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こんにちは!
医学英語発音コーチのエイミです。
今回は「ER のワンシーンをまるまる発話練習していくシリーズ」をまたやってみようかなと思っています。
どんなシーンかというと、大動脈解離の患者さんの術後回診でのブリーフィング(状態説明)の場面です。
「第9病日です。A型大動脈解離の患者で、人工血管置換術でオペを行いました。…」
この台詞、ネイティブはどのように話すのでしょうか?
記事とポッドキャストでコンテンツを公開していますので、お好みのサービスで発音練習してみてください!
ラジオは通常速度で19分31秒だよ。
早く聞きたいあなたは倍速などでどうぞ!
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目次
ネイティブはこうブリーフィングする
ある日の回診で、
循環器外科のヴューセリッチ先生が
外科レジデント3年目のベントン先生と
医学生カーターを連れて
病室へやってきました。
そこでヴューセリッチ先生がベントン先生に
患者さんのブリーフィングを求めます。
さて、ベントン先生の最初の一言とは…?
まず聞き取りにトライしてみましょう!
◆ 【聞き取り】ブリーフィングの最初の一言は?
Dr. ヴューセリッチ:ベントン君。
Dr. Benton.
Dr. ベントン:第9病日です。A型大動脈解離の患者で、clamp-and-run手術でオペを行いました。
___________. ______________________.
さて…
ベントン先生が何と言っているか、わかりましたか?
ネイティブの発話なのでものすごく速いですね!
日本語訳をヒントにして、ぜひ繰り返してよーーく聞いて、考えてみてくださいね!
「第9病日です。A型大動脈解離の患者さんです。」
の英語表現は?
考えていただいたら、答えをどうぞ!
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◆ 答え
Dr. ヴューセリッチ:ベントン君。
Dr. Benton.
Dr. ベントン:第9病日です。A型大動脈解離の患者で、Clamp-and-Run手術でオペを行いました。
Post-op, day nine. Patient presented with Type A aortic dissection which was repaired using the clamp-and-run procedure.
ということで、ベントン先生の術後ブリーフィング、最初の一言は
“Post-op, day nine. Patient presented with Type A aortic dissection which was repaired using the clamp-and-run procedure.”
でした!
皆さんはどのくらい聞き取れたでしょうか?
日本語訳があっても、なかなか難しかったかと思います。
ここから、日本人が特に聞き取りにくい部分や、発音に気を付けるべき部分を解説していきます。
ご参考までにどうぞ!
「オ」の違いに注意! “post-operative”
ベントン先生の「第9病日です」は
“Post-op, day nine.”
ととても簡潔ですね。
ネイティブは post-operative(術後)を省略して
post-op と言うことがあります。
「主語は何にすればいいんだろう?」
と文章にするために悩まなくても、
このようにシンプルに言えばいいんだね。
post-op の発音は「ポストオプ」に聞こえますが、
post の po(ポ)は発音記号では [poʊ]、
operative の o(オ)は [a] で、
どちらも日本語の「オ」とは違う音です。
[post-op]
ポウスt アプ
ポストの「ポ」とオペラティブの「オ」の母音を使い分けると、英語らしく発音できます!
● post [poʊst] → “ポウスト” 二重母音の「オウ」
● operative [áp(ə)rətɪv] → “アペラティヴ” 口を大きく開けて「ア」と「オ」の中間音
◆ “post”の「ポ」”operative”の「オ」 日英口比較
↑ post [poʊst] 唇をやや突き出して「ポウ」。
↑oprative [áp(ə)rətɪv] 大きく口を開いて!「アペラティヴ」(op だけでも同じです)
ネイティブの post-op の発音を4つ集めてみました!
連続で聞くと
「ポウスト」「アプ」の母音の違いが
わかりやすいかなと思います!
◆post-op “ポウスt アプ” の発音 4つ連続で
引用:(1つ目 Dr.ベントンの “Post-op, day nine.”)
(2つ目 Neurohacking: rewiring your brain | Don Vanghn | TEDxUCLA 2:17時点)
(3つ目 New Cataract laser Surgery at Stanford: Mary Savoie’s story 1:15時点)
(4つ目 Amanda Adeleye, MD, Caring Part 4: Clinical Care of the Transgender Patient 8:45時点)
ネイティブの presented の発音は「プリゼネッ」
さて今回、ベントン先生は
「A型大動脈解離の患者です」を
“Patient presented with Type-A aortic dissection.”
と表現していますね。
ネイティブは presented を
「プレゼンテッド」ではなく
“プリゼネッ”と発音することが多いです。
ということで、文全体をカタカナにするとこんな感じになります。
[Patient presented with Type A aortic dissection.]
ペイシェンt プリゼネッ ウィth タイp エイ エイオーディッ ダイセクション.
アメリカ英語では
“nt” の音の並びの時
“t” を飛ばして発音することがよくあります。
● presented(Nに続くTが消える) → presen-ed(Nとeが繋がって「ネ」) → “プリゼネッ”
(最初の「プリ」はほとんど聞こえないことがあります)
ネイティブの “presented with” の発音を
3つ集めてみました。
「プリゼネッウィズ」に耳を慣らしてみましょう!!
◆presented with “プリゼネッ ウィth” の発音 3つ連続で
引用:(1つ目 Dr.ベントンの “Patient presented with Type-A aortic dissection.”)
(2つ目 Pres. Tim Sands delivers 2016 State of the University Address 5:10時点)
(3つ目 To overcome challenges , stop comparing yourself to others | Dean Furness 6:15時点)
was は「ワズ」ではありません! “which was repaired”
続いて、
“Patient presented with a Type-A aortic dissection
which was repaired using the clamp-and-run procedure.”
の後半部分です。
ここの which was repaired が
「速すぎて聞き取れない!」
という方、多いと思います。
ゴリラ先生、この部分を聞き取るための
ポイントはどこでしょう?
えーと、was の発音が「ワズ」じゃない
ってことかな?
was は日本人が思っているより
ものすごく速く発音されることが多いよね!
そうですね!
was は速い発話では「ウズ」に近く、
ボソボソとはっきりしない音に聞こえます!
文後半全体をカタカナにすると、こんな感じです。
[(Patient presented with Type A aortic dissection) which was repaired using the clamp-and-run procedure.]
ウィチ ウズ リペアd ユウズィン ジ クラァンp エン ラン プロスィージャア.
ここでもネイティブの “was” の発音を3つ集めてみました。
1つ目はベントン先生の “which was repaired-“
2つ目は “He was able to help the director-“
3つ目は “which was actually really cool, -“
です。
速い was(ウズ)に耳を慣らしてみましょう!
どれもとても速いです。よーく耳を集中させて聞いてください!
◆ was “ウズ” の発音 3つ連続で
引用:(1つ目 Dr.ベントンの “…Type-A dissection which was repaired”)
(2つ目 リンダ・ヒル: 集団の創造性をマネジメントする 4:22時点)
(3つ目 Holly Herndon and Jace Clayton in conversation | Loop 18:50時点)
それでは今日はここまでです!
ラジオでは、ベントン先生の
“Post-op, day nine. Patient presented with type-A aortic dissection which was repaired …”
の文全体の発音や聞き取りのコツをお話し、同じように発話できるよう、発音練習していきます。
頑張りましょう!
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今回のまとめ
今回はERの術後回診のシーンから、「ネイティブはどんな風にブリーフィングをするのか?」を学習していきました。
発音面からは、次の3つのポイントを取り上げました。
1:post-op
ポウスt アプ
ポストの「ポ」とオペラティブの「オ」の母音を使い分けると、英語らしくなります。
● post [poʊst] → “ポウスト” 二重母音の「オウ」
● operative [áp(ə)rətɪv] → “アペラティヴ” 「ア」と「オ」の中間音
2:presented
● presented(Nに続くTが消える) → presen-ed(Nとeが繋がって「ネ」) → “プリゼネッ”
(最初の「プリ」はほとんど聞こえないことがあります)
3:弱形の was
[(Patient presented with Type A aortic dissection) which was repaired using the clamp-and-run procedure.]
ウィチ ウズ リペアd ユウズィン ジ クラァンp エン ラン プロスィージャア.
(「ワズ」ではなく「ウズ」)
英語の発音やリスニングは、こまぎれに少しずつ練習するのがコツです。
いきなり一文全部発音するとカタカナになりやすいので、少しずつじりじりと練習してみてくださいね。
それではここまで本当にお疲れ様でした!