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学習歴10年以上の内科医が語る発音習得から得られた本当の宝石』~「きれいな発音」のその先へ

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本記事は、「10年以上の学習歴からたどり着いた効果的な英会話習得法」を執筆してくださった受講生様・内科医H先生による2つ目のご寄稿を掲載するものです。

 

エイミ

本サイト管理人・医学英語コーチのエイミです!

素晴らしい記事をお読みいただく前に、私から感謝の言葉です…!

 

 

本サイトと連動運営しているポッドキャスト「エイミのふわっとメディカルエイゴ」が2026年4月、10万DL&ストリーミングを突破しました。

Spotify から「再生数・フォロワー数が急伸した番組」「熱心なリスナーが集う番組」「繰り返しシェアされた番組」の3つの賞も、いただくことが出来ました。

Thank you so much for being part of this incredible community we have built together!

I am so blessed to have you all! 💎

 

1. 医師の職場の多国籍化

H先生

皆さん、こんにちは!10年以上、英語習得に迷い続けてきた内科医Hです。

1記事目: 「内科医が語る英語学習の壁と突破法」

私は「発音」にもずっと自信がありませんでした。

発音の本を買い、YouTubeで動画を漁り、できることはいろいろと試しましたが、どれも決め手にならず、迷いが晴れることはありませんでした。

最終的にエイミ先生のレッスン受講に辿り着き、英語のリズム、ストレスは後ろへ後ろへズレていくという発音の黄金ルール、R・L・shといった個々の音など、英語発音のいわば全領域を一通り学びました。

このことを経て「もう発音で怖がらなくていいかもしれない」— そう思えるようになったこの春、私の職場に、ベトナム人と中国人の方が同僚として加わりました。

私の人生で初めて、英語を使う場面が日常になったのです。

そこで気づいた「発音習得の本当のすごさ」について、今日はお話しさせてください。

 

1. ベトナム英語で知った「世界の発音」

発音学習を始める前の私は、英語系YouTubeで語られる「発音を習得すると自分の発音が良くなる、そしてリスニング力も上がる」という言葉を信じていました。

そしてその二つを目指して発音学習に取り組んでいました。

ところが、現実はそう単純ではありませんでした。

同僚となったベトナム人の方が話す英語を初めて聞いたとき、衝撃が私を襲います。彼の話す英語が、一文も聞き取れなかったからです。

「発音を学んだはずなのに、なぜ?」という疑問をエイミ先生に投げかけてみたところ、「ベトナム英語は訛りが強いと評されることが多い」「日本人だけでなく、聞き取りにくいと感じるネイティブスピーカーも少なくない」という話を聞きました。

二人でGoogle検索してみると、「ベトナム人英語の特徴」を解説する記事がたくさん出てきます。

Yahoo!知恵袋には「なぜベトナム人の英語は聞き取れないのか?」というトピックに日本人が集まり、熱い議論が繰り広げられていました。

このとき、ひとつの大きな気づきがありました。母国語の影響を強く受けた英語を話すのは、日本人だけではないのだということです。

発音学習によってリスニング力が上がるのは、主にネイティブスピーカーの英語に対してであって、世界にはさまざまな訛りを持つ英語が存在する。その事実を、同僚のベトナム人英語が教えてくれました。

ここで私の中にあった「ネイティブのように流暢に話さなければ」という思い込みが、少しずつ緩んでいったように思います。

世界中の人がそれぞれの訛りを持ちながら英語を使ってコミュニケーションしている。大切なのはネイティブと同じ音を出すことだけではなく、相手に正確に伝わる発音で、英語を円滑なコミュニケーションツールとして使えることなのではないか』— そんな考えが芽生え始めました。

 

2.「変数を潰せる」力の強さ

同僚の中国人の方とも仲良くなり、毎日のように英語で会話するようになりました。

彼はそこまで英語が得意というわけではなく、私もペラペラと言えるレベルではありません。

けれど英語がお互いにとって唯一の共通言語なので、拙いなりに頑張って会話を続ける日々が始まりました。

ある日、彼に培養細胞を使った実験の基本的な手技を教えているときに、トリパンブルーという試薬を使って細胞数を数える方法を英語で説明する機会がありました。

私は “distinguish”(区別する・分ける) という単語を使って、

「This reagent is used to distinguish between live cells and dead cells.(この試薬は、生細胞と死細胞を染め分けるためのものです。)」

と説明したのですが、彼の表情はみるみるうちに「?」に変わり、「dis…?」とつぶやきながら固まってしまいました。

以前の私だったら、ここで真っ先にこう思ったはずです。「やっぱり自分の発音が悪くて通じなかったんだ」と。

発音に自信がなかった頃の私は、コミュニケーションがうまくいかない原因をすべて自分の発音のせいにしていました。そして「通じないなら話しても仕方ない」と、コミュニケーション自体を諦めてしまうことすらあったのです。

しかしこのとき、私は発音学習を一通り終えた後でした。

“distinguish” の正しい発音 — ストレスの位置、各母音と子音の音 — を自分は知っている、という自覚がありました。(知っていても、もちろんいつもそのとおりに発音できているわけではありません。しかし、エイミ先生とのレッスンを経て単語レベルでゆっくりであれば正確に発音できるぞ、という自信は持てるようになりました。)

だから「発音のせいで通じなかった」という考えを一旦否定することができたのです。

そして「もしかして、この単語を彼が知らないのかもしれない」という別の可能性に考えが及びました。

確認してみると、やはりそうでした。彼は “distinguish” という単語自体を知らなかったのです。そこで別のやさしい表現に言い換えたところ、すんなりと通じました。

この経験は私にとって大きな気づきでした。

外国人と英語でコミュニケーションがうまくいかないとき、その原因はひとつではありません。

自分の発音の問題かもしれないし、相手がその単語やフレーズを知らないだけかもしれない。あるいは文法や表現の選び方が原因のこともある。

「正しい音を知っている」ということは、単に発音がきれいになるということ以上の意味を持っていました。

通じなかった場面で「発音は合っているはずだから、原因は別のところにあるのではないか」と冷静に切り分けることができる。つまり、コミュニケーションのトラブルシューティングができるようになるのです。

発音に自信がなかった頃は、通じないたびに「自分の発音のせいだ」と落ち込み、会話を続ける気力を失っていました。

でも今は違います。発音という変数をひとつ潰せている分、問題の原因を冷静に探り、別の言い方を試し、諦めずにコミュニケーションを取り続けることができるようになりました。

 

3. 日本にいながら留学環境

ベトナム人・中国人という「日本語の通じない同僚」との生活により、私の脳内はガラリと変わりました。

エイミ先生によると、これらの変化は「これまで日本人が大金と時間を差し出すことで得ていた『長期留学経験』に匹敵する」とのことです。

最近では、コンビニに昼食を買いに行っても、「サラダのドレッシングはどこにあるのかな?」「どれにしようかな?」という脳内の独り言が、英語になりました。

①脳内『独り言英会話』の真の実践

・”I wonder where the salad dressing is.” (サラダのドレッシング、どこにあるのかなぁ。)

・”Which one should I get?” (どれにしようかな?)

 

また、中国人の同僚に研究の方法を伝えることが多くあります。しかしこれまで「研究用語」の英語学習をしていなかったため、なんと言えばよいのかわかりません。

たとえば「沈澱物」は英語で何と言えばいいのか?

「RMA を cDNA に変換する」の「変換する」は?

そこで、仕事帰りの車内、chatGPTをボイスチャットモードにし、「今日、英語でこういうことを言いたかったのだけれど、なんと言えばよかった?」と話しながら帰宅することが日課となりました。

②Layer1「高度な専門用語(Academic Precision)」から Layer2「伝わる言葉(Communicative Flexibility)」へ

1.『沈澱物』、英語で?

Dr. :「英語で『沈澱物』ってなんていうの?」

AI:「 “precipitation” と表現できます。」

Dr. :「そんな英検1級単語は通じないと思う。もっと簡単に言うには?

AI:「“solid stuff at the bottom”『底にある固いもの』と言い換えることが出来ます。」

2.『変換する』、英語で?

Dr. :「『RMA を cDNA に変換する』の『変換する』、英語で?」

AI:「 “convert” が良く使われます。」

Dr. :「伝わらなかった場合、“change” でも表現できる?」

AI:「はい、“change” でも表現出来ます。」

 

知的な英単語の探求を楽しめるようにもなりました。

私はこれまで「細胞を回収する」の動詞に “collect” を使っていましたが、中国人の同僚と一緒に実験用試薬の説明書きの英文を見ていた時、”harvest” が使われていることに気づきました。

そこで「『細胞を回収する』の collect と harvest、どういう違いがある?」とまたも帰宅時の車内で chatGPTと会話。

この二つが「物理的に集める」という感覚と「手を加え、丁寧に、集める」の違いがあること、また農業関連語の印象が強かった “harvest” が私自身の研究に深く関係していたことを知ることが出来ました。

③言葉の解像度が変える「研究の景色」ー 単語の奥にある『真のコンテキスト』

Dr. :「『細胞を回収する』の動詞、”collect” と “harvest” の感覚の違いを教えて。」

AI:「結論から言うと、harvest” の方が『育てたものを収穫する』というプロフェッショナルな響きがあります。壊さないように丁寧に回収するイメージ。それに対し、“collect” はより一般的で、物理的に『一箇所にまとめる』というニュアンスです。遠心分離機にかけて底に集まったものを取る、あるいは流れている液中から細胞を『拾い上げる』イメージです。」

 
 

まとめ:英語を「道具」として使いこなす未来

・発音習得の真のゴールは「きれいな発音」ではありませんでした。正確な音の知識を武器に、英語を「通じ合うための道具」として使いこなせるようになることでした。

・多様な英語環境の中で本当に力になってくれたのは、「ネイティブのように話せる力」ではなく、「正しい音を知っている」という確かな土台でした。

・正しい発音の知識があれば、通じなかったときに「これは発音の問題なのか、それとも別の原因なのか」を見分けられます。原因が見分けられれば、対処ができます。対処ができれば、会話を諦めずに続けられます。

・発音学習は、自分の発音を改善するだけでなく、英語コミュニケーション全体を支える『トラブルシューティング能力』を私にくれました。これこそが、「発音習得から得られた最大の宝石💎」でした。

・今は「日本にいながら海外留学」レベルの英語習得が可能な時代です。隣にいる外国人とつたなくとも話し、そして学習ツールとしてAIを活用し、果実を手に入れることが出来ます。

ここまで長文をお読みいただきありがとうございました!

英語学習に10年以上迷い続け、何度も沼にハマりながらも、ようやく「自分に合った習得法」が見えてきました。

もしあなたが今、英語に悩んでいるとしても、大丈夫。

抜け出すヒントは、きっとあなたの中にあります。

これからも、等身大の英語学習を一緒に続けていきましょう。

また進捗があったら、ここで報告しますね!

_____________________________________________________________________________

 

<エイミより>

発音は、英語習得の一分野にすぎません。

しかし一分野、一分野の丁寧な積み重ねこそが、「隣の外国人同僚・外国人患者」と私たちが適切に意思疎通ができるようになるただ一つの方法なんです。

“Baby step” その感覚で高潔に歩んでこられた先生の果実が、いままさに色づきを見せています。

大きな視点の転換点をご一緒に拝見させていただけたことは、私にとって本当に嬉しい瞬間でした。

H先生、素晴らしい共有を本当にありがとうございました!

 

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エイミ
医療英会話の発音とリスニングの専門家。学会発表、座長の英語、診療英会話、英検、OETなどのオンラインレッスンを提供中。20代後半から英会話習得をスタートし、最初は「センキュー」以外一言も話せない英語音痴でした。日本人にとっての理解しやすさを追求した解説と「トレーニングは楽しく!」が信条。ERオタク。University of Baguio, Associate in Hotel and Restaurant Management卒。TOEIC 935点。

詳しいプロフィールはこちらからどうぞ。