医療ドラマ英会話

【医療の英会話】「〇〇先生を呼ぶ、来てもらう」ネイティブはどう言う?

投稿日:2021年1月21日 更新日:

 

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エイミ

こんにちは!

医学英語発音コーチのエイミです。

 

ドクターの皆さんは「突然の呼び出し」が日常的にある方もたくさんいらっしゃると思います。

この

呼び出し

〇〇先生を呼び出す(連絡してすぐに来てもらう)

という表現、英語ではネイティブはどのように言うか、ご存知でしょうか?

医療現場では pから始まる単語 が超頻出で出てきます。

と言うことでこの記事では、pから始まる医療の「呼び出し」表現 のリスニングを、医療ドラマを使って皆さんと一緒にやってみたいなと思います!

 

動詞「必要だったら連絡する」をリスニング!

 

それでは最初に、ER から、医師から医師へ「何かあったら連絡するから」と声かけをしているシーンを見ていきたいと思います。

救えるはずだった患者さんが亡くなってしまったことで自責の念にかられるグリーン先生に、同僚のルイス先生が労りの言葉をかけている場面です。

 

エイミ

ルイス先生の「何かあったら連絡する」に

どんな単語が使われているのか、

一度聞いて、考えてみましょう。

ネイティブ同士の会話なのでとても速いのですが、

まずはチャレンジしてみることが大切です!

空欄部分にはどんな英語が入っているでしょうか?

 

◆【聞き取りにチャレンジ】1つ目

Dr. ルイス:帰って休んだ方がいいわ。

Maybe you should take some time off.

Dr. グリーン:大丈夫だ。

I’m okay.

Dr. ルイス:夜勤、休みなさいよ。代わりは見つけるから。もし手に余ったら誰かに連絡させるわ。

Take tonight off. I’ll get someone to cover for you. If_________________ I’ll ____________________.

【日本語吹替と英語音声を連続で】

 

エイミ

ゴリラ先生!

ルイス先生は「何かあったら誰かに連絡させる」と

言っているのですが

どう表現しているか、聞き取れましたか?

 

Dr.ゴリラ

めちゃくちゃ速いぜ…。

一回では聞き取れなかったけど

もう一回チャレンジしてみる!

 

今読んでくださっている皆さんも、ぜひネイティブの発音を2、3回繰り返して聞いて、粘って考えてみて頂ければと思います。

 

 

それでは答えです!

ルイス先生の「手に余ったら連絡する」の表現は、 

If we get in trouble I’ll have someone page you.

でした。

(◆「主語 have 人 do」  主語が人にdoさせる)

 

 

Dr. ルイス:夜勤、休みなさいよ。代わりは見つけるから。もし手に余ったら誰かに連絡させるわ。

Take tonight off. I’ll get someone to cover for you. If we get in trouble I’ll have someone page you.

【英語音声のみ】

 

 

エイミ

いかがでしたか?

「手に余ったら、何かあったら」は

“if we get in trouble”

「誰かに連絡させるわ」は

“I’ll have someone page you.”

でした!

 

病院施設で「〇〇先生を呼び出す」の意味でネイティブがよく使うpから始まる単語は、

page      

でした。

この「page」は、もとは「施設などで小間使いとして働く男の子」の意味する言葉です。

(女性向け洋服ブランドに「pageboy」っていうのがありますね。女性の方は聞いたことがあるかも?)

この男の子は仕事の一環で「人を呼びに走ったり、伝言を伝えたり」もしていたのだと考えられます。

そこから、 

● SB(人)を呼ぶ、急いで伝言を伝え、来てもらう = page SB

★ SB = somebody

という表現となりました。

 

もう一つ、page 誰々 の表現を別の医療ドラマからも見てみましょう。

 

Dr.ゴリラ

これも最初はリスニングにトライしてみましょう!!

 

◆【聞き取りにチャレンジ】2つ目

救急科医師:ケイシ―、胸部X線の準備を。それから(心臓外科医の)レイノルズをすぐに呼んで。

“Casey, I need a chest x-ray, and ___________________. I need him now.”

(「ニュー・アムステルダム」より)

【日本語吹替と英語音声を連続で】

 

さて、こちらも速いですがいかがでしょうか…。

もちろんpage 誰々 の表現が使われていますよ!

よーーーく聞いてから、下で答えをチェックしてみましょう!

 

「ケイシ―、胸部X線の準備を。それから(心臓外科医の)レイノルズをすぐに呼んで。」

 

“Casey, I need a chest x-ray, and I need you to page Reynolds. I need him now.”

 

でした!

(”and I need you” の聞き取りが意外に難しいですよね…!)

 

 

名詞の「呼び出し」をリスニング!

 

ここまで動詞の page(連絡してすぐに来てもらう)の使い方を見ていきましたが、では、名詞の「呼び出し」にあたる表現はどうなるのでしょうか?

ところで日本のお医者様は「呼び出し」をお受けになるにはPHSか、普通にスマホを使われている方が多いのかな?と思うのですが、アメリカでは今もポケベル(pager)が主流のようです。

◆ 「pager」(呼び出すもの、ポケベル)

Dr. ウィーバー:あの、ポケベルの届け物、なかったかしら?

Uh, did anyone turn in a pager?

◆ turn in   提出する、(忘れ物などを)届け出る

(ERより)

 

(2018年放映開始の「ニュー・アムステルダム」でも、ドクターたちはポケベルを使っています。)

 

エイミ

それでは

名詞の「呼び出し」の英語表現

ネイティブの発音を聞いて

確認していきましょう!

 

◆【聞き取りにチャレンジ】3つ目

Dr. フロム(精神科医):ポケベル見た。どうした?

___________________. What’s happening?

助手:ジェマが癇癪を起こして暴れました。

Jemma had an impulsive aggression episode.

(「ニュー・アムステルダム」より)

【日本語吹替と英語音声を連続で】

 

さて、これはわかった方も多いのではないでしょうか!

「page」、聞こえましたか?

 

答えを予想していただいたら、下へどうぞ!

 

ニュー・アムステルダムの精神科医、フロム先生の

「ポケベル(呼び出し)見た。どうした?」は、 

 

I got your page. What’s happening?

 

でした!

おわかりになりましたか?

 

Dr.ゴリラ

じゃ、今回ラストの page(呼び出し)

をネイティブの発音で聞いていこう!

ポケベルに入った呼び出しを

若い先生に何度も代わりに行かせていた

上の先生が、

先生、ご自分で行ってもらえます?

とチクリと言われてしまうシーンだよ。

 

◆【聞き取りにチャレンジ】4つ目

Dr. レイノルズいや、そういうんじゃなくて…。

Not like that. 

若い先生:まぁ(救急科に行きたくない理由は)何でも良いんですけど、次の呼び出しからはご自分で対応してもらえます?

Well, whatever it is, ____________________________?

(ニュー・アムステルダムより)

【日本語吹替と英語音声を連続で】

 

これは最後になかなか難しいです。

出来ましたら答えを予想してみてくださいね。

ヒントは…

最初は “May I” です。

 

Dr.ゴリラ

メァ」みたいにしか聞こえないけど

これ May I なんですよ…。

May I = メァ。

英語の発音は省略がスゴイですよ…!

 

それでは答えです。

 

 

「まぁ何でも良いんですけど、次の呼び出しからはご自分で対応してもらえます?」

 

Well, whatever it is, may I suggest you start answering your own pages?

 

 

それでは、page(名:呼び出し  動:緊急で呼び出す)のご紹介は今日はここまでです!

 

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今回のまとめ

今回は、医療現場で頻出する「呼び出し」の英単語 “page” のネイティブの使い方を、ドラマの台詞から5つご紹介しました。

実はこの「page」は、私は ER を見ながら「よく出てくるなぁ」と思っていたものの、「古いドラマだからこんな言い方をしているのかも(ポケベル使ってるし…)」と少し思っていたんです。(ポケベルがみそです。)

しかし最近ニュー・アムステルダムを見始めたら、相変わらず先生たちは皆ポケベルを胸ポケットでピピピピピと鳴らしているし、相変わらず page を連呼しているので、

今でも page は現役なんだね(ポケベルも)

と確信を持ったわけでした。

医療ドラマを観ていたらとてもよく出てきますので、ぜひ耳を澄ませて聞き取ってみて頂ければと思います。

 

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エイミ
医療英会話の発音とリスニングの専門家。ER先生。舌トレ先生。英検先生。
20代後半から英会話習得をスタートし、最初は「センキュー」以外一言も話せない英語音痴だった。日本人にとっての理解しやすさを追求した解説と「トレーニングは楽しく!」が信条。ERが大好き。University of Baguio, Associate in Hotel and Restaurant Management卒。TOEIC 935点。

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