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【第119回】”長い英文(英語のかたまり)” を自然に発音するコツ

投稿日:2023年9月3日 更新日:

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今回は 医療英語に欠かせない「長い言葉のかたまり」や「長い英文」を英語で発音する時のお悩みを解決していきたいと思います。

なんとなく不自然になりがちな “長い英語” ですが、発音にコツがあります。

このテクニックはどなたでもすぐに出来、今日から真似して頂くことができるので、ぜひ一緒に練習してみましょう!

 

Dr.ナミ

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ハリソン内科学のポッドキャストでリスニングチャレンジ!

エイミ

こんにちは!

医学英語発音コーチのエイミです。

 

今日のトピックは 長い英語の発音のコツ です。

今回は題材に ハリソン内科学のポッドキャスト を使ってみたいと思います。

「ハリソン内科学」はお医者様が医学の勉強をする時に使われる教材ということで、誰でも聞けるポッドキャストで展開されていながら、大変本格的なものです。

難しい医療英語がたくさん出てきます。

このハリソンの一部を、まず前情報が何も無い状態で一度、何を言っているのかなと、聞いてみていただこうと思います。

それではどうぞ!

 

◆ リスニングチャレンジ「それでは~について話をしていきましょう。」

 

ハリソン内科学のポッドキャスト担当、ジョンズ・ホプキンス大学医学部所属の Dr. キャシー・ハンディの台詞でした。

ネイティブの発話なのでとても難しいですが、2回、3回と聞き返して、細かいところまで出来るだけ頑張ってみてください!

出来るだけ頑張って聞いていただけたら、下で答え合わせをしましょう!

 

 

 

◆ 答え

では今からナプロキシンについて話をしていきましょう。ナプロキシンはエヌセイド、つまり非ステロイド性抗炎症薬で、腎臓に強く影響を及ぼします。

So now we need to talk about naproxen, which is an NSAID, so a non-steroidal anti-inflammatory drug, and that does have an impact on the kidney.

 

答えはこんな感じでした!

少しでも聞き取れたあなた、素晴らしいです!

 

英語の “長い言葉のかたまり” はこう発音する

 

キャシーの台詞の中で、最初に「長い名詞のかたまり」の発音に注目してみたいと思います。

非ステロイド性抗炎症薬、

non-steroidal anti-inflammatory drug 

という名詞の塊があります。

英語のリズムでは基本のルールとして、最初と最後の単語を強く読む ということがあります。

つまり

 

non-steroidal anti-inflammatory drug 

 

今回であれば、最初の Non と最後の drug をもっとも強く読みます。

ここで、もう一度ハリソン内科学のキャシーの発音を聞いてみてください。

 

 

声の出し始めである文頭の単語は、自然に音程高く、声も大きめになるので、特に意識せず発音すれば大丈夫です。ただ日本人は文末になるにつれ声が小さくなっていくことがありますので、最後の強勢音節には大きく山を置いて発音することが大事です。

これだけでかなり英語らしいリズムを生むことが出来ます。

このことを意識して発音しないと、私たち日本人はそれぞれの単語の発音を辞書などで調べて、全部辞書通りに発音してしまうことがあります。

そうするとこんな感じですね。

non-steroidal anti-inflammatory drug 

こういう言い方が絶対にダメというわけではなく、この言葉を特にはっきりと示したり強調するに時にはアリです。ただ文の中に入れた時に言いにくくなってきたら、それはやりすぎ(強勢音節を増やし過ぎ)と考えることが出来ます。

引き算的に考え、真ん中部分にある単語はやや音程を下げて目立たせずに発音すると、言いやすくなります。

 

英語の “文” はこう発音する

 

「最初と最後を強く読む」というリズムは、英語の音の世界全体に共通するルールです。

キャシーの台詞を文章で、まず最初のコンマまでリズムを取ってみましょう。

 

So now we need to talk about naproxen, 

So now, は一つのチャンク、ことばの塊で、nowの方が強く発音されると決まっています。

なので、soではなく、最初に強くなるのはnow です。

最初の now と最後の naproxen にリズムの山が大きく乗っていました。

続いて

which is an NSAID

ここは関係代名詞のwhichから始まっていて、関係代名詞は強く発音されないので、最初は少し弱めになっています。最後の NSAID を強く発音します。

非ステロイド性抗炎症薬 “NSAID” の発音は、エヌセイド、エヌセイズ ではなく、

NSAID・エヌセッド [én sed]

NSAIDS・エヌセッズ [én sedz]

です 。

 

so a non-steroidal anti-inflammatory drug

and that does have an impact on the kidney.

最後のコンマ以降はちょっとだけトリッキーで、強調の does が使われています。

強調の do や does を使う時は、その後に続く意味のある本動詞よりも do、does を強く発音するルールになっています。最初の主語よりも does の方を強くします。

ですので主語の that よりも、本動詞の have よりも、今回は doesの方に強く音の山が乗っています。

そして最後、drug、非常にはっきりと聞こえています。

最後に通して練習しましょう。

 
 

では今からナプロキシンについて話をしていきましょう。ナプロキシンはエヌセッド、つまり非ステロイド性抗炎症薬で、腎臓に強く影響を及ぼします。

So now we need to talk about naproxen, which is an NSAID, so a non-steroidal anti-inflammatory drugand that does have an impact on the kidney.

 

 

今回の内容をポッドキャストでもどうぞ!

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今回のまとめ

今回は 英語の長い言葉のかたまりを発音する時の基本のルールについて解説しました。

●英語はひとかたまりの語句を「最初と最後を強く読む」というリズムで成り立っています。

” non-steroidal anti-inflammatory drug

●文中にコンマを入れる時、コンマ間ごとにこのルールが適用されます。

“So now we need to talk about naproxen, which is an NSAID,”

●一つの文全体で考えても「最初と最後を強く読む」が見られます。(文が長くなればなるほど文の真ん中にも強勢が増えますが、私たち日本人は増やし過ぎてしまう傾向が強いので、減らそうとするくらいでちょうどいいことが多くあります。)

“that does have an impact on the kidney.”

●文の最初の単語であっても、大きな意味を持たない単語(a、the、and など)や、次の語とセット使いになっており、かつ次の語が強く発音されるものである場合(So now など)は、次の強勢音節にストレスが譲られます。

 

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また一緒に英語学習しましょう!

 

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エイミ
医療英会話の発音とリスニングの専門家。学会発表、座長の英語、診療英会話、英検、OETなどのオンラインレッスンを提供中。20代後半から英会話習得をスタートし、最初は「センキュー」以外一言も話せない英語音痴でした。日本人にとっての理解しやすさを追求した解説と「トレーニングは楽しく!」が信条。ERオタク。University of Baguio, Associate in Hotel and Restaurant Management卒。TOEIC 935点。

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