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【第37回】大動脈解離の術後ブリーフィングを ER で練習【1】

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エイミ

こんにちは!

医学英語発音コーチのエイミです。

 

今回は「ER のワンシーンをまるまる発話練習していくシリーズ」をまたやってみようかなと思っています。

どんなシーンかというと、大動脈解離の患者さんの術後回診でのブリーフィング(状態説明)の場面です。

「第9病日です。A型大動脈解離の患者で、人工血管置換術でオペを行いました。…」

この台詞、ネイティブはどのように話すのでしょうか?

記事とポッドキャストでコンテンツを公開していますので、お好みのサービスで発音練習してみてください!

 

Dr.ゴリラ

ラジオは通常速度で19分31秒だよ。

早く聞きたいあなたは倍速などでどうぞ!

 

アップルポッドキャスト、グーグルポッドキャストからも「エイミ」で検索!

 

ネイティブはこうブリーフィングする

 

エイミ

ある日の回診で、

循環器外科のヴューセリッチ先生が

外科レジデント3年目のベントン先生と

医学生カーターを連れて

病室へやってきました。

そこでヴューセリッチ先生がベントン先生に

患者さんのブリーフィングを求めます。

さて、ベントン先生の最初の一言とは…?

まず聞き取りにトライしてみましょう!

 

◆ 【聞き取り】ブリーフィングの最初の一言は?

Dr. ヴューセリッチ:ベントン君。

Dr. Benton.

Dr. ベントン:第9病日です。A型大動脈解離の患者で、clamp-and-run手術でオペを行いました。

___________. ______________________.

 

さて…

ベントン先生が何と言っているか、わかりましたか?

ネイティブの発話なのでものすごく速いですね!

日本語訳をヒントにして、ぜひり返してよーーく聞いて、考えてみてくださいね!

「第9病日です。A型大動脈解離の患者さんです。

の英語表現は?

考えていただいたら、答えをどうぞ!

 

 

 

 

◆ 答え 

Dr. ヴューセリッチ:ベントン君。

Dr. Benton.

Dr. ベントン:第9病日です。A型大動脈解離の患者で、Clamp-and-Run手術でオペを行いました。

Post-op, day nine. Patient presented with Type A aortic dissection which was repaired using the clamp-and-run procedure.

 

ということで、ベントン先生の術後ブリーフィング、最初の一言は

“Post-op, day nine. Patient presented with Type A aortic dissection which was repaired using the clamp-and-run procedure.”

でした!

皆さんはどのくらい聞き取れたでしょうか?

日本語訳があっても、なかなか難しかったかと思います。

ここから、日本人が特に聞き取りにくい部分や、発音に気を付けるべき部分を解説していきます。

ご参考までにどうぞ!

 

 

「オ」の違いに注意! “post-operative”

エイミ

ベントン先生の「第9病日です」は 

“Post-op, day nine.”

ととても簡潔ですね。

ネイティブは post-operative(術後)を省略して

post-op と言うことがあります。

 

Dr.ゴリラ

「主語は何にすればいいんだろう?」

と文章にするために悩まなくても、

このようにシンプルに言えばいいんだね。

 

post-op の発音は「ポストオプ」に聞こえますが、

post の po(ポ)は発音記号では [poʊ]

operative の o(オ)は [a] で、

どちらも日本語の「オ」とは違う音です。

[post-op]

ポウスt

ポストの「ポ」とオペラティブの「オ」の母音を使い分けると、英語らしく発音できます!

 

post [poʊst] → “ポウスト” 二重母音の「オウ」

operative [áp(ə)rətɪv] → “ペラティヴ”  口を大きく開けて「ア」と「オ」の中間音

 

◆ “post”の「ポ」”operative”の「オ」  日英口比較

↑ post [poʊst] 唇をやや突き出して「ポウ」。

↑oprative [áp(ə)rətɪv] 大きく口を開いて!「ペラティヴ」(op だけでも同じです)

 

エイミ

ネイティブの post-op の発音を4つ集めてみました!

連続で聞くと

「ポウスト」「アプ」の母音の違いが

わかりやすいかなと思います!

 

◆post-op ポウスtプ” の発音 4つ連続で

 

引用:(1つ目 Dr.ベントンの “Post-op, day nine.”)

(2つ目 Neurohacking: rewiring your brain | Don Vanghn | TEDxUCLA 2:17時点)

(3つ目 New Cataract laser Surgery at Stanford: Mary Savoie’s story 1:15時点)

(4つ目 Amanda Adeleye, MD, Caring Part 4: Clinical Care of the Transgender Patient 8:45時点)

 

 

ネイティブの presented の発音は「プリゼネッ」

エイミ

さて今回、ベントン先生は

「A型大動脈解離の患者です」を 

“Patient presented with Type-A aortic dissection.”

と表現していますね。

ネイティブは presented を

「プレゼンテッド」ではなく

“プリゼネッ”と発音することが多いです。

 

ということで、文全体をカタカナにするとこんな感じになります。

 

[Patient presented with Type A aortic dissection.]

ペイシェンt プリネッ ウィth タイエイ エイオーディッ ダイクション.

 

エイミ

アメリカ英語では

“nt” の音の並びの時

“t” を飛ばして発音することがよくあります。

 

presented(Nに続くTが消える) → presen-ed(Nとeが繋がって「ネ」) → “プリネッ” 

(最初の「プリ」はほとんど聞こえないことがあります)

 

Dr.ゴリラ

ネイティブの “presented with” の発音を

3つ集めてみました。

プリゼネッウィズ」に耳を慣らしてみましょう!!

 

◆presented with “プリネッ ウィthの発音 3つ連続で

 

引用:(1つ目 Dr.ベントンの “Patient presented with Type-A aortic dissection.”)

(2つ目 Pres. Tim Sands delivers 2016 State of the University Address 5:10時点)

(3つ目 To overcome challenges , stop comparing yourself to others | Dean Furness 6:15時点)

 

 

was は「ワズ」ではありません! “which was repaired” 

エイミ

続いて、

Patient presented with a Type-A aortic dissection

which was repaired using the clamp-and-run procedure.”

の後半部分です。

ここの which was repaired

「速すぎて聞き取れない!」

という方、多いと思います。

ゴリラ先生、この部分を聞き取るための

ポイントはどこでしょう?

 

Dr.ゴリラ

えーと、was の発音が「ワズ」じゃない

ってことかな?

was は日本人が思っているより

ものすごく速く発音されることが多いよね!

 

エイミ

そうですね!

was は速い発話では「ウズ」に近く、

ボソボソとはっきりしない音に聞こえます!

 

文後半全体をカタカナにすると、こんな感じです。

 

[(Patient presented with Type A aortic dissection) which was repaired using the clamp-and-run procedure.]

ウィチ ウズ ペアd ユウズィン ジ クラァンp エン ラン プロスィージャア.

 

ここでもネイティブの “was” の発音を3つ集めてみました。

1つ目はベントン先生の “which was repaired-“

2つ目は “He was able to help the director-“

3つ目は “which was actually really cool, -“

です。

速い was(ウズ)に耳を慣らしてみましょう!

どれもとても速いです。よーく耳を集中させて聞いてください!

 

◆ was ウズの発音 3つ連続で

 

引用:(1つ目 Dr.ベントンの “…Type-A dissection which was repaired”)

(2つ目 リンダ・ヒル: 集団の創造性をマネジメントする 4:22時点)

(3つ目 Holly Herndon and Jace Clayton in conversation | Loop 18:50時点)

 

 

それでは今日はここまでです!

ラジオでは、ベントン先生の

“Post-op, day nine. Patient presented with type-A aortic dissection which was repaired …” 

の文全体の発音や聞き取りのコツをお話し、同じように発話できるよう、発音練習していきます。

頑張りましょう!

 

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今回のまとめ

今回はERの術後回診のシーンから、「ネイティブはどんな風にブリーフィングをするのか?」を学習していきました。

発音面からは、次の3つのポイントを取り上げました。

1:post-op

ポウスt

ポストの「ポ」とオペラティブの「オ」の母音を使い分けると、英語らしくなります。

post [poʊst] → “ポウスト” 二重母音の「オウ」

operative [áp(ə)rətɪv] → “ペラティヴ” 「ア」と「オ」の中間音

 

2:presented

presented(Nに続くTが消える) → presen-ed(Nとeが繋がって「ネ」) → “プリネッ” 

(最初の「プリ」はほとんど聞こえないことがあります)

 

3:弱形の was

[(Patient presented with Type A aortic dissection) which was repaired using the clamp-and-run procedure.]

ウィチ ウズ ペアd ユウズィン ジ クラァンp エン ラン プロスィージャア.

(「ワズ」ではなく「ウズ」)

 

英語の発音やリスニングは、こまぎれに少しずつ練習するのがコツです。

いきなり一文全部発音するとカタカナになりやすいので、少しずつじりじりと練習してみてくださいね。

それではここまで本当にお疲れ様でした!

 

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エイミ
医療英会話の発音とリスニングの専門家。ER先生。舌トレ先生。英検先生。
20代後半から英会話習得をスタートし、最初は「センキュー」以外一言も話せない英語音痴だった。日本人にとっての理解しやすさを追求した解説と「トレーニングは楽しく!」が信条。ERが大好き。University of Baguio, Associate in Hotel and Restaurant Management卒。TOEIC 935点。

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