ポッドキャスト 医療ドラマ英会話

【第126回】医療の英語表現「胆嚢」「カローの三角」をドラマで学習しよう!

投稿日:2024年2月21日 更新日:

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/

(アイコンをクリックで登録画面へ移動します)

 

 

今回は、胆嚢手術においての指標となる三角形「カローの三角」とその三片の部位の英語表現 を、ERの一場面からご紹介します。

「胆嚢」「ファーター膨大部をつまむ」「カローの三角を開く」などの英語表現と発音を一緒に学習しましょう!

 

Dr.ゴリラ

ラジオは通常速度で10分07秒だ。
早く聞きたいあなたは倍速などでどうぞ!

 

アップルポッドキャスト、グーグルポッドキャストからも「エイミ」で検索!

 

ERの台詞でリスニングチャレンジ!【1】

エイミ

こんにちは!

医学英語発音コーチのエイミです。

 

今回のドラマの場面はこんな感じです。

外科実習中の医学生、カーターは、ある日胆嚢手術の見学に入らせてもらえることになりました。

執刀するのはカーターの指導医、レジデント(研修医)のベントン先生です。

ベントン先生の師匠、外科部長のモーゲンスタン先生がオペの総合指導を行います。

オペが始まる少し前、カーターは別の先輩医師、スーザンに「今からベントン先生の胆嚢オペに入らせてもらうんです」と話します。

するとスーザンは、カーターにこんなことを言います。

それならこの3つを思い出して行きなさい」。

最初に ER から会話を聞いて頂き、何を話しているのかを考えてみましょう!

 

◆ リスニングチャレンジ1「これからベントン先生の胆嚢オペに入るんです」

 

 

ネイティブの発話なのでとても難しいですが、2回、3回と聞き返して出来るだけ頑張ってみてください!

その後下で答え合わせをしましょう!

 

 

 

◆ 答え

カーター:僕も今じゃない方が良いんです。7分後に、ベントン先生の胆嚢手術に入るので。

Actually, it’s not a great time for me either. I’m scrubbing with Dr. Benton on a gallbladder in seven minutes.

Dr. スーザン・ルイス:ベントンね。彼は早いから、もう行った方がいいわよ。

Well, if I know Dr. Benton, he’ll be early. Better get out of here.

カーター:そうですか。

Yeah?

Dr. ルイス:あ、カーター。これを覚えていきなさい。胆嚢管、総(肝)管、肝臓。

Oh, Carter, remember these three things: Cystic duct, common duct, liver.

カーター:何ですか?

What?

Dr. ルイス:いいから行って。

Get out of here.

 

答えはこんな感じでした!

少しでも聞き取れたあなた、素晴らしいです。

スーザンの Get out of here. は直訳すると「ここから出ていけ」となりますが、今回のように「(ここを離れて)早く次の場所に行きなさい」の意味で使われることがあります。

また、Better get out of here. は、You had better get out of here. の文頭が省略されています。 

 

ERの台詞でリスニングチャレンジ!【2】

スーザンに送り出されたカーターは、ベントン先生、モーゲンスタン部長とともにオペ室へ入室します。

これはカーターにとって初めての手術現場です。

ベントン先生に教わりながら手を洗い、オペ着は看護師さんに着させてもらった上でなんとか入室しますが、いきなりベントン先生の肩をチョンチョンと触ってしまうカーター。

「あ!手に細菌が付いたから退場!」と、あっという間に手術室から放り出されてしまいます。

その後改めて準備を済ませ、再入室したものの、いきなりやらかして意気消沈のカーターは、二人から離れた場所で固まって立っているだけです。

そこへモーゲンスタン部長が、ベントン先生へ指示出しをしながら、カーターへ質問をします。

モーゲンスタン部長からの質問とは?

カーターは答えることが出来るのでしょうか…?

 

◆ リスニングチャレンジ2「カーター君、カローの三角の定義はなんだ?」

 

下で答え合わせをしましょう!

 

 

 

◆ 答え

Dr. ベントン:こちらに避けておきます。

All right, we’re all packed off here.

Dr. モーゲンスタン:[ベントン先生へ] 梨のように剥いて、膨大部をつまんで、カローの三角を開く。[カーターへ] カーターくん。カローの三角を定義するものはなんだ?

Okay, peel it like a pear. Grab at the ampulla, and dissect Calot’s triangle. Mr. Carter, can you tell us what defines Calot’s triangle?

カーター:…胆嚢管、総(肝)管、肝臓でしょうか。

The cystic duct, the common duct, and the liver?

[二人、驚いた顔でカーターを見る。]

Dr. モーゲンスタン:[カーターへ] レトラクター持ってくれるか。

Hold this retractor, will you?

 

★解説★

Grab at the ampulla, and dissect Calot’s triangle.「膨大部をつまんで、カローの三角を開く。」

・動詞 grab は、英会話の中で幅広く頻繁に使われる動詞の一つです。今回のように hold の意味で使われたり、grab a lunch, grab a dinner のように「食事をとる」の動詞としても使われたりします。

・dissect 切開する。切り開く。

・Calot  「カローの三角」の定義者、フランス人医師、ジャン・フランソワ・カロー(Jean-Francois Calot)さんの名字です。フランス語は最後の T を読まないことが多いですね。フランス人のビゴさんが開いた芦屋市のパン屋、「ビゴの店」の綴りは Bigot です。

・ampulla /æmpjúːlə/  膨大部。ここでは「ファーター膨大部」を指しています。発音は エンピューラ のような感じ。最初の a は /æ/、エァ と発音します。

The cystic duct, the common duct, and the liver?「胆嚢管、総(肝)管、肝臓でしょうか?」

・cystic duct  「胆嚢管」ですが、「胆嚢」は gallbladder(ゴールブラダー)なのに、gallbladder duct とは言わないのがつらいところです。名詞 cyst(シスト) は「嚢」です。そこから cystic duct、嚢の管、胆嚢管、という感じです。

・common duct  この common は「一般的な」ではなく、「共通の」「全体に広がっている」という意味です。肝臓、胆嚢全体に関わる管、総(肝・胆)管。英語は a common language、「世界共通語」だと言ったりします。肝と胆の分かれ道で厳密にわけると、総肝管 common hepatic duct、総胆管 common bile duct となります。

・liver  発音面から、最初の li がとても大事です。日本語で「リ」というと river、川だと思われますので、しっかり L で発音しましょう!

 

Dr.ナミ

聞いて、ウンウン、ハイ終わり、

じゃ英語力は永遠に伸びません!!!

ラジオで一緒に発音練習しようニャ!

 

今回の内容をポッドキャストでもどうぞ!

Dr.ゴリラ

ラジオは通常速度で10分07秒だ。
早く聞きたいあなたは倍速などでどうぞ!

 

アップルポッドキャスト、グーグルポッドキャストからも「エイミ」で検索!

 

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/

(アイコンをクリックで登録画面へ移動します)

 

 

今回のまとめ

今回は ER から胆嚢手術が行われている場面をご紹介しました。

特に学習ポイントとなりそうな部分をまとめます。

「(ここを離れて)早く行きなさい。」

“Get out of here.”

「膨大部をつまんで、カローの三角を開く。」

“Grab at the ampulla, and dissect Calot’s triangle.”

・ampulla /æmpjúːlə/  膨大部。発音は エンピューラ。最初の a は /æ/、エァです。

「胆嚢管、総肝管、肝臓でしょうか?」

“The cystic duct, the common duct, and the liver?”

・cystic duct  「胆嚢管」ですが、「胆嚢」は gallbladder(ゴールブラダー)なのに、gallbladder duct とは言いません。名詞 cyst(シスト) は「嚢」。 cystic duct、嚢の管、胆嚢管。

・common duct   common は「共通の」「全体に広がる」という意味があります。全体に関わる管、総管。

・liver  発音面から、最初の li がとても大事です。日本語で「リ」というと river、川だと思われますので、しっかり L で発音しましょう!

英語が話せるようになるためには、「表現を覚えて、ネイティブが実際にそれをどう発音しているのかをしっかり聞いて、自分でも同じように発音して、マスターする」というのが一番いいんじゃないかなと私は思っています。

私は発音オタクであり、リスニングオタクであり、海外医療ドラマオタクなので、医療表現のストックはかなり揃ってます!

医療英会話を勉強されたい方、無料メルマガ講座でもいろいろ発信していますのでよければ↓からメルマガへご参加ください。

また一緒に英語学習しましょう!

 

-ポッドキャスト, 医療ドラマ英会話

執筆者:

関連記事

【医療者の英語表現】「血がサラサラ」「ドロドロ」どう言えばいい?

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     エイミ こんにちは! 学会英語発音コーチのエイミです。   「血をサラサラに …

【第129&130回】英検準1級のリスニング問題演習 6

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     今回は英検準1級のリスニング問題パート1解説シリーズ6回目です。 リスニング地力を上げ …

【第123回】them、that、there は ゼム、ザット、ゼア じゃない

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     Dr.サトシ ラジオは通常速度で08分20秒だよ。 早く聞きたいあなたは倍速などでどう …

【第109回】 “sit” (座る)を日本人が発音すると “shit” に聞こえます

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     今回は “sit”(座る)は全英単語の中で日本人が最も発音に注 …

【第128回】英語「コッホの三角」「ファロー四徴症」「紹介状」の正しい発音

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     この間、ある生徒さんが、 「心臓に「コッホの三角」というのがあります」 と教えてくださ …

最新記事

  1. 【学会レポ】留学せずに英語でスラスラ発表している人がやっていること【子音編】
  2. 【生徒さんの声】4週間でネイティブに聞き返されない発音になる
  3. 【第41回】留学中最高に面白かった大学の授業を振り返ってみた
  4. 【第92回】二つのウの練習- pull と glucose のウは違う音です!
  5. 【生徒さんの声】菜々緒さんがなぜ英語が上手いのか、理由がわかりました
  6. 私が5000時間の英語学習を続けて思う「仲間の大切さ」 1
  7. 【ERで学ぶ医療英会話】緊急分娩対応 1 【英語丸ごと解説】
  8. 通じないカタカナ医学英語 まとめ【1】
  9. 【第77回】グレイズ・アナトミーのパーキンソン病 DBS手術から英語学習
  10. 【医療の英会話】「症例数は多くない」ネイティブの英語表現を聞いてみよう!
  11. 【第96回】ERで診察英会話 Dr. ルイスの場合
  12. 【第80回】ER で英語学習 術後の患者さんに関する医師とナースの会話
  13. 【第4回】antibiotics が「アナ」バイアディクスになる理由
  14. 【第35回】「コックス比例ハザードモデル」 の英語発音のコツ
  15. 【第33回】electorocardiogram(心電図)を英語らしく発音する方法
  16. 【学会レポ】Vol. 9「英語を話しながら日本語をうまく挟む方法」
  17. 40代で始めた「学び直し英会話」10年続いたので振り返ってまとめてみた
  18. 【動画】「ログランク検定」の英語の発音をわかりやすく
  19. 英検準1級に不合格→合格へ!失敗談と成功談を全部伝えます
  20. 【腹部4区分】右下腹部、右上腹部、左下腹部… Quadrant の発音をERで学ぼう!
  21. 『新型コロナウイルス』『隔離』の英語の発音は?
  22. 【第131回 】stress を「ストレス」と言わないで!子音連続の発音練習
  23. 【第51回】キング・カズこと三浦知良選手のレジェンドな半生を英語で
  24. 【第143回】「便秘」「お通じ」の英語表現! bowel「腸」はボーエルではありません
  25. 【塞栓の英語】エンボラス、エンボリズムを英語で正しく発音するコツ
  26. 「nm、mm、cm、mm3、μm」の英語の発音をわかりやすく
  27. 【学会レポ】Vol.12 ナメられない英語の話し方
  28. 【第62回】can と can’t がどうしても同じに聞こえる時
  29. 【学会レポ】Vol. 2 「英語の強弱リズムに乗ろう」の巻
  30. 大静脈【vena cava】の発音は「ベナカバ」じゃない!
エイミ
医療英会話の発音とリスニングの専門家。ER先生。舌トレ先生。英検先生。
20代後半から英会話習得をスタートし、最初は「センキュー」以外一言も話せない英語音痴だった。日本人にとっての理解しやすさを追求した解説と「トレーニングは楽しく!」が信条。ERが大好き。University of Baguio, Associate in Hotel and Restaurant Management卒。TOEIC 935点。

詳しいプロフィールはこちらからどうぞ。