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こんにちは!
医学英語発音コーチのエイミです。
今回は、ER などの医療ドラマにとてもよく出てくる
There’s a good chance that ……
という英語表現をご紹介しようと思います。
“good chance” と聞くと、私たち日本人は
「チャンスだ!ってこと?」
と思ってしまうかもしれないのですが、この「good」は「良い」という意味とは違います。「(量や値などが)かなりの、十分の」という意味の形容詞です。
そして chance は、「好機」の方ではなく、「可能性」という意味です。
つまり good chance は「十分な可能性」。
“There’s a good chance that …”
は、「~の可能性が高いです」というフレーズとなるのですね。
ネイティブの医療者はこのフレーズをどう使っていくのか? ということを、今日は多くのシーンを使ってご紹介していければと思います。
目次
「可能性が高い」”Thre’s a good chance” の使い方
それでは、
There’s a good chance …
で「可能性がある」「高い」を
意味しているフレーズを ERから
まず3つご紹介していきます。
一つ目は、救急医の Dr. チェンが
救急科の同僚 Dr. カーターの診断に
疑問を持ち、「別の疾病ではないか?」
と問いかけをするシーンニャ。
◆「~の可能性があるのではないか」と同僚に示唆する
Dr. カーター:(患者は全身に痒みを訴え極度に興奮していたので、)強迫性障害か身体醜形障害じゃないかと。
Either OCD or a body dysmorphic disorder.
Dr. チェン:そう、でも、これに気づいた?
Yes, but, uh, did you see these?
Dr. カーター:なに?
What?
Dr. チェン:孔道に、丘疹。リンデン毒性の可能性が大いにあると思うわ。
Burrows, papules. I think there’s a good chance it’s lindane toxicity.
ここでは、
● There’s a good chance that it’s A.
「A(病名)の可能性が高い、十分に考えられる」
という表現が出てきました。
that以下の主語には it を使っています。
(good を抜けば「Aの可能性もある」といったマイルドな表現になります。)
さらに二つ、連続して見ていきましょう。
次の2つのシーンは、
ドクターが患者さんに
疾病や出産の可能性を伝える一言です。
◆「~の可能性があります」と患者さんに伝える
腹痛で救急搬送された妊婦:何か問題が?
Is that bad?
Dr. バーネット:いいえ。でも今日中に出産になる可能性は高いですね。
No, but there’s a good chance you could be having your baby today.
妊婦:そう、今回も自宅出産が良かったのにな…。
Oh, I wanted to have another home birth.
Dr. バーネット:分娩中に酸素が不足しまして…。
Your son was deprived of oxygen during the birth.
母親:でも、大丈夫なんでしょう?
But he’s gonna be all right?
Dr. バーネット:二、三日でわかります。ただ、神経障害が生じた恐れがあります。
We’ll know more in a few days. There’s a good chance that he suffered neurologic damage.
この二つの、患者さんとの会話をまとめてみましょう。
● There’s a good chance that you(/she/he) do(could be …).
「あなたは、奥様は、ご主人は、~される可能性が高いです」
that以下に患者さんのお名前や人称代名詞を使い、文を繋げるパターンです。
good chance は、
「~の恐れがある」のような
悪い可能性に対しても
問題なく使えます。
good chance→「良いことに思える…」
というのは和製英語の刷り込みなので、
気を付けてみてくださいね。
「25%の可能性で…」”There’s a 25% chance” の使い方
次は、「~の可能性は●%です」
とパーセンテージを示す
表現だニャ。
◆「可能性は〇%」
Dr. コバーン:フットリングブリーチの場合、(経腟分娩では)大きな合併症が起こる可能性が25%あります。帝王切開だと2%です。
With a footling breech, there’s a 25% chance of major complications. It’s less than 2% with a C-section.
妊婦:つまり、(経膣でも)安全に生まれる可能性は75%あるわけですね。
But that’s a 75% chance that the baby will born without any problems.
さて、ここでは、
● There’s a 25% chance of A.
「A(病名、状態)が起こる可能性は25%ある」
chance の後に of を使って名詞を繋いでいます。
もう一つ、
There’s a X% chance of A.
の表現を
別の医療ドラマからご紹介しますね。
医師:(あなたが)手術中に亡くなる可能性は9割です。または、1割の確率で治ります。
“There’s a 90% chance of dying in surgery. Or a 10% chance of a cure.”
患者:厳しい数字だな。
“Not great odds.”
(「ニュー・アムステルダム」より)
文を繋げたい時には、ERの妊婦さんの台詞のように、There’s a X% that SV. とすれば大丈夫です。
「可能性は低い」も “There’s a good chance”
ここまで「可能性がある、高い」の表現を見ていきました。
ついでに、「可能性が低い」の方もチェックしておきたいですよね。
実は「可能性が低い」と言う時でも、
英語ではやはり
“There’s a good chance…” で始めることが
とても多いニャ。
え、「低い」と言いたいのになぜ
“good chance”(高い可能性) を使うの?
と思ったあなたは
この先をチェックしてニャ。
◆「手術に耐えられる可能性は低い」
難病の子の母:私とわかって手を握ってくるんです。出来ることは何でもしてやらないと…。
He squeezes my hand. He understands me. That means everything that can be done should be done.
Dr. チェン:お気持ちはわかります。でも、ケニス君が手術に耐えられる可能性は非常に低いんです。
Yes, but there’s a good chance that Kenneth won’t survive the operation.
このように、「可能性が低い」は、
● There’s a good chance that 主語 not do.
(直訳すると)「主語(人の名前など)がdoしない可能性が高い」
というように、後ろの文に not を持ってくることで文を作っています。
日本語と考え方が違うので、
最初はこんがらがりそうになるかもです。
つまり、
最初に「可能性が高い!」と言って、
その後で「~できない可能性がね!」
と続けるわけですね。
似たパターンの英文をもう一つご紹介します。
◆「子を授かれる可能性は低い」
チャンドラー:(ドクターの説明によると、)つまり…
It means…
モニカ:結論は?
Wait, Chandler.
チャンドラー:つまり、トライし続けるのは良いけど、自然妊娠の可能性はほとんどないんだって。
It means we can keep trying but there’s a good chance this may never happen for us.
モニカ:そうなの…。
Oh my God.
(「フレンズ」より)
ここでは、「望みが実現する可能性はほとんどない、限りなく低い」の意味で
● There’s a good chance that this may never happen.
強い否定 never が使われています。
これも、「可能性が高い →(どんな可能性かと言うと)絶対に実現しない可能性がね」という考え方ですね。
ということで
「可能性が低い」も
good chance that…
で表現されることが多いニャ。
ただ時々、slim という形容詞も使われるニャ。
医学の「スリム」は
「ほっそりしている」よりも、
「ほんの僅かだ、極めて少ない」
の意味が大事ニャよ!
最後にERからそれをご紹介するニャ。
Dr. コバーン:低酸素性脳障害ね。神経学的回復はほとんど望めないわ。
“Hypoxic brain injury. The chance for complete neurological recovery is slim.”
(「ER」より)
【日本語吹替と英語音声を連続で】
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今回のまとめ
今回は、医療現場で「~の可能性がある」「可能性が高い、低い」という表現をする時、ネイティブがよく使う
There’s a good chance …
で始まるフレーズを9個ご紹介しました。
いかがでしたか?
「possibility」は、意外にあまり出てこないんですよね。(全くではありませんが。)
今回は発音のお話ができなかったなぁ~と思いつつ、長くなってしまったのでここまでです!!
みなさまお疲れ様でした!
また別の記事やポッドキャストでお会いしましょう!