海外ドラマ学習でもっとも大事なのは、 よく聞く ことです。
ここでいう「よく聞く」とは、”わからなくても我慢して聞く” みたいな根性論のことでは決してありません。
「よく聞く」とは何をすることなのか?
その答えの一つがディクテーションです。
今回は「よく聞く」ための ディクテーション学習 について解説します。
目次
「どこがわからなくて、なぜわからないのか」を可視化する
こんにちは、外科医のレンです。
今回は海外ドラマで英語を学ぶ方法の一つ
「ディクテーション学習」
を効果的に行うコツについてお話しします!
海外ドラマで英語学習は一見楽そうで楽しそうですが、そんなことはありません。
学習した英語をものにするには、とても手間がかかります。
ドラマをただ観るだけでなく、観ながら「どこがわからなくて、なぜわからないのか」を突き詰めないと上達はしません。
そのためにやるのが、面倒くさいですが、ディクテーション(台詞の書き取り)です。
やり方は、役者さんの表情や、姿勢を含めて、しっかり聞きます。
よく聞いて、書き記します。
答え合わせをします。
すると間違っているので、その差を一つ一つ埋めていく作業をします。
それがディクテーション学習です。
「一度にどこまで聞いてから書けばいいのか」という問題について
ディクテーションを振り返ると、僕には歴史があります。
一番最初はドラマではなく、TOEIC 学習用のアプリの音声で書き取りをやってみたのが初めでした。
ボールペンでバーッと書き、みみずがのたくったような字になりました。
そういう字でしか書けなかったのには理由があり、音声を全く止めずに、話す速度に沿って書き取ってしまったからです。
「これはどれ位の長さまで聞いてから書けばいいんだろうか?」
「長い文も、最後まで聞いてから書くんだろうか。」
という純粋な疑問が湧きました。
答えとしては、記載できるスピードで進めていけばいいです。
2、3秒毎に音声を一時停止して書けばいい。
一文が長いなら最初の数秒で一度切り、書いてから次に進めば大丈夫です。
段々慣れてきたら、3、4秒とかに少しずつ伸ばしてみても良いですね。
大切なのは、聞こえたように記していくこと です。
体裁を整えず、英語とカタカナが混ざっていいので、聞こえた音をそのまま可視化することが大事です。
<ディクテーション例>
一度目と二度目で違うように聞こえたら、色を変えて書きます。
聞こえた音をそのままを残すことで、何が聞こえていて、何が聞こえていなかったのか、理解出来るようになります。
フリクションペンを使う時に気を付けること
次に私は、消せるボールペン、フリクションペンを使ってディクテーションをしてみました。
このペンは書いた文字を消せるものであり、英語の書き取りをしながら「なんか違うな」と思ったら、消そうと思ったら簡単に消せてしまいます。
「自分の間違いを消したい」
その欲求に応えてくれるペンなのです。
しかしディクテーション学習ではそれはしてはいけません。
体裁を整えてしまうと、自分が迷った思考過程を消してしまうことになります。
フリクションでディクテーションをする時の注意点、それは かっこよくまとめないこと。
自分が迷った思考過程を消してしまわないこと。
消したくなった時にも消してしまわないように注意することが大切です。
「デジタルでスマートにやろう!」しかし簡単には行かず
フリクションペンでの「消したい」欲求と戦った後、私は次にペーパーレスでのディクテーションを考えました。
この頃の私は近藤麻理恵さんの 人生がときめく片づけの魔法 を読んで机周りを断捨離した直後であり、「せっかく片付いたんだからもう紙も増やしたくないし、スマートにデジタルでディクテーションだ!」と思ったのです。
そこで最初に購入してみたのが、Wacom の Bamboo というペンタブレットです。
「これを使って書いたものをデジタルで残し iPad に保存していこう」と思ったのですが、問題点として iPad と Bamboo を常に二台使わないといけないことと、色が一色しか使えないという難点がありました。
そこへ登場したのが、 Apple Pencil です。
これは iPad に直接書き込めてすごく便利。
色もたくさん使えるし。
こりゃいいね!
じゃこれがファイナルアンサー?
違います。
問題は 私の筆圧 でした。
筆圧の強い私がApple Pencil でディクテーションすると、あっという間にペン先がすり減ってしまうんです。
「なんか引っ掛かりが良くて書きやすいな」と思ったら、ペンの中の金属が出ていたりしました。
ということで、ペン先のすり減り問題により Apple Pencil でのディクテーションは個人的に完璧とは言えない結果となりました。
たどり着いたのは結局手書き
デジタル化に頓挫した私は、ある時ふと、愛用している三菱のジェットストリームというボールペンで普通に手書きを試してみる気になりました。
これ、書き心地がいいし、これでいっちょディクテーションやってみるか。
アップルペンシルの先っちょを気にせず、久々に思い切り書き殴りたい。
そして…
「ジェットストリーム 0.7mm 最高!」
僕はこのディクテーションに大変満足しました。
終わったら写真を撮り、紙は処分して、データを iPad の GoodNotes に保存します。
GoodNotes に保存すると書き足しが出来るので、ディクテーションしたメモに辞書の欲しい部分だけを張り付けたり、ネットで見つけた類似表現をスクリーンショットを撮って追加したりして、自分だけのオリジナルの学習ノートが出来上がります。
「紙が増える」問題も解決し、ペン先も気にならず、快適そのもの。
これが僕の現時点での最適解です。
ジェットストリームは 0.5mm や 0.38mm も流通していますが、ディクテーションは書き殴り前提なので、0.5mm 以上が書きやすくて良いと思います。
文字入力ツールでディクテーションはOKか
さてここまでで一旦僕自身のディクテーションの歴史はまとまりました。
最後にエイミ先生(このサイトの編集長であり私の発音の先生)から依頼のあった、文字入力ツールを使ったディクテーションの注意点 について触れておきたいと思います。
本記事の打ち合わせをしていたところ、
「レン先生、ディクテーションについての記事を書くなら Word や テキスト などを使う時の注意点もぜひ添えてください」
と言われましたので、その内容についての私とエイミ先生との私見となります。
手書きじゃなくて、文字入力ツールを使ってディクテーションするのはどうなの?
早く書けるし、見た目もきれいだしいいのでは?
と考える方もおられると思います。
文字入力ツールは、フリクションボールペンと同じく、非常に簡単に体裁を整えられ便利です。が、大事なことなので繰り返しますと、
ディクテーションはきれいに整えてはいけません。
手書きであれば、文字の微妙な乱れにも自分の理解度や確信度が現れます。
そういった細かいノイズを削ってきれいに仕上げたディクテーションは、一見満足な見た目に仕上がりますが、大切な学習機会を自分で奪ってしまうことにもなります。
そこを理解した上で、ノイズ的なものをちゃんと残しつつディクテーションするのであれば、文字入力ツールを使っても大丈夫でしょう。
「間違いを消して整えたい」欲求に駆られないタイプの方は、文字入力ツールも上手に活用されると良いでしょう。
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今回のまとめ
今回は、海外ドラマを使った英語学習の具体的な学習法の一つ、ディクテーションについて、これまでの私の失敗と成功をまとめました。
◆ 「よく聞く」海外ドラマでの英語学習のポイント
● 面倒くさいけれど、やはりディクテーション(台詞の書き取り)をしよう。
「どこがわからなくて、なぜわからないのか」を突き詰めないと上達はしません。
● 2、3秒毎に音声を一時停止して書けばいい。
一文が長いなら最初の数秒で一度切り、書いてから次に進めば良いです。
● ディクテーションはきれいに整えてはいけません。
フリクションペンやテキスト入力など、消しやすいツールを使う時には注意しましょう。
● 大量に書き殴る必要のあるディクテーションに Apple Pencil はあまり向いていない。
筆圧が強いとあっという間にペン先がすり減ってしまうかもしれません。
ディクテーションは英語学習するなら長く続ける習慣になります。
しっくりくる自分の定番ツールを見つけ、快適なディクテーションライフを送りましょう!
次回は
「今日はディクテーションなしでドラマを楽しみたいんじゃい!」
という時のための、海外ドラマ英語学習おさぼりバージョン についてお話ししていきます。
どうぞお楽しみに。