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【第151回】「ヒー」と “He”、「フー」と “Who” は、違う音!英語のH脱落の理由も解説します

投稿日:2025年1月31日 更新日:

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多くの英語ネイティブは子音Hを発音しない

エイミ

こんにちは!

医学英語発音コーチのエイミです。

 

現代の英語ネイティブ、特にアメリカ英語話者の多くは、子音Hをあまり発音しません。

映画マイ・フェア・レディの主人公であるイギリスの下町娘イライザは、heard を「アード」、him を「イム」と発音し、音声学者のヒギンズ教授に

「Hをちゃんと発音しなさい!」

と、猛特訓されます。

ヒギンズ教授はろうそくに火をつけ、イライザへ、

「この炎を見ながら練習しよう。きみがHを正しく発音すれば、火は揺れる。しかし、Hを落とすと、炎は揺れない。私がやってみるから、よく耳を澄まして、聞くんだよ。」

と言い、お手本を見せます。

 

「ハートフォードと、ヘレフォードと、ハンプシャーでは、ハリケーンは滅多に起こらない。」

“In Hartford, Hereford and Hampshire huricanes hardly ever happen.”

 

ヒギンズ教授がHを発音するたび、ろうそくの炎は大きく揺れます。

しかし、イライザはHを落とす(発音しない)ので、炎が全然揺れません。

 

 

イライザのように、ハ・ヒ・フ・ヘ・ホの H を発音しないネイティブは、ものすごくたくさんいます。

なぜ英語ネイティブの多くは子音Hを発音しないのでしょうか?

日本語の「ハヒフヘホ」の子音を理解すれば、その理由が見えてきます!

 

子音Hは発音するのがしんどい音

日本語のハ行のうち、ハ・ヘ・ホは、英語の ハ行と同じく、子音 /h/ です。

日本語のハ・ヘ・ホから母音を抜き、息だけで発音すると、子音 /h/ になりますので、この「息だけでハ・ヘ・ホ」を、ぜひ正しくやってみてください。

そうするとわかるのですが、発音するのがかなりしんどい音です。

子音Hは

「声門を使い」

「無声音(声を出さない音)」

であることが特徴の音、無声声門摩擦音(むせいせいもんまさつおん)です。

口の中の広い空間に息をすばやく通過させないと発音出来ません。

ハ・ヘ・ホの3つに対し、日本語の「ヒ」と「フ」は、口内空間をHより狭くして発音するため、音声学的には「Hとは違う音」として区別されます。

私たち日本人は、おそらく無意識のうちに、発音しやすいように子音を微妙に調節して「ヒ」と「フ」を発音しているんじゃないかなと思います。

しかし、英語のハ行は /h/ しかありません。

そのため、少々言いにくくても、正しくは H で発音しないといけないわけですが、それが「言いにくいので発音しなくても良い」という方向に変わっていったのではないかなと、私は考えています。

 

日本語の「ヒ」の子音は /ç/!

日本語の「ヒー」と英語の He の違いを比較し、英語の発音を聞いてみましょう!

● 日本語の「ヒー」/çiː/ と英語の He /hiː/ は違う音!

・日本語の「ヒ」(無声硬口蓋摩擦音)は、舌の中央と上あごの距離を非常に狭くしますが、英語の He は、これほど狭くしません。

・日本語の「ヒ」の子音 /ç/ にアイウエオを付けると、「ヒャ・ヒ・ヒュ・ヒェ・ヒョ」になります。(「ハヒフヘホ」の「ヒ」ではない。)

・英語ネイティブが He を発音する時、Hが弱くなり、「イー」/iː/ になることが多くあります。

<”How is he?” が「ハウイズイ?」>

Dr. カーター:患者さんの様子はどうだい?

How is he? 

看護師コニー:血圧も呼吸も落ちる一方よ。朝まで持たないわね。

BP’s falling, respiration’s down. I don’t think he’ll make it till morning.

● make it   “You can make it.”「きみなら出来る!」や “I’ll make it.”「参加できるよ」などで使われる make it をご存じの英語学習者さんは多いかもしれません。ここでは「健康状態が回復する」という意味で使われています。 

 

日本語の「フ」の子音は /ɸ/!

同じように、日本語の「フー」と英語の Who の違いを比較し、英語の発音を聞いてみましょう!

● 日本語の「フー」/ɸuː/ と英語の Who /huː/ は違う音!

・日本語の「フ」(無声両唇摩擦音)は唇を小さくすぼめ、あごも落とさず、息の通り道を非常に狭くしますが、英語の Who は、あごを落として唇を円形にし、狭くしません。

・日本語の「フ」の子音 /ɸ/ にアイウエオを付けると、「ファ・フィ・フ・フェ・フォ」になります。

英語ネイティブが Who を発音する時、Hが弱くなり、「ウー」/uː/ になることが多くあります。

<”One who has…” が「ワンヌーアズ」(直前の N からリンキング)>

女の子:幼稚園なんてもう絶対に来ないから!!絶対、絶対、絶対いや!

I’m never going back in there again. Never, never, never! No!

ダニー:[幼稚園に行くのを嫌がるステフの前を、別の子も嫌がって逃げて行き] 他のお友達を待とう。もっと人生に前向きな子がいいね。

Let’s wait for another little girl. One who has a better outlook on life. 

 

今回の内容をポッドキャストでも一緒に学習しましょう!

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今回のまとめ

今回は、日本語の「ハヒフヘホ」と英語の “ha hi hu he ho” を比較し、日本語と英語のハ行子音の違いを考察しました。

・日本語のハ行の子音は、音声学的には複雑であり、ハ・ヘ・ホの3つは、子音 /h/ です。これは英語の /h/ と同じ音で、母音ア・エ・オを無声化させた音です。

・日本語の「ヒ」と「フ」の子音は /h/ ではなく、さらにこの二つは、それぞれに違う子音です。日本語のヒとフにあたる子音は、英語には存在しません。

・日本語の「ヒ」/çi:/は、口の中で舌の中央部と上あごを狭く近づけて調音しますが、英語の he /hi:/ は、「ヒ」のように接近させません。

・日本語の「フ」/ɸu:/ は、唇を強くすぼめて調音しますが、英語の who /hu:/ は、「フ」のようにすぼめません。

・英語の ha hi hu he ho は、広い口内空間に素早く息を通過させて発話せねばならず、英語を母語とする人々にとっても、発音しにくい音です。そのため、英語のHは頻繁に脱落すると考えられます。

英語の He や Who を発音する時、出来るだけカタカナ発音せず、/h/ で発音出来ると素晴らしいです。

一緒に練習してくださった皆様、お疲れ様でした!

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それではまた一緒に英語学習しましょう!

 

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エイミ
医療英会話の発音とリスニングの専門家。学会発表、座長の英語、診療英会話、英検、OETなどのオンラインレッスンを提供中。20代後半から英会話習得をスタートし、最初は「センキュー」以外一言も話せない英語音痴でした。日本人にとっての理解しやすさを追求した解説と「トレーニングは楽しく!」が信条。ERオタク。University of Baguio, Associate in Hotel and Restaurant Management卒。TOEIC 935点。

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