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こんにちは!
医学英語発音コーチのエイミです。
今日は 低位舌(ていいぜつ)という間違った舌のポジショニング について皆さんと一緒に学習していきます。
英語の発音を良くしたいあなたにはぜひ知ってもらえたらと思います!
ラジオは通常速度で13分33秒だよ!
アップルポッドキャスト、グーグルポッドキャストからも「エイミ」で検索!
舌位で “舌の筋力” がわかる
舌は、茎突舌筋、舌骨舌筋、おとがい舌筋、上縦舌筋、下縦舌筋、横舌筋、垂直舌筋という7つの筋肉で出来ています。
筋肉のかたまりなので 200g 程度の重さがあるそうです。
(スマホと同じくらいです。重たいですね)
この重い舌を意識的に素早く動かし、私たちは言葉をつくって会話をします。
口を閉じてリラックスしている時、皆さんの舌は、どのくらいの範囲が上あごについているでしょうか?
今この記事を読みながらご自分の舌の感覚を感じてみてください。
私は舌全体が天井にべたっと付いています。
これは健康な舌のポジションです。
◆ 正しい舌位(口を閉じている時)
ぺたりと全体が天井に付いている舌は、筋力があり、健康な舌です。
このようにならず、舌が上あごから離れている状態は “低位舌(ていいぜつ)” や “落ち舌(おちじた)”などと呼ばれ、以下のような不調の原因になることがあります。
● 筋力不足による滑舌不良
● 無意識に口がポカンと開く
● 寝ている間に口呼吸になる
● (寝ている間に舌が喉を塞いで)睡眠時無呼吸症候群
皆さんは舌と上あごとの間に 空間 はありませんか?
また、舌の根元の方は感覚が感じられるでしょうか?
(低位舌の方は「舌の後ろの方は感覚があまりないんですが…」と言う方が多いです。)
◆ 不健康な舌位(口を閉じている時)
上あごにつく舌の範囲が狭ければ狭いほど、舌の筋力が低下している可能性があります。
低位舌では英語も上手く話せません。
低位舌だとこんな単語が発音できない
英語の発音でいうと、低位舌の方は全面的に苦労があります。
舌の筋力が弱いため健康な舌の人より舌を思うように動かせません。
具体的には以下のようなことがあります。
● 後舌母音で巻き舌が入る
(たとえば because が becauRse みたいになる)
● L+母音で巻き舌が入る
(Light が Right みたいになる。Lは舌を前に伸ばして発音しますが、そうならず舌先を内側に巻いてしまう)
● cl、bl、sl などの子音連続が発音しにくい
(clinical や slide などの医療頻出単語の発話に苦労される方が多いです。)
● 胸発声で全体的にカタカナっぽくなる
(舌根で喉を狭めて発声するため、全体的にカタカナに聞こえる)
低位舌の方の because が becauRse になる感じをラジオでお話ししています。
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低位舌なら治せばOK!
今もし舌のベロポジが間違っていても、大丈夫です。
今日から正しいベロポジで生活するだけです。
口を閉じて静かにしている時、一人でデスクワークをしている時、一瞬口の中に意識を向けて、舌を根元まで上にぺたりと付けましょう。(舌を正しい位置に持っていく)
そしてそのまま仕事などを続けましょう。
低位舌は筋力不足なだけですので、基本的には鍛えれば(正しいポジションをキープすれば)治ります。
低位舌の対策に関しては、歯科の先生がたくさんネット上に記事を出されています。
検索して「これならできそう」と思うものを続けてみましょう!
◆ 低位舌改善のためにできること(舌の筋トレ)
● ガムを噛み、柔らかくなったガムを上あごにぐりぐりと押し付ける運動をする。
コツは「舌先を必ず上あごに付いた状態で」行うことです。
● ガム無しで、舌を全体的に上あごに吸着させ、そのまま口を出来るだけ縦に開いて5秒キープし、ポンっと音を立てて離す or 静かに口を閉じる。
音を立てる方を「ポッピング」、立てない方を「オープンアンドクローズ」と呼ぶ舌筋運動です。舌を全面的にぐりぐりと上あごに押し付けると真空状態になり、上あごから離れなくなります。舌を伸ばして鍛えることが目的ですので、ポンッ音は出しても出さなくても問題ありません。1日30回推奨です。
●「あいうべ体操」をする。
内科医の今井一彰先生が考案された、低位舌改善を目的とした口内体操です。「あー」「いー」「うー」「べー」と、大きく口と舌を動かします。1日30回、入浴時の実施が推奨されています。声は出さなくてもOK。コツは「べー」で舌先をアゴまで持っていく意識で舌を動かし、限界まで伸ばすことです。
● 「舌回し体操」をする。
口を閉じ、舌先を歯と唇の間に差し込み、ぐるぐると回す筋トレです。舌で歯をなぞる意識で、1周を5、6秒かけてゆっくり行うこと。(どんな筋トレもさくさくやると筋トレになりませんよね。)「右周りと左回りを1日20回ずつ」が推奨されていますが、すごく疲れるので、まずは10回ずつでもいいんじゃないかと私は思っています。こちらも「入浴時」などタイミングを決めて実行すると続けやすいです。
今回のまとめ
今回は英語の発音にも大きな問題となる 低位舌(ていいぜつ)の問題提起の回でした。
発音習得は練習量をこなすことが重要ですが、そもそも最初に正しく動かせるだけの舌の筋量がなければ、練習そのものがとても難しいです。
低位舌の方は実はたくさんおられます。
ぜひベロも筋トレし、根元までしっかりと感覚を感じられる若い舌 を目指してもらえたらと思います!