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【第77回】グレイズ・アナトミーのパーキンソン病 DBS手術から英語学習

投稿日:2022年7月7日 更新日:

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今回は グレイズ・アナトミーから、パーキンソン病治療のための外科手術、DBS(Deep Brain Stimuration)の模様が描かれているエピソードをご紹介します。

患者さんと医師の会話を通して、リアルな英語表現と発音を学習しましょう!

 

Dr.レン

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今回の患者さんはこんな人

エイミ

こんにちは!

医学英語発音コーチのエイミです。

 

今回の患者はパーキンソン病の63歳男性、エドワード・レヴァンジさん です。

朝の回診の中で彼の症状のブリーフィングが行われています。

まずはその台詞を聞きましょう!

 

◆ 「63歳男性、ジスキネジアの疼痛管理のため入院治療中です」

外科レジデント:誰か概要をお願い。

Who’s presenting?

ジョージ(外科インターン):エドワード・レヴァンジさん、63歳男性です。ジスキネジアの疼痛管理のため入院治療中。症状は昨夜から安定。ボーラス注射が効きました。

Edward Levangie is a 63-year-old man admitted for pain management for Dyskinesia. He’s been stable since last night, and responding well to the bolus injections.

外科レジデント:イジー、考えられる治療法は?

Izzy, possible treatment?

イジー(外科インターン):パーキンソン病の治療は…

For Parkinson’s disease? Um, deep brain stimulation has…

脳外科医:パーキンソンではなく、脊椎の痛みに対してだ。

Not for Parkinson’s, for spinal pain.

 

まずここでは、男性インターン、ジョージの台詞にある ジスキネジア の発音に注目してみましょう。

Dyski ne sia

ディスキ ニー ズァ

[diskənı́ːziə]

強勢は ne の位置で、ニー と強く長く発音されていることに着目しましょう。

続いて女性インターンがパーキンソン病の治療法として DBS を挙げようとしますが、「今回は背中の痛みの治療についてだ」と上級医にさえぎられてしまいます。

この後の会話によると、どうやら患者のレヴァンジさんは「脳の手術は怖い」とDBSを拒否しており、背中の痛みに対してのみの手術を希望してしているようです。

 

患者の娘は「父にDBSを受けて欲しい」

しかし患者の娘は、日に日に悪化するパーキンソンの症状を目にし、「父にDBSを受けて欲しい」と強く希望していました。

患者の娘とメレディス(外科インターン生)の会話を聞いてみましょう。

 

◆ 「なんとか説得してもらえないかしら」

患者の娘:あの、すみません。えーと…。

Excuse me. I’m sorry, Dr….

メレディス(外科インターン):グレイです。

Grey.

患者の娘:父はあなたのことが気に入っているみたい。金髪の細い人が好きで…。ごめんなさい、失礼ね。私、疲れていて…。

My dad seems like you. He’s always liked skinny blondes. Is it rude? I’m sorry, I’m so tired.

メレディス(外科インターン):ご用件は?

Is there something…?

患者の娘:あなたに父を説得してもらえないかと思って…。

I was wondering if you would talk to him.

メレディス(外科インターン):というと?

About?

患者の娘:脳の手術のことです。担当の先生から聞いたの。ネットで調べたら、上手くいけば痛みだけじゃなく、ほとんどの症状が良くなるって。

Brain surgery. The doctor mentioned it. And I read about it online. If it worked, it could help with most of his symptoms, not just his pain.

 

 

「病気が進行したら手術はできません」と伝える

メレディスは、脳外科医の Dr. シェパードとともに患者さん本人の説得を試みます。

シェパード医師は「病気が進行すればもう手術はできなくなりますよ」とレヴァンジさんへ伝えますが…。

 

◆ 「認知症へ進めばDBSは受けられなくなります」

Dr. シェパード:レヴァンジさん、手術可能な時間は残りわずかです。パーキンソンが認知症まで進行すると、もうDBSを行うことはできなくなります。

Sir, there’s a very small window of opportunity here. You know, once the Parkinson’s progresses to a point of dementia, you’re no longer a candidate for DBS.

◆ small window of opportunity  ほんの短い間だけ訪れる絶好の機会。

 

それでもなお頑なに拒むレヴァンジさん。

しかしメレディスが以下の声掛けしたところ、ついに首を縦に振ります。

 

◆ 「家族は、希望があるなら戦って欲しい、と願うものです」

メレディス:あなたの人生はあなたのものですが、娘さんの人生でもあります。あなたにはまだ良くなれる可能性があるんです。娘さんはただそれを試して欲しいと願っておられるんです。

It is your life, but it’s her life, too. And you have a chance to get getter here. And all she’s asking you to do is try. 

 

 

DBS手術中の手技説明と声掛け

レヴァンジさんのDBS手術が始まりました。

執刀医は Dr. シェパード、助手はメレディスです。

二人の患者さんへの声掛けを英語で聞きましょう。

 

◆ 「今から穴を開けてスポットを探します」

レヴァンジさん:金髪の子はどこだ?

Where’s blondie?

メレディス:ここですよ。見えませんか?

I’m right here. Can’t you see me?

レヴァンジさん:身体は震えてるが、目は見えてるよ。もし何かあったら君のせいだからな。

I’m shaky. I’m not blind. Anything goes wong here, I’m blaming you.

メレディス:じゃあ、ずっと見えるところにいますね。(患者さんの手を握る。)今から穴を開けて、脳内の運動機能を制御する箇所を探ります。

OK, in that case, I’ll stay where you can see me. Now, we just have to drill a hole and try to find the spot that controls the motor function.

レヴァンジさん:そこにいたら私の脳が見えないだろう。勉強するために来たんだろ。

You can’t see my brain there. Aren’t you supposed to be learning something?

メレディス:ここで大丈夫です。

I’m good right here.

スタッフ:心電図は正常です。

EEG waves look good.

Dr. シェパード:レヴァンジさん、大きく呼吸をしてくださいね。美人に集中して。音は恐ろしいですが、出来るだけ力を抜いてください。何も感じないはずですから。

OK, Mr. Levangie. Just take a coulple of deep breaths. Focus on the pretty girl. This is going to sound really scary, but try and relax. You shouldn’t feel a thing.

 

そして手術は終盤へ。

レヴァンジさんの前に一人の女性が立ち、手を動かしながら、同じことをするように患者さんに話しかけます。

 

◆ 「私と同じ動作をしてください」

女性:続けてください。私の真似をして。大丈夫、出来ます。

Just keep trying, Mr. Levangie. Mimic my motions. You can do it.

メレディス:いい感じですよ。あと少しです。

You’re doing great, Mr. Levangie. Just a little longer.

レヴァンジさん:(腕が震えて)くそっ。

Oh, damn it!

女性:呼吸をして、もう一度やってみましょう。

Take a breath and try again. One more time, Mr. Levangie.

メレディス:もう少しです。電極が良いところに入ればわかりますから。

The probe is almost in. You’ll know it when we find the right spot.

(レヴァンジさんの腕の震えが止まる。)

女性:ほら、できたでしょう?

Well, how about that?

Dr. シェパード:ここだ。

There it is.

レヴァンジさん:信じられん…。

I’ll be a son of a bitch.

◆ I’ll be son of a bitch.  「信じられない」という意味のスラング。

 

レヴァンジさんの身体の震えは止まり、DBS手術は無事成功したようです。

ポッドキャストでも一緒に学習しましょう!

 

Dr.レン

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今回のまとめ

今回は、人気医療ドラマ「グレイズ・アナトミー」から、パーキンソン病の外科的治療であるDBSが行われている場面の英語表現を取り上げてご紹介しました。

パーキンソンにDBSという治療法があること、そしてグレアナにDBSが取り上げられているエピソードがあるということを最近ある生徒さんから教えていただき、この記事とポッドキャストを作ることが出来ました。

エピソード中に参考になる表現や発音がたくさん出てきていると思いますので、皆さんの日常の英語にぜひ何か取り入れてみていただければと思います。

それではまた一緒に英語学習しましょう!!

 

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エイミ
医療英会話の発音とリスニングの専門家。英検、OET、学会発表、外来での診療英会話、舌トレなどのオンラインレッスンを提供中。20代後半から英会話習得をスタートし、最初は「センキュー」以外一言も話せない英語音痴だった。日本人にとっての理解しやすさを追求した解説と「トレーニングは楽しく!」が信条。ERが大好き。University of Baguio, Associate in Hotel and Restaurant Management卒。TOEIC 935点。

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