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【第137回】「CT、X線に写らないことがある」英語でどういう?

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今回はERから診療英会話のフレーズ学習をしていきます。

テーマ

「X線写真に写らない病変もあります」

「CTに写らないこともあるんです」

を英語でどういう? です。

 

Dr.ナミ

ラジオは通常速度で11分04秒ニャ。速く聞きたいあなたは1.5倍速などでどうぞニャ!

 

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「頭部に出血は見られません」を英語で

エイミ

こんにちは!

医学英語発音コーチのエイミです。

 

先日、生徒さんのナミ先生から、このようなご質問をいただきました。

 

Dr.ナミ

X線の所見は小さい、もしくは見当たらない

しかし症状は強い。という患者さんに、

「写真に写らない時もあるんです」

と言いたいことがありますニャ。

この間、外国人患者さんにそれを言いたかったんだけど、

英語で上手く言えず、

なぜ?どうして?と突っ込まれ、大変だったのニャ。

こんな時、英語で良い言い方はないかニャ?

 

あぁ~、そういうことってあるよねぇ… と思ってくださった先生は、ぜひこのまま、この記事とポッドキャストを体験していただければと思います。

ERの「脳出血はCTに映らない場合もあります」から始まる診療英会話で、ともに学習していきましょう。

本日の場面はこんな感じです。

患者さんは、53歳男性、ウォルターズさん。階段から落ち、頭を強く打って救急搬送されてきました。

 

担当する先生は、救急医の Dr. サイモン・ブレナーと、コンサルのために呼ばれた外科の Dr. ニーラ・ラスゴートラです。

 

こちらは ER のシーズン15、第一話が始まってから15年も後のシーズンに収録されているエピソードです。

ブレナー先生はオーストラリア人ラスゴートラ先生はイギリス人のため、オーストラリア英語やイギリス英語のアクセントに親しまれたいお医者様には、とても良いシーズンとなっています。

さて、患者のウォルターズさんは「朝からひどい頭痛があり、ふらついて階段から落ちた」ということでしたので、二人の先生は、まず頭部CT撮影を行いました。

その結果、CTでは脳出血は見られませんでした。

そのことを患者さんに説明している台詞から聞いていきましょう。

ドラマの中の台詞で聞き取りは大変難しいですが、一度、リスニングにチャレンジしてみてください!

 

◆ リスニングチャレンジ1「頭に出血はありません」

 

いきなりものすごく聞き取りにくい台詞で、申し訳ありません。

日本語訳もヒントにして、一単語でも良いので、拾ってみていただければと思います。

それでは答えです!

 

 

Dr. ブレナー:ウォルターズさん、頭は大丈夫です。出血はありません。

Head looks good, Mr. Walters. (There’s) No bleeding.

ウォルターズさん:[近くにいた娘婿を見て] お前はここにいなくていいよ。

You didn’t need to stay for this.

ウォルターズさんの娘婿のジェイ:ええ、でも、いさせてください。

I know. I wanted to.

 

このようなことを言っていました。

一単語でも聞き取れらた先生、素晴らしいです。

ここでは

「頭は大丈夫です。出血はありません。」

Head looks good, Mr. Walters. (There’s) No bleeding.

という表現を学習できればと思います。

~ looks good. で、「~に異常は見られません。」となります。

とても簡単な言い方なので、使いやすいかと思います。

また、英語では基本的に個人名をばんばん呼んでいきますので、患者さんに話しかける際、頻繁にお名前を付けます。

 

「ご気分はいかがですか」を英語で

ここへラスゴートラ先生がCT室へやってきました。

別の患者さんを乗せたストレッチャーを引いていますが、ウォルターズさんに話しかけ、ブレナー先生とも会話をします。

聞いていきましょう!

 

◆ リスニングチャレンジ2「ご気分いかがですか」

 

こちらも聞き取りにくいですが、

ニーラ(ラスゴートラ先生)が「ご気分いかがですか?

続いてウォルターズさんが「頭がものすごく痛いよ」、

最後にブレナー先生が「でもCTで異常なしだ

と言っていますので、和訳をヒントにして考えてみられてください。

それでは答えです!

 

 

Dr. ラスゴートラ:こんにちは、えーとお名前は…

Hello, Mr. …

Dr. ブレナー:ウォルターズさんだ。

Walters. 

Dr. ラスゴートラ:ご気分はいかがですか?

How (are) you feeling?

ウォルターズさん:頭が割れそうに痛い。

My head’s killing me.

Dr. ブレナー:でもCTは異常なしだ。

But, the, uh, CT’s clear.

Dr. ラスゴートラ:出血無し?浮腫も?

No bleed? No edema?

 

こちらからは、次の3つの表現を学習出来ればと思います。

「ご気分はいかがですか?」 How are you feeling? は are がよく省略され、ハウユフィーリン?と発音されます。

How (are) you feeling?

「頭が割れそうに痛い。」 ~ is killing me. で「どこどこがものすごく痛い」という意味になります。

My head’s killing me.

「でもCTは異常なしだ。」 The CT is clear. で「CT画像はきれいだ、異常なしだ」という意味になります。最初の Head looks good. と一緒に使えそうですね。

But, the, uh, CT’s clear.

 

「CTに写らないこともあります」を英語で

このあとブレナー先生は、ラスゴートラ先生から、「くも膜下出血だといけないから、念のために腰椎穿刺をして確認したほうがいいと思うとアドバイスされます。

 

 

最初は「そこまでしなくても」と拒否するブレナー先生ですが、「くも膜下であれば強い頭痛などの説明がつくとニーラに言われ、患者さんの家族に腰椎穿刺を勧めようと考えます。

ここでブレナー先生がご家族に「脳出血はCTに写らないこともあります」と説明をします。

今回の最後の会話を聞いてみましょう!

 

◆ リスニングチャレンジ3「脳出血はCTに映らないことも」

 

こちらも聞き取りはものすごく難しいです。

ブレナー先生の台詞が、一単語でもおわかりになったら、素晴らしいです。

 

答えです!

 

 

Dr. ブレナー:脳出血はCTに写らない場合もあります。より精密な検査として、脊柱管に針を刺して、髄液を採取する検査があります。(検査室が)その中に赤血球を見つければ、出血していることになります。

Sometimes there can be a head bleed which we can’t see on CT. A more sensitive test is to place a small needle into the spinal canal and remove some fluid. If the lab find red blood cells then we know there’s a problem.

◆There can be…   〜の場合がある。〜の可能性がある。Sometimes there can be… で、 時々、〜である場合がある。

◆ bleed 「出血」は数えられるということで、可算名詞。

◆ canal /kənǽl/  運河。導管。spinal canal で 脊柱管。

娘婿のジェイ:その検査のリスクは?

What are the risks?

Dr. ブレナー:主なものとして、感染症と出血がありますが、しっかりと注意を払います。

Infection and bleeding are the main ones, but we’ll take precautions to avoid both.

◆ infection「感染」は、可算、不加算、両方で使える名詞です。今回は「感染状態」で不加算。

bleeding「出血状態」は数えられないということで、不加算名詞。

◆ take (a) precaution(s)  予防策を取る。万一に備える。

 

ということで、「CTに写らないことがあります」の今回の表現は、

Sometimes there can be a head bleed which we can’t see on CT.

でした。

Sometimes there can be… で、 「時々、〜が存在する場合があります」と表現することができます。

「~はX線写真に写らないことがあります」は、

Sometimes there can be ~ which we can’t see on X-ray.

また、「X線、CTに写る」の意味でよく使われる「show up」を使って、

「~はCT、X線に写らないことがあります」

Sometimes ~ doen’t show up on CT/X-ray.

とも言えると思います。

ここまでのERの台詞を、よろしければ、ポッドキャストで私と一緒に練習しましょう!

 

Dr.ナミ

なるほど、次から英語でこう言ってみるニャ!

でも、ちゃんと練習しておかないと、英語って

びっくりするほど口から出てこないニャ。

だから「ふむふむ、そうか」で終わったら

結局いつまで経っても、話せないままニャ。

ぜひ一緒に練習しましょうニャ!

 

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今回のまとめ

今回は、生徒さんのナミ先生からのご質問、

「X線、CTに写らないこともあるんです」

ということを伝える時、英語でどう言えばいいかについて調べた内容をまとめました。

ご紹介したウォルターズさん治療場面は、頭部CT(出血写らず)→腰椎穿刺(赤血球が混ざっていた)→MRA(動脈瘤からのごくわずかなリークが見られた)→動脈瘤クリップ手術(成功)と、加療の行程が非常に緻密に描かれているエピソードとなっています。

日本人医療者様に参考にしていただけそうな台詞がたくさんある場面ですので、またいろいろと英語表現をご紹介できればなと思います。

私は無料メルマガでも「医療英語を話す・聞く」の情報を発信しています。

英語に興味のある先生は、よろしければ記事下のフォームから参加なさってみてください。

それではまた一緒に英語学習しましょう!

 

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エイミ
医療英会話の発音とリスニングの専門家。ER先生。舌トレ先生。英検先生。
20代後半から英会話習得をスタートし、最初は「センキュー」以外一言も話せない英語音痴だった。日本人にとっての理解しやすさを追求した解説と「トレーニングは楽しく!」が信条。ERが大好き。University of Baguio, Associate in Hotel and Restaurant Management卒。TOEIC 935点。

詳しいプロフィールはこちらからどうぞ。