ポッドキャスト

【第22回】医療的文脈での「his system」意味と使い方

投稿日:2021年2月24日 更新日:

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/

(アイコンをクリックで登録画面へ移動します)

 

 

エイミ

こんにちは!

医学英語発音コーチのエイミです。

 

“There’s too much calcium in your friend’s system. We’re gonna get it out.”

突然ですが、このドラマの台詞、どういう意味かおわかりになりますか?

これは、患者さんの付き添いの方へ治療の説明をする際のドクターの一言で、私は発音レッスンでこの台詞を使うことがあるのですが、よく生徒さんから

この “system” って何ですか?

と質問されます。

確かに「お友達の “システム” にカルシウムが多すぎるので、排出します。」って、ちょっと意味がわかりにくいですよね。

でもこの system、医療的な会話で結構よく耳にするんです! 

ということで今回は、医療の文脈での「~さんの system」の意味と使い方 を、医療ドラマを使い、ラジオで皆さんと一緒にワークしてみたいと思います。

 

Dr.ナミ

ラジオは通常速度で17分33秒ニャ!

早く聞きたいアナタは倍速などでどうぞニャ!

 

 

1.Anchor

2.アップルポッドキャスト

 「エイミ」で検索してください!

3.Google Podcasts

 

「お友達の “システム” にカルシウムが多すぎる」の意味

 

エイミ

ここで最初にご紹介した

医療ドラマ「ER」のルイス先生の一言、

システムがカルシウム過多なので排出します

をもう一度ご紹介します。

さてこの system は、どんな言葉で言い換えれば

意味がわかりやすくなるでしょうか?

考えてみましょう!!

 

◆【システム】例文 一つ目

Dr. ルイス:高カルシウム血症ね。[ナースへ] 一時間に生食300CCとラシックス40ミリを投与して。[患者の友人へ] カルシウムが多すぎるので、排出させます。

Hypercalcemia. Normal saline 300cc’s per hour and Diurese with 40 mgs Lasix IV. There’s too much calcium in your friend’s system. We’re going to get it out.

患者の友人:がんが原因ですか?

Is it from the cancer?

【日本語吹替と英語音声を連続で】

 

エイミ

ナミ先生!

この system って、

先生ならどんな言葉に言い換えたら

わかりやすいですか?

 

Dr.ナミ

ふーむ…。

これは、

There’s too much calcium in your friend’s body.

ってことよね。

つまりこの「システム」は

からだ」とか「体内

みたいな意味だと思うニャ?

 

エイミ

その通りです!

この “system” は “body” っていう意味ですね!

辞書にも載っていますよ!

 

<ウィズダム和英辞書より>

 

Dr.ナミ

ほお~ニャ。

辞書の例文にある

Too much drinking is bad for your system.

Too much drinking is bad for your body.

と意味は同じなんだろうけど、

ちょっと硬めな言い方に聞こえるニャ。

 

エイミ

そうですね!

body に代えて system を使うと

かっちりしていて

プロフェッショナルな響きがありますね!

 

◆ 「飲み過ぎは体(あなたのシステム)に良くない」の発音

 

 

Dr.ナミ

ふむ。

これから「食べすぎは体によくありませんよ

って英語で言う時は、

Overeating is bad for your system.

って言ってみようかニャ!

 

◆ 「食べ過ぎは体(あなたのシステム)に良くない」の発音

 

 

同じく「体」の意味で system を使っている一言を、医療ドラマ「ニュー・アムステルダム」 からもう一つご紹介しますね。

こちらは何と言っているか、まず聞き取りにトライしてみましょう!

 

 

「若いので副作用にも対応できる」をリスニング!

 

エイミ

「ニュー・アムステルダム」からは、

原因不明の痙攣に苦しむ父子の治療シーンから

こんな一言です。

 

ドクターたちは2人にあらゆる検査をしますが、けいれんの原因はわからず、最終的に親子の最近の行動から水銀中毒を疑う展開となりました。

しかし水銀検査は結果が出るまでに2週間を要するため、2人のうちの一人で試験的に水銀を排出する薬剤を試すことになります。

しかし、もしも水銀中毒でなかった場合、つらい副作用が予想されます。

それを聞いたお父さんは「私で試してくれ」とDr. シャープに言いますが、シャープ先生はこんな返事をします。

 

◆【システム】例文 二つ目

Dr. シャープ:残念ですが、クリストファー(息子さん)から始めます。若いので、きつい副作用にも耐えられるでしょう。

Unfortunately, we’re gonna need to start with Christopher. He’s younger.   ______________________ the hard side effects.

【日本語吹替と英語音声を連続で】

 

さて、シャープ先生の「きつい副作用にも耐えられるでしょう」の一言、何と言っているかわかりましたか?

 

エイミ

ちなみにシャープ先生はイギリス出身です。

Christopher、younger、hard

などのrが発音されていないのは

イギリス英語の特徴ですね!

 

よーく聞いて、予想して頂いたら、答えをどうぞ!

 

 

 

◆ 答え

Dr. シャープ:残念ですが、クリストファー(息子さん)から始めます。若いので、きつい副作用にも耐えられるでしょう。

Unfortunately, we’re gonna need to start with Christopher. He’s younger.   His system can better handle the hard side effects.

【日本語吹替と英語音声を連続で】

 

ここでのシャープ先生の「きつい副作用にも耐えられるでしょう」の主語は、

His system can …

彼の体(システム)は~できる

でした。

 

「体」の意味で使う “system” の使い方、わかってきましたか?

それでは、今日はここまでです!

ラジオでは「カルシウムが多すぎるので排出します」「副作用に耐えられるでしょう」 を、ゆるっと練習していきます!

 

1.Anchor

2.アップルポッドキャスト

 「エイミ」で検索してください!

3.Google Podcasts

 

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/

(アイコンをクリックで登録画面へ移動します)

 

 

 

今回のまとめ

体に~が溜まっている

体から~を排出する

~は体に悪い

この全身状態なら耐えられる

などの表現を英語でする時、「体」を “body” とする代わりに、“system” を使うことが出来ます。

system を使うと、カチッとした職業的な響きになります。

お医者さんは使う機会がたくさんありそうですね。

ぜひサラッと使ってみてくださいね!

それでは、また明日も頑張りましょう!

 

-ポッドキャスト

執筆者:

関連記事

【第58回】”低位舌” は英語の発音にとって大問題

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     エイミ こんにちは! 医学英語発音コーチのエイミです。   今日は 低位舌( …

【第110回】”バニラ” を日本人が発音すると “バナナ” に聞こえます

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     今回は 日本人がカタカナ発音で「バニラ」と言うと英語人には「バナナ」に聞こえてしまいま …

【第31回】アーテリーではない「artery(動脈)」

  この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     エイミ こんにちは! 医学英語発音コーチのエイミです。   今 …

【第53回】fully と free を悩まずに聞き分ける方法

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     エイミ こんにちは! 医学英語発音コーチのエイミです。   今回は full …

【第76回】日本人にとって英語習得はどれくらい大変なのか!

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     今日は「日本人が英語を習得するのはどれくらい大変なのか」というお話です。 米国の FS …

最新記事

  1. 通じないカタカナ医学英語 まとめ【1】
  2. 【医療の英会話】「~が考えられる」「の可能性がある」動詞 suggest の使い方
  3. 【第123回】”them” “that” “there” は「ゼム」「ザット」「ゼア」じゃない! 英語リスニング攻略法
  4. 40代ずぼら英会話【7】王道教材を使い倒せ!NHKラジオビジネス英語学習法
  5. 【第15回】リスニングクイズ!「sink」と「think」聞き分けられる?
  6. 【第102回】診療英会話〜再診患者さんへ「どうですか」英語でどう言う?
  7. zoom レッスンの始め方
  8. 【第79回】「SGLT2」と腎臓組織の英語の発音
  9. 【第17回】”Didn’t” は「ディドゥント」じゃない!英語の発音・リスニング攻略法
  10. 【第115回】3つのアの練習- gram と drug のアは違う音です!
  11. 【ERで学ぶ医療英会話】頭部と頸部の触診1【英語丸ごと解説】
  12. 【第8回】英語の学会発表 ~理想の準備の進め方~
  13. おっさん頑張れ!40代ずぼら英会話【2】「英語耳」は発音学習の白地図である
  14. 【第97回】小学5年生の生徒さんへのサッカー英会話レッスン1
  15. 【第91回】医学論文の TAKE-HOME MESSAGE で英語の発音練習1
  16. 英検1級受験記【2】英作文・エッセイの「難キーワード」まとめ No. 1
  17. 【学会レポ】Vol. 7 ourの発音は『アー』の巻
  18. 【第133回】シュワと「舌先を使わないダークL」は何が違うのか!
  19. 【生徒さんの声】留学経験ゼロから英語で学会発表が出来るように!
  20. 【学会レポ】座長編 英語の例文「質疑応答をコントロールし、セッションを締めくくる」
  21. 40代ずぼら英会話【4】海外ドラマで英語学習1:「最初の準備」に成功のコツあり
  22. 【第55回】患者さんへ術後の回復過程説明を英語で 前編
  23. 【第143回】「便秘」「お通じ」の英語表現! bowel「腸」はボーエルではありません
  24. 【第139回】医学論文を音読!「ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬」の回
  25. 【ERで学ぶ医療英会話】開放骨折の緊急対応2【英語丸ごと解説】
  26. 【生徒さんの声】日々の診療で自信を持って英語で説明できるようになりました
  27. 【第38回】大動脈解離の術後ブリーフィングを ER で練習【2】
  28. 【医療の英会話】「〇〇先生を呼ぶ、来てもらう」ネイティブはどう言う?
  29. 【学会レポ】Vol. 4 ダビンチの発音は「チ」が大事
  30. 「そのため、~(病名)だと考えました」【ER】症例検討会の英語表現 発音も解説【2】
エイミ
医療英会話の発音とリスニングの専門家。英検、OET、学会発表、外来での診療英会話、舌トレなどのオンラインレッスンを提供中。20代後半から英会話習得をスタートし、最初は「センキュー」以外一言も話せない英語音痴だった。日本人にとっての理解しやすさを追求した解説と「トレーニングは楽しく!」が信条。ERが大好き。University of Baguio, Associate in Hotel and Restaurant Management卒。TOEIC 935点。

詳しいプロフィールはこちらからどうぞ。