ポッドキャスト 医療ドラマ英会話

【第121回】診療英会話〜検査終了後の「着替えてください」どう言う?

投稿日:

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/

(アイコンをクリックで登録画面へ移動します)

 

 

今回は ER から、肺がん疑いの患者さん、パーカーさんと医師のスーザンとの最初の問診の会話をご紹介します。

15秒ほどの会話を全体的に学習していきますが、最後にスーザンが「どうぞ、服を着てください(検査着から着替えてください)」と患者さんに声をかけるところがあります。

ネイティブは「着替えてください」を英語でなんと言うのでしょうか。

学習していきましょう。

 

Dr.ナミ

ラジオは通常速度で10分54秒ニャ。
早く聞きたいあなたは倍速などでどうぞ!

アップルポッドキャスト、グーグルポッドキャストからも「エイミ」で検索!

 

ERの診療場面でリスニングチャレンジ!

エイミ

こんにちは!

医学英語発音コーチのエイミです。

 

最初に ER から会話を聞いて頂き、何を話しているのかを考えてみましょう。

今回の患者さんは、血痰や体重減少を訴えて来院した男性、パーカーさんです。

写真撮影後らしく検査着のままベッドに腰かけているパーカーさんに、スーザンが問診を始めます。

それでは、どうぞ。

 

◆ リスニングチャレンジ「詳しいことは~でわかりますから。」

 

ネイティブの発話なのでとても難しいですが、2回、3回と聞き返して、出来るだけ頑張ってみてください!

ポイントとなりそうな部分としまして、

「~が出来たら詳しいことがわかりますから。」

「タバコはどのくらい吸いますか?」

「それはいつからですか?」

「お洋服をどうぞ。」

を、Dr. ルイスは英語で何と言っているでしょうか? 

出来るだけ頑張って聞いていただけたら、下で答え合わせをしましょう!

 

 

◆ 答え

Dr. ルイス:レントゲン写真が出来上がったら詳しいことがわかりますから。タバコはどのくらい吸いますか?

We’ll know more when we have the x-rays. How much do you smoke?

パーカーさん:一日に2箱。3箱の時もあります。

Two, three packs a day, sometimes.

Dr. ルイス:はい、それはいつからですか?

Um-hmm. How long have you been doing this?

パーカーさん:えーと…14歳からですかね。

S-since I was about fourteen, I guess.

Dr. ルイス:もうやめないと。

You really should stop that.

パーカーさん:そうですよね。

Yeah, I know.

Dr. ルイス:[ポケベルが鳴り、表示を確認する。]ちょっと失礼します。服をどうぞ。

Excuse me. You can put your clothes back on.

 

答えはこんな感じでした!

少しでも聞き取れたあなた、素晴らしいです。

ただここで終わらせたらもったいないです!

もう少し突っ込んで学習すればもっともっと英語が聞き取れるようになるので、もう少しだけ頑張りましょう!

 

今回の学習ポイント

 

それでは学習ポイントをまとめます!

 

Dr. ルイス:レントゲン写真が出来上がったら詳しいことがわかりますから。タバコはどのくらい吸いますか?

We’ll know more when we have the x-rays. How much do you smoke?

パーカーさん:一日に2箱。3箱の時もあります。

Two, three packs a day, sometimes.

太字部分は強く、細字部分は弱く発音されています。灰色文字はほぼ、もしくは全く発音されていません。

We’ll know more when we have the x-rays.”「レントゲン写真が出来上がったら詳しいことがわかりますから。

この台詞、“We’ll know more (when we…).” は、ERで何度も見かけることがあり、診療場面での定型的表現の一つです。

例として他に以下のような台詞があります。

・We’ll know a lot more when we get your test back.「(~の疑いがありますが、)検査結果が戻れば詳しくわかりますので。」

・We’ll know more in a few days.「(新生児に脳障害が生じたかどうかの見通しは、)数日でわかります。」

 

Dr.ナミ

「(しっかり)分かる」We’ll know ではなく

「より良く分かる」We’ll know more

であるところが、ポイントじゃないかニャ。

 

 

Dr. ルイス:はい、それはいつからですか?

Um-hmm. How long have you been doing this?

パーカーさん:えーと…14歳からですかね。

S-since I was about fourteen, I guess.

“How long have you been doing this?「それはいつからですか?

「いつから?」と質問をする時、患者さん本人を主語にして “How long have you been…” という表現が良く使われます。ほかに症状や痛みの方を主語にして “When did your headaches start?” のように言うこともあります。

 

Dr.ナミ

“How long?” に対してのお返事は

・Since I was 14.

・It was after Christmas.

・It started last week.

などなどがあるニャ!

 

“How long” は実はリスニングの難しいチャンクです

発音面からは、”How long” がややあいまいに聞こえます。ネイティブの自然な発話では、私たち日本人は “How long” が聞き取りにくいことが多いです。

これは How が h音の弱まりにより「アウ」のように聞こえることがあること、そして long の母音 [ɔ] はとても音程が低く、また短く発音されることが多いためです。リスニング練習の際にはその意識を持ち、hの脱落や [ɔ] の低音に耳を慣らして聞いていくことが大切です。

How long

アゥ↓ロン↓

“doing” の聞こえ方。ing は「イング」ではありません。

ネイティブが動詞に “ing” を伴って発音する時、「~イング」と聞こえることはまずありません。非常に省略的な発音になり、「ウン」のようにしか聞こえません。そのため “doing” はドゥーウン のように聞こえています。

How long have you been doing this?

アゥ↓ロン ァv ユビン ドゥーウン ディス?

 

Dr. ルイス:もうやめないと。

You really should stop that.

パーカーさん:そうですよね。

Yeah, I know.

Dr. ルイス:[ポケベルが鳴り、表示を確認する。]ちょっと失礼します。服をどうぞ。

Excuse me. You can put your clothes back on.

● ネイティブの “Excuse me.“ は「エクスキューズミー」ではありません

Excuse me. は最初のエクが省略され、skyuz me、スキューズミー と発音されることが多いです。

“You can put your clothes back on.「どうぞ、着替えてください。

“put one’s clothes on” で「服を身に着ける」。検査着からご自身の服に着替えてもらうというのは もともと着ていた服をまた着直す ということなので、”戻す” を意味する副詞、”back” がくっついています。 “put one’s clothes back on” 「(元々着ていた)服を着る」「(元の服に)着替える」。 

 

今回の内容をポッドキャストでもどうぞ!

Dr.ナミ

ラジオは通常速度で10分54秒ニャ。
早く聞きたいあなたは倍速などでどうぞ!

アップルポッドキャスト、グーグルポッドキャストからも「エイミ」で検索!

 

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/

(アイコンをクリックで登録画面へ移動します)

 

 

今回のまとめ

今回は ER を使ったレッスンの一部をご紹介しました。

特に学習ポイントとなりそうな部分をまとめます。

<英語表現>

We’ll know more when we have the x-rays.”「レントゲン写真が出来上がったら詳しいことがわかりますから。

“We’ll know more (when we…).” は、ERで何度も見かけることがあり、診療場面での定型的表現の一つです。

“How long have you been doing this?「それはいつからですか?

“You can put your clothes back on.「どうぞ、着替えてください。

<発音>

How long have you been doing this?

アゥ↓ロン ァv ユビン ドゥーウン ディス?

How long の long は日本人が会話に使用しないレベルの低音で発音されることが多いため、聞こえにくいです。ing は「ウン」と発音されます。

● ネイティブの “Excuse me.“ は「スキューズミー」。

Excuse me. は最初のエクが省略され、skyuz me、スキューズミー と発音されることが多いです。

英語が話せるようになるためには、「表現を覚えて、ネイティブが実際にそれをどう発音しているのかをしっかり聞いて、自分でも同じように発音して、マスターする」というのが一番いいのではないかなと私は思っています。

私は発音オタクであり、リスニングオタクであり、海外医療ドラマオタクなので、医療表現のストックはかなり揃ってます!

医療英会話を勉強されたい方、無料メルマガ講座でもいろいろ発信していますのでよければ↓からメルマガへご参加ください。

また一緒に英語学習しましょう!

 

-ポッドキャスト, 医療ドラマ英会話

執筆者:

関連記事

【第89回】The Resident 型破りな天才研修医 第一話で英語学習 3

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     今回は The Resident というアメリカの医療ドラマの第一話 で英語学習してい …

【第22回】医療的文脈での「his system」意味と使い方

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     エイミ こんにちは! 医学英語発音コーチのエイミです。   “T …

【第38回】大動脈解離の術後ブリーフィングを ER で練習【2】

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     エイミ こんにちは! 医学英語発音コーチのエイミです。   今回は「ER の …

【第20回】ネイティブの「When do l」は聞き取りがめっちゃ難しいの巻

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     エイミ こんにちは! 医学英語発音コーチのエイミです。   今日は、アメリカ …

【第47回】五十嵐カノア選手の五輪英語インタビューが勉強になり過ぎる 前編

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     エイミ こんにちは! 医学英語発音コーチのエイミです。   今日私は、東京オ …

最新記事

  1. 通じないカタカナ医学英語 まとめ【1】
  2. 【医療の英会話】「~が考えられる」「の可能性がある」動詞 suggest の使い方
  3. 【第123回】”them” “that” “there” は「ゼム」「ザット」「ゼア」じゃない! 英語リスニング攻略法
  4. 40代ずぼら英会話【7】王道教材を使い倒せ!NHKラジオビジネス英語学習法
  5. 【第15回】リスニングクイズ!「sink」と「think」聞き分けられる?
  6. 【第102回】診療英会話〜再診患者さんへ「どうですか」英語でどう言う?
  7. zoom レッスンの始め方
  8. 【第79回】「SGLT2」と腎臓組織の英語の発音
  9. 【第17回】”Didn’t” は「ディドゥント」じゃない!英語の発音・リスニング攻略法
  10. 【第115回】3つのアの練習- gram と drug のアは違う音です!
  11. 【ERで学ぶ医療英会話】頭部と頸部の触診1【英語丸ごと解説】
  12. 【第8回】英語の学会発表 ~理想の準備の進め方~
  13. おっさん頑張れ!40代ずぼら英会話【2】「英語耳」は発音学習の白地図である
  14. 【第97回】小学5年生の生徒さんへのサッカー英会話レッスン1
  15. 【第91回】医学論文の TAKE-HOME MESSAGE で英語の発音練習1
  16. 英検1級受験記【2】英作文・エッセイの「難キーワード」まとめ No. 1
  17. 【学会レポ】Vol. 7 ourの発音は『アー』の巻
  18. 【第133回】シュワと「舌先を使わないダークL」は何が違うのか!
  19. 【生徒さんの声】留学経験ゼロから英語で学会発表が出来るように!
  20. 【学会レポ】座長編 英語の例文「質疑応答をコントロールし、セッションを締めくくる」
  21. 40代ずぼら英会話【4】海外ドラマで英語学習1:「最初の準備」に成功のコツあり
  22. 【第55回】患者さんへ術後の回復過程説明を英語で 前編
  23. 【第143回】「便秘」「お通じ」の英語表現! bowel「腸」はボーエルではありません
  24. 【第139回】医学論文を音読!「ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬」の回
  25. 【ERで学ぶ医療英会話】開放骨折の緊急対応2【英語丸ごと解説】
  26. 【生徒さんの声】日々の診療で自信を持って英語で説明できるようになりました
  27. 【第38回】大動脈解離の術後ブリーフィングを ER で練習【2】
  28. 【医療の英会話】「〇〇先生を呼ぶ、来てもらう」ネイティブはどう言う?
  29. 【学会レポ】Vol. 4 ダビンチの発音は「チ」が大事
  30. 「そのため、~(病名)だと考えました」【ER】症例検討会の英語表現 発音も解説【2】
エイミ
医療英会話の発音とリスニングの専門家。英検、OET、学会発表、外来での診療英会話、舌トレなどのオンラインレッスンを提供中。20代後半から英会話習得をスタートし、最初は「センキュー」以外一言も話せない英語音痴だった。日本人にとっての理解しやすさを追求した解説と「トレーニングは楽しく!」が信条。ERが大好き。University of Baguio, Associate in Hotel and Restaurant Management卒。TOEIC 935点。

詳しいプロフィールはこちらからどうぞ。