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今回は、大学の医学部講師として長年の経験を持つ生徒さん、「
・多くの若手医師が学会発表の質疑応答が苦手だが、
・英語での質疑応答にも余裕が持てるようになるコツとは?
・攻撃的な質問者、
日本語または英語での学会発表で「質疑応答に苦手意識がある」先生なら、
ぜひご一読ください!
※本記事は全体で9400文字以上あります。
目次
「苦手な理由」は人それぞれ! 分析から始めよう
こんにちは!Dr.レンです。
大学で医学部の講師をしてます。
この記事は、先日、
聞けば、エイミ先生のもとには「質疑応答が苦手なんです」という医師の声が数多く寄せられているそうです。
先生も「何か出来ることはないか」と思案されていたとこのとでした。
実は、私自身も質疑応答は得意ではありません。
学会の前になると「発表の後の質疑応答を考えると、
同じように、私の部下の中にも「質疑応答が苦手だ」
だからこそ、私はあえて「質疑応答の苦手さ」
つまり、「なぜ自分は質疑応答が苦手なのか」を深掘りすること で
実際に掘り下げてみると、「苦手の理由」は一つではなく、
さらに、
ということは、どこで詰まっているかによって、
そこでまずは、皆さんにとって学会発表の質疑応答が「
あなたの「苦手」の理由は、どこにあるでしょうか?
苦手分野の「心技体」自己診断チェックリスト
質疑応答の苦手分析によって、以下の3つの枠に「苦手」が分類されます。
心:質疑応答に際して心に余裕がない。質問されることは、
技:「英語力」に自信がない。または日本語でも質疑応答の行為自
体:発表の内容に自信がない。発表の準備自体が不十分。
私は、まずはこれらを自己分析し、
「苦手の心技体」を以下に詳しく体系化し、
自己分析後の対策に活用いただければと思います。
質疑応答の苦手を「心技体」で自己分析し、 克服の方向性を整理する
1. 「心(メンタル・心構え)」の問題を克服するには
- 質問は基本的に「関心の表れである」「
議論を深めるチャンスである」とポジティブに捉える。
- 完ぺきに答えられなくても問題はなく、「前向きな姿勢」が評価されることを理解する。
- 模擬質疑を重ねて「慣れ」を養い、余裕を作る。
2. 「技(スキル・技術)」の問題を克服するには
● 時間稼ぎのフレーズを常備する。以下は一例です。
- 例:「大変興味深い着眼点ですね。
少し考えさせていただきますと…。」“That’s a very interesting question. Let me think for a moment.” - 例:「今おっしゃったことを、言い方を変えて、
もう一度お願い出来ますか?」“Could you please repeat that in another way?”
● 定型パターンを覚える。以下は一例です。
- 例:意見を言う。「私の考えとしては、」“In my opinion, …”
- 例:限界を認識していることを伝える。「
これについてはまだ分析していませんが、今後の課題です。」“ We have not analyzed this yet, but it is our future task.” - データを根拠として答える。「「我々の結果によれば、…」“
According to our results, …”
● 短答型で答えることを習慣とする。
- まず1文で即答します。そして余裕があれば補足します。
- 例:「はい。ただ、数は限られています。”Yes, but the number is limited.”
● 思考習慣の転換
- 「日本語で考えてから英訳」ではなく、
英語キーワードの組み合わせで即応する。「 きれいな英文でなくても構わない」と理解する。
● 日常練習
- 抄読会・カンファで「英語1文回答」を取り入れる。
- 3秒以内に返答する「瞬発力訓練」を行う。
3. 「体(基盤・準備)」の問題を克服するには
- 発表前に「弱点リスト」を作り、答え方を準備しておく。
- 第三者に内容を説明し、想定質問を受けて練習する。
- 自信のなさは「準備不足」から来ると理解し、
徹底した事前準備で補う。
ここまでのまとめ
「心技体」の枠組みで自己分析することにより、自分の弱点が「
- 心:質問を「批判」ではなく「関心」と捉え直し、余裕を持つ。
- 技:定型表現・短答型思考・時間稼ぎフレーズを習得し、
瞬発力を養う。 - 体:徹底した発表準備で「突かれる不安」を減らし、
自信を支える。 - 多くの場合、弱点は複合的だが、特に「心」と「体」
の部分を鍛えることで「技(英語力)」の伸びも活かされやすい。 - 日本語での質疑応答力を基盤にすれば、
英語での質疑も確実に改善する。
国際学会の場において、多くの若手医師が「英語だから質疑応答が苦手」
したがって「英語発表の質疑応答トレーニング」は、同時に「日本
英語で「瞬間英作文出来ない」問題はこう対処する!
また、英語での質疑応答で困ることして、「言いたいことが英語で咄嗟に出てこない」
私自身、英語での発表、質疑応答を今では問題なくこなせるようになりましたが、ここまで苦労してきました。
その上で皆さんに次のようにアドバイスをしたいと思います。
多くの若い医師が、「
これは「瞬発力」と「準備不足」が原因で、
「言いたいことが英語でとっさに出てこない対処法
1. 時間を稼ぐテクニックを持つ。
咄嗟に答えられないときに「沈黙→焦り→頭が真っ白」
そこでまずは、以下のような 時間を確保するフレーズ
- 「それはとても興味深い質問ですね。少し考える時間をください。
」“That’s a very interesting question. Let me take a moment to think.” - 「ご指摘を正しく理解しているか確認したいです。」“I want to make sure I understand your point clearly.”
- 「今おっしゃったことを、言い方を変えて、
もう一度お願い出来ますか?」“Could you please repeat that in another way?”
こういったフレーズを言うだけで、数秒の余裕が生まれ、
2. 英語の「定型構文」を持つ。
言いたいことが咄嗟に出ないのは「ゼロから英文を作ろうとする」
型を覚えておけば、中身だけ入れ替えて話せるようになります。
- 意見を述べるとき
「私の考えでは、主要なファクターは…」“In my opinion, the key factor is …” - 限界を認めるとき
「これについてはまだ分析していませんが、今後の課題です。」“We have not analyzed this aspect yet, but it will be our future task.” - データを根拠にするとき
「我々のデータによると、」“According to our data, …”
このような「定型構文+キーワード」で、十分通じます。
3. 思考を「日本語でまとめて英語に直訳しない」練習をする。
多くの若手医師が、
代わりに、英語のままシンプルに要点だけで考える癖をつけること
例:質問「症例数が少ないのでは?」
- 悪い例:「症例数は少ないですが、傾向は示されています」
を日本語で考えてから翻訳しようとする。 - 良い例:頭の中で “Small number, but trend is clear.” とイメージして即口に出す。
完全な文法より、「キーワードの組み合わせ」で十分です。
4. 短答型で答える訓練をする。
「言いたいことが長文になりすぎて出てこない」人も多いです。
あえて 1文完結、10単語程度完結で答える訓練
- 質問例:「併存疾患を持つ症例もいくつかありましたか?」→「
はい、ただし数は限定的です。」“Yes, but the number is limited.” - 質問例:「再発例や再手術例についても評価されていますか?」→
「いえ、それらのケースは含んでいません。」“No, we did not include those cases.” - 「この方法は疾患Aにも応用できるのでしょうか?」 →「
それは可能です、ですがさらなる研究が必要です。」“It is possible, but we need further study.”
短い答えをまず出す → 余裕があれば補足する、で十分です。
5. 実践練習の方法
- シャドーイング+コピーイング
英語医学プレゼンや論文紹介を聞き、短いフレーズをそのまま自分で口に出して真似をする。 - 「即答」3秒ルール練習
質問を受けたら「3秒以内に1文で返す」を目標に練習する。 - 日本語でも同じように練習
抄読会やカンファで、まずは日本語でも「1文で答える」習慣を作る。
ここまでのまとめ
- 英語で咄嗟に言えないのは、「時間稼ぎのフレーズがない」「
型がない」「完璧主義で長文を考えすぎ」の3つが原因。 - 解決法は 1.時間稼ぎ表現、2.定型パターン、3.短答型思考
を身につけること。 - 「完璧な英語より即答の簡潔な英語」
が評価される場だと理解することが大切です。
攻撃的な質問のかわし方
また、質問者の中には、本当に攻撃的な質問をするものがいます。
重箱の隅をつつくように些細なミスを指摘してきたり、
このような質問を受けると、若手であればあるほど「
どう対応すれば良いのでしょうか。
以下、こうした質問への対処法を、こちらも「心技体」
「攻撃的な質問」への対処方法
1. 心構え(心)― 前向きに&冷静に。
- 質問の意図を読み替える。
攻撃的に聞こえても、「自分の研究に注目してもらえた」と考えましょう。「あえて厳しい質問をもらえるのは、 関心があるから」とあくまに前向きに捉えることは大切です。 - 感情的に反応しない。
質問者の攻撃的なトーンに引きずられず、あくまで冷静に「内容」に集中しましょう。 - 若い皆さんに伝えたいこと
質問のトーンは、質問者の性格や立場の問題です。あなた自身の人格や能力を否定されたわけではありません。
2. 技術(技)― 回答の型で受け流す。
攻撃的質問は「正面から反論」すると泥仕合になりやすいので、「型」
(A)些細なミスを突かれた場合
- 例:「スライドの数字が違うのでは?」
- 「ご指摘ありがとうございます。おっしゃる通り、
スライドに小さな誤りがありました。しかし、 全体の結論には影響はありません。」英語なら:“Thank you for pointing that out. You are correct, it was a minor error in the slide. But the overall conclusion remains unchanged.”
→ 素直に認め、結論の妥当性を再確認する。
- 「ご指摘ありがとうございます。おっしゃる通り、
(B)マウント目的の質問
- 例:「私たちの研究ではもっと大規模にやっていて、
違う結果でしたが?」 - 「それは非常に大きなご貢献です。
私たちの研究は範囲が限られたものですが、 補完的な示唆を与えるものだと考えています。」“That is a very important contribution. Our study was limited in scope, but it provides complementary insights.”
→ 相手の知識を認めつつ、自分の研究の価値を「補完的」と位置づける。
- 「それは非常に大きなご貢献です。
(C)否定的な質問
- 例:「あなたの方法では意味がないのでは?」
- 「ご懸念は理解します。しかし、
私たちのコホートではこの方法は有益な情報をもたらしましたし、 より広い応用につながる一歩になり得ると考えます。」“I understand your concern. However, in our cohort, this method provided useful information, and it could be a step towards broader applications.”
→ 否定を受け止めつつ、自分の研究の意義を再確認する。
- 「ご懸念は理解します。しかし、
3. 体(体)― 事前準備とシミュレーションが肝。
- 攻撃的質問は「想定質問集」に入れておく。
→ 「方法論の限界」「症例数の少なさ」「統計処理の弱点」などは、必ず突かれる前提で準備しましょう。 - 仲間に模擬練習で「厳しい質問役」をあえて担当させる。
→ 疑似的に“攻撃的質問”を受ける訓練をすると、本番での耐性がつきます。
ここまでのまとめ
- 学会の質疑応答には、純粋に議論を深める質問もあれば、
残念ながら「攻撃的」「マウント型」「否定的」 な質問も確実に存在します。 - 攻撃的な質問は、あなたを否定しているのではなく、「
自分が場を支配したい」 という承認欲求に駆られている人の行動です。 - このような質問には完璧に返せなくてもよく、冷静に「
一歩引いた答え」ができれば十分です。 - ミスを指摘されたら「すぐ認めて結論に戻る」
ことが一番強い対応です。 - マウントを取られても「補完的な価値があります」
と受け流すのが最善です。
このような質問者に出会ってしまった時には、「質疑応答はプロレスのようなものだ」と考えてみてください。
つまり、ショー、興行です。
変な質問して来る人には「悪役レスラーが出てきた」
そういう人に対しては、聴衆も「悪役が出てきた」というくらいに思っているものですし、真に受けなくて良いのです。
気にせず、受け流していきましょう。
質疑応答に向かうあなたへ!基本のトレーニング方法はこう!
最後に、基本のキということで、若い先生方が取り組みやすい 質
基本の質疑応答トレーニング法
1. 事前準備:想定質問リストを作成する
- 自分の発表内容を第三者の視点で見直す。
「どこが弱点か」「聴衆や座長が突っ込んでくるとしたらどこか」を意識して、10問から20問の想定質問を作る。 - 上記を3カテゴリで整理する。
①基礎的確認(方法論、症例数、倫理面)
②深掘り(比較対象、統計手法の妥当性、限界)
③応用的(臨床的意義、将来展望) - 英語の場合は、英語でQ&A集を用意する。
答えを短文(2〜3文)でまとめ、丸暗記ではなく「キーワードで答える」練習をしましょう。
2. 実戦練習:ロールプレイ形式
- 同僚や指導医と模擬セッション!
発表練習の後に、必ず5〜10分の質疑応答をセットにし、事前練習をする。 - 役割分担!
同僚が「厳しい質問者役」になり、あえて意地悪な質問や早口での質問を投げかけましょう。 - 録音・録画して振り返り!
自分の回答の「間」「英語表現」「表情」を客観的に確認できます。(ここまでやることがとても大切です。)
3. 回答テクニック:簡潔&時間稼ぎ
- 短く答える。
長文で答えようとせず、「まず結論→必要なら補足」の順。
例: “The sample size was limited, but we believe the trend is clinically meaningful.” - 聞き返しで時間を作る。
“Could you please repeat or clarify your question?” を活用。 - 正直さも武器にする。
知らないことは “That is an important point. We have not analyzed it yet, but it will be our future task.” と前向きに答える。
4. 英語表現の定型文トレーニング
- 質問を理解するフレーズ
- “If I understand correctly, you are asking about …”
- “So your question is regarding …”
- 回答を整理するフレーズ
- “There are two points: first …, second …”
- “In summary …”
- 時間を稼ぐフレーズ
- “That’s an interesting question. Let me think for a moment.”
5. 定期的な練習習慣
・抄読会を英語Q&A形式にする。
学会発表前だけでなく、日常的に英語で質問・
- オンライン練習
Zoomなどで外部の医師・留学生を交えて模擬質疑を行うと実戦感が増します。
ここまでのまとめ
・質疑応答の苦手意識を克服するには、「想定質問の準備」+「
・特に「完璧に答えなくてよい」「シンプルで良い」
・日本語でできないことは英語では出来ません。
・日本語でまずこれを徹底し、それを英語で行う練習をすることで、
ラジオは通常速度で20分07秒です!
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今回のまとめ
今回は、多くの医師が苦手とする「学会で口述発表する際の質疑応答」に焦点をあて、苦手の分類と対策法についてまとめました。
・心:質問を「批判」ではなく「議論のきっかけ」と捉え直し、
・技:定型表現・短答型思考・時間稼ぎフレーズを習得し、
・体:徹底準備で自信を持ち、想定問答で「
・多くの若手医師が「英語だから質疑が苦手」と感じますが、
・したがって英語発表の訓練は、
・英語の質疑応答では「定型構文」を用意し、
・完璧な英文は必要ありません。
・長々と文を繋げる必要もありません。
・「シンプルで使い勝手の良い短い構文+キーワード」
・攻撃的な質問には冷静に「
・ミスを指摘されたら「すぐ認めて結論に戻る」
・マウントを取られても「補完的な価値があります」
レン先生、