ポッドキャスト

【第17回】”Didn’t” は「ディドゥント」じゃない!英語の発音・リスニング攻略法

投稿日:2020年11月17日 更新日:

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/

(アイコンをクリックで登録画面へ移動します)

 

 

エイミ

こんにちは!

医学英語発音コーチのエイミです。

 

今回は、日本人が全然聞き取れない基礎単語の一つ、”Didn’t” のリスニング&発音練習 を、米ドラマ「ER」のワンシーンを使い、ラジオで皆さんと一緒にワークしてみたいと思います。

 

Dr.サトシ

ラジオは通常速度で14分54秒だよ。

早く聞きたいアナタは倍速などでどうぞ!

 

 

1.Anchor

2.アップルポッドキャスト   

「エイミ」で検索してください!

3.Google Podcasts

 

「didn’t」(過去形の否定語)なんて、「ディドゥント」じゃなかったらどう読むんだよ…?

って思いますよね。

実はネイティブは、ある音をばっさり簡略化して「didn’t」を発音をしています。

彼らはどこの音を省いてしまうのでしょうか?

まずは実際にリスニングしてみましょう!

 

「didn’t」を海外ドラマでリスニング&発音練習【1】

 

医療ドラマ ER から、ネイティブの「Didn’t」の発音を2つ チェックしましょう。

文章の中から「didn’t」の部分に耳を集中させ、よーーく聞いてみてくださいね!

 

(ERより)

父:彼女が好きだ。一緒にいると楽しいんだよ。それがお前に気まずい思いをさせているなら、申し訳ないな。

I like her, Mark. She makes me happy. And I’m sorry if that makes you unhappy.

息子(Dr. グリーン):父さん、そんなことは言ってないよ。

I didn’t say that, dad.

【日本語吹替と英語音声を連続で】

 

エイミ

さて、サトシ先生!

「didn’t」はどんな感じに聞こえましたか?

 

Dr.サトシ

うーん…。

なんだこりゃ!!

よくわかんなかったけど、

とりあえず「ディドゥント」とは

全然聞こえないね。

なんだろ…。

なんか、「アイ リンン セイザッ ダァッ」みたいな…。

「ディ」が聞こえるはずなのに全然聞こえない、

みたいな感じがする!

 

エイミ

そうなんです。

「did」のところで

「ディドゥ」と聞こえるはずなのに、

全然聞こえないですよね?

その耳の感覚、正しいです。

その証拠に、もう一つ

ネイティブの別の「Didn’t」を聞いてみましょう!

 

 

「didn’t」を海外ドラマでリスニング&発音練習【2】

(ERより)

Dr. ケイスン:私は(急変した患者さんの元へ)もう向かっているところだった!

I was on my way.

Dr. ルイス:(先生と連絡が取れませんでしたので)そうとは知りませんでした。

I didn’t know that.

救急科部長:二人とも、落ち着いて。教育カンファレンスなんだぞ。

People, please. This is just a teaching session.

【日本語吹替と英語音声を連続で】

 

Dr.サトシ

ん!

こっちの方は

最初の「ディ」はちょっと聞こえたかな!?

でも「ディドゥ」の「ドゥ」はやっぱり

聞こえなくて…

アイ ディンン ノウ ザァッ

みたいな…。

 

Dr.サトシ

待って!

どーして「didn’t」が

リンン

とか

ディンン

みたいに聞こえるの?

「ドゥ」はどこ行ったの!?

僕の耳が悪くて聞き取れてないのかな!?

 

エイミ

いえ、didn’t は確かに

先生が聞き取られた音で発音されているんです。

didn’t の発音は、

リンン もしくは ディンン 

のような音なんです!

 

didn’t → 発音は「dinnt」→ ディンン

または最初のDも弱くなって「linnt」→ リンン

 

つまり、最初のDも、次のDも、ほとんど発音されていないんですね。

なぜそんなことになるのか、簡単にご説明したいと思います!

 

「Didn’t」のDがLに近くなるわけ

 

エイミ

サトシ先生、突然ですが、

「ディ」と言った後に「リ」

と言ってみてください!

発音する時の舌先の位置が

同じだということがわかるでしょうか?

 

Dr.サトシ

うーんと、「ディ(di)」。

「リ(li)」。

うん、舌先の位置、同じだね。

 

 

 

エイミ

didn’t を発音する時に

dの舌を弾く動きを弱くすると、

di(ディ)は li(リ)に近づいて聞こえます。

さらにアメリカ英語では、

「dn(ドゥン)という音の並びの時は

d の舌先を弾く動きはサボっても良い」

(ドゥン → 弾かず「ンン」でOK!)

という暗黙のルールがあるため、

didn‘t の二つ目のdは当たり前のように発音されません。

 

Dr.サトシ

なんじゃそりゃ!!

 

didn’t → 最初のdi は舌先の動きを弱くすると「di」と「li」の中間のような音に聞こえ、次のdは後ろにnが続くので発音自体省略します。(米英語のルール)

単語末のtも省略されます。(こちらも米英語のルール)

→「dinnt」→ ディンン、リンン

 

エイミ

なんじゃそりゃなんですけれど、

そういうことになっているので、

私たちの方が慣れていくしかないかなと!

気を取り直して、真似して発音してみましょう。

そうしたら聞き取りもしやすくなりますよ!

 

【真似して発音チャレンジ!】I didn’t を「アイリンン」「アイディンン」と発音してみましょう!
(「ンン」は舌先を前歯の後ろに必ず置いてね!)

(ERより)

父:彼女が好きだ。一緒にいると楽しいんだよ。それがお前に気まずい思いをさせているなら、申し訳ないな。

I like her, Mark. She makes me happy. And I’m sorry if that makes you unhappy.

息子(Dr. グリーン):父さん、そんなことは言ってないよ。

I didn’t(リンン) say that, dad.

【日本語吹替と英語音声を連続で】

 

(ERより)

Dr. ケイスン:私は(急変した患者さんの元へ)もう向かっているところだった!

I was on my way.

Dr. ルイス:(先生と連絡が取れませんでしたので)そうとは知りませんでした。

I didn’t(ディンン) know that.

救急科部長:二人とも、落ち着いて。教育カンファレンスなんだぞ。

People, please. This is just a teaching session.

【日本語吹替と英語音声を連続で】

 

 

それでは、ラジオで一緒に発音練習していきましょう!!

 

 

1.Anchor

2.アップルポッドキャスト   

「エイミ」で検索してください!

3.Google Podcasts

 

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!!/

(アイコンをクリックで登録画面へ移動します)

 

 

今回のまとめ

昔の私のように、多くの日本人の方は、「didn’t」は「ディドゥント」と発音されるはずだ、と思っていると思います。

でも実際は、ネイティブはDの発音を弱化していて、

「リン」または「ディン」

のように聞こえることがとても多いです。

(非常に速い発話では「」しか聞こえないこともあります。)

予想していた音と実際に聞こえてきた音があまりにかけ離れていると、「私の耳がおかしいのかな…」と不安になってしまうこともありますよね。

しかしほとんどの場合は、皆さんの耳は正しいです。

ですので、聞こえた音の方を正解と考え、「どうしてそう聞こえるのか?」を突っ込んで考えていくと、英語の発音の謎は解けることが多いです。

今回一緒に学習してくださった皆様、お疲れ様でした!

記事下にあるメルマガで、医療英会話・医療英語の発音の無料学習講座を開講しています。興味のある方は、よければフォローしてみてください。

それではまた一緒に英語学習しましょう!

 

-ポッドキャスト

執筆者:

関連記事

【第26回】「大動脈瘤の最先端治療を行っています」ER で発音練習

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     エイミ こんにちは! 医学英語発音コーチのエイミです。   今回は、米ドラマ …

【第24回】オーストラリア英語の聞き取り練習(TOEICとERで解説)

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     エイミ こんにちは! 医学英語発音コーチのエイミです。   今日は オースト …

【第114回】診療英会話〜再生不良性貧血の患者さんへ「病気の疑い」を伝える

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     今回は ER から 「身体がだるい」という訴えで来院した女性とお医者さんの会話 をご紹 …

【第100回】英検準1級のリスニング問題演習 2

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     今回は 英検準1級のリスニング問題で英語のリスニング対策をしつつ、同時に日常英会話の「 …

【第8回】英語の学会発表 ~理想の準備の進め方~

  エイミ こんにちは! 医学英語発音コーチのエイミです。   今回は、メルマガ読者様からいただいたご質問、「英語の学会発表の準備は、いつからどのように進めていけばよいか、手順やタ …

最新記事

  1. 40代ずぼら英会話【4】海外ドラマで英語学習1:「最初の準備」に成功のコツあり
  2. 【第51回】キング・カズこと三浦知良選手のレジェンドな半生を英語で
  3. 【第162回】「back」は「背中」じゃない!「hip」は「おしり」でも「股関節」でもない!
  4. 「mg/m2」を英語で正しく読もう!【ERで解説】
  5. 【第124回】”transcatheter”(経カテーテル)の発音練習
  6. 【第72回】発音に要注意!parameter は「パラメーター」じゃないですよ
  7. 私が5000時間の英語学習を続けて思う「仲間の大切さ」 2
  8. 【第139回】医学論文を音読!「ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬」の回
  9. 【英語の発表フレーズ】ネイティブが使う talk about 以外の5つの表現
  10. 【第98回】人工透析患者さんとお医者さんの会話
  11. 【第56回】患者さんへ術後の回復過程説明を英語で 後編
  12. 【第126回】医療の英語表現「胆嚢」「カローの三角」をドラマで学習しよう!
  13. 【第22回】医療的文脈での「his system」意味と使い方
  14. 穿刺針やカテーテルを「入れる」ネイティブが使う動詞5つ  まとめ
  15. 【胆嚢】ネイティブの『gallbladder』をリスニングチャレンジ!
  16. 【医療者の英語表現】「末期」は terminal だけじゃない! ネイティブは〇〇をよく使う
  17. 【腹膜の英語】peritoneum、peritoneal の発音はこれで完璧だ
  18. 【生徒さんの声】日々の診療で自信を持って英語で説明できるようになりました
  19. 【第106回】座長の英語例文「セッションを予定の時間で進行させる」
  20. 【タキサン系薬剤3種類】を英語で正しく発音しよう!
  21. 私がドクターにおすすめしたい&おすすめしない英語学習向け海外ドラマ まとめ
  22. 【第80回】ER で英語学習 術後の患者さんに関する医師とナースの会話
  23. 【第101回】医療の英語表現〜解放骨折とCT撮影
  24. 【atypical】を アティピカル と読んでいる人、間違ってますよ!
  25. 【第86回】of の前後が長い時の切り方。リンキングなしで自然に発音するコツ
  26. 【学会レポ】座長編「外国人の読めない名前をなんとか発音する方法」
  27. 【ERで学ぶ医療英会話】開放骨折の緊急対応2【英語丸ごと解説】
  28. コロナウイルス関連の論文が検索できる!『ludwig』を使いませんか
  29. 「医師による英会話学習成功談・失敗談」寄稿記事一覧
  30. 「nm、mm、cm、mm3、μm」の英語の発音をわかりやすく
エイミ
医療英会話の発音とリスニングの専門家。学会発表、座長の英語、診療英会話、英検、OETなどのオンラインレッスンを提供中。20代後半から英会話習得をスタートし、最初は「センキュー」以外一言も話せない英語音痴でした。日本人にとっての理解しやすさを追求した解説と「トレーニングは楽しく!」が信条。ERオタク。University of Baguio, Associate in Hotel and Restaurant Management卒。TOEIC 935点。

詳しいプロフィールはこちらからどうぞ。