 【学会レポ】座長編 英語例文「演者への謝辞とフロアへの質問呼びかけ」
  9. 「医師による英会話学習成功談・失敗談」寄稿記事一覧
  10. 【第122回】医学論文のTake Home message で英語の音読練習 4
  11. 【第31回】アーテリーではない「artery(動脈)」
  12. 【側方】ネイティブの『lateral』 の発音を真似してみよう!
  13. penis の発音はペニスではないという真面目な話
  14. 【ERで学ぶ医療英会話】手の術前処置後の報告1【英語丸ごと解説】
  15. 「オーバーシュート」は通じる?「感染爆発」英語でどう言う?
  16. 【第90回】「あれどうだった?」英語でどう言う? 海外ドラマで英語学習
  17. 【第146回】 ERで診療英会話「~の検査結果が陽性でした」
  18. 【学会レポ】Vol. 4 ダビンチの発音は「チ」が大事
  19. 【第58回】”低位舌” は英語の発音にとって大問題
  20. 【学会レポ】留学せずに英語でスラスラ発表している人がやっていること【アヒル口編】
  21. 【生徒さんの声】スウェーデンの人たちと医療について語り合いたい!
  22. 『医療崩壊を防ぐ』『感染者を急増させない』英語でどう言う?
  23. 【第89回】The Resident 型破りな天才研修医 第一話で英語学習 3
  24. 【第108回】診療英会話〜穿刺の治療方法を説明する
  25. 【第79回】「SGLT2」と腎臓組織の英語の発音
  26. 【第10回】「英語の母音はどの程度の完璧さを目指すべきか」を考えてみる
  27. ガクトはなぜ英語の発音が上手いのか?その理由は彼の「発声」にあります!!
  28. 【第21回】英語で「酸素飽和度は97」ネイティブはどう言う?
  29. 「ソーシャルディスタンス」英語でどういう? 新型コロナ関連の英語表現&発音まとめ【3】
  30. 【ERで診療英会話】「ちくっとします」「針入りました」点滴時ネイティブはどう言う?
エイミ
医療英会話の発音とリスニングの専門家。学会発表、座長の英語、診療英会話、英検、OETなどのオンラインレッスンを提供中。20代後半から英会話習得をスタートし、最初は「センキュー」以外一言も話せない英語音痴でした。日本人にとっての理解しやすさを追求した解説と「トレーニングは楽しく!」が信条。ERオタク。University of Baguio, Associate in Hotel and Restaurant Management卒。TOEIC 935点。

詳しいプロフィールはこちらからどうぞ。