ポッドキャスト 医療系英単語の発音

【第115回】3つのアの練習- gram と drug のアは違う音です!

投稿日:2023年8月14日 更新日:

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/

(アイコンをクリックで登録画面へ移動します)

 

 

今回のポッドキャストでは、 ミリグラム(milligram)と「英語の3つのア」 の発音練習をしていきます。

英語の発音は実は母音の方が難しいです。

「事後解析」”post hoc analysis”「受容体作動薬」”recepter agonist” などの医療系単語で、ア系母音を一緒に練習しましょう!

 

Dr.ナミ

ラジオは通常速度で10分23秒ニャ。
早く聞きたいあなたは倍速などでどうぞニャ!

 

アップルポッドキャスト、グーグルポッドキャストからも「エイミ」で検索!

 

「ミリグラム」の英語の発音

 

エイミ

こんにちは!

医学英語発音コーチのエイミです。

 

当記事でご紹介しているポッドキャストは、個別レッスン受講生さんに私の方でレッスンの復習用にお作りしている音声データを公開しているものです。

この日のレッスンでは最初に生徒さんと「ミリグラム」の発音練習をしましたので、そこからさくっと練習を始めたいと思います。

日本語では ミグラム と「リ」の音程を上げて発音しますが、英語では

milligrams

リグァムス

と、「ミ」に第一強勢を置いて発音します!

 

◆ YouTube動画より

「この国では、1日あたりのカフェイン摂取量は400mgを超えないことが推奨されています。」

“The recommendation in this country is you shouldn’t have more than 400 mgs of caffeine in a day.”

 

レッスンでは 「0.75mg/week(1週間に0.75mg の投与)」という言葉で発音練習をしました。

強勢音節を間違えないよう、ポッドキャストで一緒に練習しましょう!

 

zero point seventy five milligrams per week”

強弱リズムを取っていきます。

 

“0.75mg/week”

“zero point seventy five milligrams per week”

ズィロ ポインt ヴンティ ファイヴ リグムス パー ウィーk

数字が1以外の時、単位に複数形の “s”(ス)を付けることも大切なポイントです。

忘れないように気を付けたいですね!

 

1. “post hoc” の 「ホ」は open A

日本人に「ア」に聞こえることの多い英語母音は3つあります。

それぞれ医療系の単語などを使って練習していきます!

 

◆ 一つ目のア:open A(オープンエー)[a]  発音のポイント

↑”doc” [dak] と発音しているERのキャロルです。 唇よりも「のど」の使い方に注目します!

・口から喉にかけてぽかんと空間を作り、広く空いた喉のスペースを使って「ア(オ)」と発音する、アとオの間のような音です。

・後舌母音(発音する際に舌先が下前歯より後ろに下がる母音)です。

・つづりは主に “o” です。

・イギリス英語ではオ寄り、アメリカ英語ではア寄りの音になります。 

 

open A を使う単語には以下のようなものがあります。

 

◆ open A [a] を使う単語例

talk [tak]   hoc [hak]   hospital [hɑ́spɪt(ə)l]

long [laŋ]  doctor [dɑ́ktər] 

problem [prɑ́bl(ə)m] probably [prɑ́bəbli]

 

Dr.ナミ

イギリス英語では「オ」と聞こえるのに、

アメリカ英語ではア+オのような

微妙な音になるむずかしい母音にゃ。

 

レッスンでは 「事後解析“post hoc analysis” という言葉で発音練習をしました。

アメリカ英語では、hoc を open Aで、やや「ハック」寄りで発音します。

◆ YouTube動画より

「しかし当研究では、60%が自閉症を患っており、事後解析では‐」

“-but about 60% of those in this study had autism and a post hoc analysis-” 

 

強弱リズムを取っていきます。

“post hoc analysis

st k ァネァリスィス

 

open A は「アの口をしてオと言う」と説明されることもあります。

「ハの口をしてホ」のような気持ちで発音するとうまく行くことが多いです!

 

2. “gram” の 「ラ」は american A

二つ目は american A、”apple のA” などとも言われる特徴的なア系母音です。

 

◆ 二つ目のア:american A(アメリカンエー)[æ]  発音のポイント

↑”cancer” [kǽnsər] と発音しているERのグリーン先生です。 

・「エァ」という響きの音です。

・唇をタテにもヨコにも大きめに開き、舌根を上から下に動かして発音します。

・アゴを下から前に向けてずらすような動きを伴います。

・前舌母音(発音する際に舌先が下前歯に着く母音)です。

・つづりは主に “a” です。

 

◆ american A [æ] を使う単語例

gram [græm]   factor [fǽktər]   cancer [kǽnsər]

analysis [ənǽləsıs]  attack [ətǽk]

family [fǽməli] thank you [θænk ju]

 

Dr.ナミ

エ…エ…エァ。

この音はいつもアゴが外れそうになるニャ!

 

エイミ

アゴが弱い方は無理のない程度で…!

3つのアのうち、もっとも口を大きく動かす母音です。

出来れば日頃から口を大きめに動かすことを心掛け、

アゴや舌を動きやすくしておけると良いですね!

 

3. “one” の 「ワ」は mountain A

3つ目は日本語の「ア」にもっとも似ている母音です。

 

◆ 三つ目のア:mountain A(マウンテンエー)[ʌ]  発音のポイント

↑”one” [wʌn] と発音しているERのスーザンです。 

唇は小さめに開き、音を前に押し出すように発音します。

・アとウの間のような音です。

・中舌母音(発音する際に舌先が下前歯の根本あたりに付く母音)です。

・つづりは主に “u” です。

 

◆ mountain A [ʌ] を使う単語例

study [stʌdi] one [wʌn]

drug[drʌg]   done [dʌn]

lumber [lʌnbər]  introduction [ɪ̀ntrədʌ́ʃən]

 

レッスンでは 「GLP1受容体作動薬“glp1 receptor agonist” という言葉で、american A と  mountain A を一緒に発音練習をしました。

 

◆ YouTube動画より

「(SANS発症の徴候が見られたら)我々はSANSの治療法を検討し、GLP1受容体作動薬を用いて治療を行います。」

“-Then we’ll look at how we can treat SANS, and we’ll do this using a GLP1 receptor agonist, -” 

 

“one” の「ワ」は mauntain A(スーザンの顔)、”agonist” の「ア」は american A(グリーン先生の顔)で発音します。

そのまま強弱を付け、リズムを取りましょう!

 

“GLP one recepter agonist

ン レプタ エァゴニスt 

 

今回の内容をポッドキャストでもどうぞ!

 

Dr.ナミ

ラジオは通常速度で10分23秒ニャ。
早く聞きたいあなたは倍速などでどうぞニャ!

 

アップルポッドキャスト、グーグルポッドキャストからも「エイミ」で検索!

 

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/

(アイコンをクリックで登録画面へ移動します)

 

 

今回のまとめ

今回はある生徒さんと「ミリグラム」そして「3つのア」の発音練習 を行ったレッスンの内容をご紹介しました。

◆ ミリグラム の発音のポイント

「ミ」に第一強勢を置いて発音します!複数形の “s” も大事です。 

milligrams

リグァムス

◆ 3つのア の発音のポイント

・[a] オープンA のどを広く開き、口の奥に響かせて発音する音です。talk、hoc、hospital、long、doctor、problem などの母音です。つづりは主に “o” です。イギリス英語ではオ寄り、アメリカ英語ではア寄りの音になります。 

・[æ] アメリカンA 「エァ」という響きの音です。唇をタテにもヨコにも大きめに開き、舌根を上から下に動かして発音します。つづりは主に “a” で、factor、cancer、analysis、attack などの母音です。

・[ʌ] マウンテンA 唇は小さく開き、音を前に押し出すように発音します。つづりは “u” が多く、study、one、drug、introduction などの母音です。

 

英語の発音は子音より母音の方が難しいのですが、3つのアが発音できるようになると、英語を話す時の身体の使い方が身に付き、ほかの母音も上手に発音できるようになります。

これからもラジオや無料メルマガで英語コンテンツを公開していきますので、良ければチェックしてくださいね。

また一緒に英語学習しましょう!

 

-ポッドキャスト, 医療系英単語の発音

執筆者:

関連記事

【第73回】ER の診察英会話 初診診療での英語表現と発音

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     エイミ こんにちは! 医学英語発音コーチのエイミです。   今回は 外来診療 …

【第68回】ブラよろで保険医療費制度の英語表現を学ぼう

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     エイミ こんにちは! 医学英語発音コーチのエイミです。   今回は佐藤秀峰さ …

「mg/m2」を英語で正しく読もう!【ERで解説】

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     エイミ こんにちは! 学会英語発音コーチのエイミです。   【mg/m2】 …

【第88回】The Resident 型破りな天才研修医 第一話で英語学習 2

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/ (アイコンをクリックで登録画面へ移動します)     今回は The Resident というアメリカの医療ドラマの第一話 で英語学習してい …

【第4回】antibiotics が「アナ」バイアディクスになる理由

この記事が役に立ったら、フォローお願いします!/     エイミ こんにちは! 医学英語発音コーチのエイミです。   今回は、抗生物質 “antibiotics&#82 …

最新記事

  1. 【第27回】「外筒を大静脈から肝静脈へ挿入する」を発音練習
  2. 【第125回】英語学習アプリ「ELSA speak」でスコアアップするコツ
  3. 【第66回】ER 鉄パイプ貫通治療シーンから英語学習 前編
  4. 【第73回】ER の診察英会話 初診診療での英語表現と発音
  5. 【腹部4区分】右下腹部、右上腹部、左下腹部… Quadrant の発音をERで学ぼう!
  6. 英検1級【7】大谷翔平さんと水原一平さんの米報道に学ぶ英語表現
  7. 「mEq」ミリイクイバレント を英語で正しく読もう!【ERで解説】
  8. 【第21回】英語で「酸素飽和度は97」ネイティブはどう言う?
  9. 【医療者の英語表現】「末期」は terminal だけじゃない! ネイティブは〇〇をよく使う
  10. 【第112回】英検準1級のリスニング問題演習 4
  11. 【第60回】留学経験なしでも大丈夫! 英語力ゼロから英会話講師になった私の勉強法
  12. 「血圧が高いことに注意を払うべきでした」【ER】症例検討会の英語表現 発音も解説【3】
  13. 【ERで学ぶ医療英会話】緊急分娩対応5【英語丸ごと解説】
  14. 【第102回】診療英会話〜再診患者さんへ「どうですか」英語でどう言う?
  15. 「少し前に来て」「後ろに下がって」「上に上がって」「下に下がって」を英語で
  16. 【第78回】急性心筋梗塞の患者さんのTPA治療場面で英語学習
  17. zoom レッスンの始め方
  18. 【第9回】医学英語の発音練習には何がオススメですか?
  19. ロサンゼルス・タイムズ「大谷は潔白」米報道に学ぶ英語表現
  20. 【第119回】”長い英文(英語のかたまり)” を自然に発音するコツ
  21. 【動画】「ログランク検定」の英語の発音をわかりやすく
  22. S先生のTOEICスコアが855点に大幅アップ!!
  23. 【第53回】fully と free を悩まずに聞き分ける方法
  24. 【学会レポ】留学せずに英語でスラスラ発表している人がやっていること【アヒル口編】
  25. 【胆嚢】ネイティブの『gallbladder』をリスニングチャレンジ!
  26. おっさん頑張れ!40代ずぼら英会話【1】ある勤務医の英語学習法まとめ
  27. 【第108回】診療英会話〜穿刺の治療方法を説明する
  28. 【第49回】オーバーイージーとは? 英語圏の「目玉焼きの焼き加減」4つ
  29. 【ドラマでわかる】「ウォウ」と「ワオ」の使い分け
  30. 【第95回】”Does”, “Did”, “any” は「ダズ」「ディド」「エニィ」じゃない! 英語発音・リスニング攻略法
エイミ
医療英会話の発音とリスニングの専門家。学会発表、座長の英語、診療英会話、英検、OETなどのオンラインレッスンを提供中。20代後半から英会話習得をスタートし、最初は「センキュー」以外一言も話せない英語音痴でした。日本人にとっての理解しやすさを追求した解説と「トレーニングは楽しく!」が信条。ERオタク。University of Baguio, Associate in Hotel and Restaurant Management卒。TOEIC 935点。

詳しいプロフィールはこちらからどうぞ。