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【第146回】 ERで診療英会話「検査結果は陽性でした」「手術をしないとステージは確定しません」

投稿日:2024年10月15日 更新日:

 

 

今回は、ER から、診療英会話のフレーズ学習と発音学習をしていきます!

テーマ

「この間の検査で、〜に対して、陽性反応がありました。」

「ステージは1Bで、比較的初期の段階ですが、手術をしてみないと確定はできません。」

を英語でどういう? です。

 

Dr.ナミ

ラジオは通常速度で09分18秒ニャ。速く聞きたいあなたは1.5倍速などでどうぞニャ!

 

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「悪い知らせ(検査結果)があります」を英語で

エイミ

こんにちは!

医学英語発音コーチのエイミです。

 

今回は、医療ドラマ ER のグリーン先生の台詞から、検査結果を患者さんに伝える時の英語表現 をひとつ、皆様へご紹介できればと思います。

患者さんは、グリーン先生を度々訪ねてくるシングルマザーの女性、ロレッタさんです。

 

 

彼女は直前の来院時に下部出血を訴えており、グリーン先生の勧めで組織検査を受けた後、本日改めて来院しました。

診察室の中で、二人が話し始めます。

ドラマの中の台詞で聞き取りは難しいですが、一度、リスニングにチャレンジしてみてください!

 

◆ リスニングチャレンジ1「悪い知らせがあるんだ」

 

さて、このセリフ、最初にグリーン先生は何と言っているでしょうか?

難しい単語や表現は一つも使われていませんが、聞き取るのは簡単ではありません。

予想していただけましたら、答え合わせをしましょう!

 

◆ 答え

Dr. グリーン:どうぞ、座って。悪い知らせがあるんだ。

Please, sit down. I have some difficult news.

◆ difficult news   受け入れることが難しい知らせ。良くない知らせ。

ロレッタ:ええ、そりゃもう体はガタガタよ。だって身体一つでここまで稼いできたのよ。新しい仕事は順調だし、子どもたちも学校で問題なくやってるし、言うことないわ、先生。

Yeah, I’ve been tired, but what do you expect from an old hooker? New job’s going great, kids are doing well at school, everything’s good, Dr. Greene.

◆ What do you expect from A?   直訳すると「~に何を期待するのか?」となりますが、これで「~なのだから、そりゃあ当然でしょう。」「~なのだから、当たり前でしょう。」といった意味合いとなります。

◆ hooker 私たち日本人もカタカナで使っている「フック(hook)」は、道具や衣類などを引っかける掛け具のことです。hooker は、アメリカ英語のスラングで、「道で人に声を掛けて引っかける人」のことを指します。ロレッタさんは長く夜の仕事をしていましたが、最近、一般企業の事務員の職を得ることが出来、喜んでいるところでした。

◆ go great  上手くいく。

 

ということで、グリーン先生の最初のセリフは、

Please, sit down. I have some difficult news.

「どうぞ、座って。悪い知らせがあるんだ。」

でした!

文字にするとたったこれだけなのですが、

● have のHが抜けて「アヴ」になっていた。

● some が「スム」のように聞こえた。

● news が「ヌース」っぽく発音されていた。

といった音の変化がありました。

have は H の発音が弱くなり、ハヴ ではなく アヴ、または ‘ve だけになり ヴだけ に聞こえることがあります。

some は、はっきり発音されると 「サム」/sʌm/ と聞こえますが、弱い発話では「スム」/s(ə)m/ となります。

また、new、news、neuron などに入る「ニュ(nyu)」の音は、アメリカ英語において Y が弱くなることがあり、「ヌ(nu)」と聞こえる場合があります。

まとめますと、文全体の発音は、

Please, sit down. I have some difficult news.

プリーズ, スィッダウン. イ アヴ スム ディフィカウ ヌース.

となっていました。

 

「検査の結果、~が陽性でした」を英語で

この続きが学習の本番です!

「良くない知らせがある」と言われたものの、あまり深刻に受け止めていない様子のロレッタさんに、グリーン先生はどのように言葉を続けるのでしょうか。

続きを聞いていきましょう。

 

リスニングチャレンジ2「検査の結果、~が陽性でした」

 

少し長い台詞ですが、出来るだけ多く聞き取れるよう、何度か繰り返し聞いて頑張ってみましょう!

ポイントとなりそうな部分は、次の3つです。

● 最初の一言は「~が陽性でした。」というものですが、主語は何が使われているでしょうか。また、「陽性です」の形容詞は、何でしょうか。

● 二言目は「ステージは1Bで、比較的初期の段階」と伝えられています。「比較的初期の段階」は、英語でどのように表現されているでしょうか。

● 最後の一言は、「ただし、ステージは検査をしてみないと確定しません」のような意味となっています。聞き取りがとても難しいです。一単語でも多く拾えるよう、頑張ってみましょう!

 

◆ 答え

Dr. グリーン:前回の生検で、子宮頸がんに陽性反応が出たんだ。[ロレッタさんの表情が固まる。] ステージは1Bで、比較的初期の段階だよ。ただし、手術をしてみないと、ステージを確定させることは出来ない。

Your biopsy last time was positive for cervical cancer. It’s stage 1B, which is relatively early in the spread of the disease, althouth that can only be confirmed through surgery. 

 

答えは以上です!

このグリーン先生のセリフから、学習ポイントとなりそうな点をまとめます。

 

★学習ポイント★

◆Your biopsy last time was positive for cervical cancer.「検査の結果、子宮頸がんに対して陽性でした。」 

「~に対して陽性、陰性」は、be positive for Abe negative for A と表現することができます。主語は「人」、または「検査」とすることが出来ます。

主語が人なら、

・You tested positive for cervical cancer.(あなたは頸癌に陽性でした。)

のようになり、「検査」を主語とするなら、

Your biopsy last time was positive for cervical cancer.(前回の検査で、頸癌に陽性反応がありました。)

のようになります。人を主語にするより、検査を主語とする方が、語感が和らぎます。

 

◆ It’s stage 1B, which is relatively early in the spread of the disease, 

「ステージは1Bで、これは比較的初期の段階です。」は、このように表現することが出来そうです。

in the spread of the disease で、「この病気の進行具合の中では」

進行の程度には、「早期」は early「進行した」は advanced が主に使われます。

 

◆ althouth that can only be confirmed through surgery. 

ただし、ステージは、手術を通してしか確定させることが出来ません。」ここで使われている逆説の接続詞は、although でした。

ここは but や however でも代用可能であるところですが、なぜ although なのでしょうか?

逆説の接続詞の微妙な違いを、私の捉えている感覚でまとめてみます。

・but 「でも」。← 強く否定。口語調。

・however「しかし」。← 強く否定。フォーマルな響き。

・although「ただし」。though 「ただ」。← but や however より否定のレベルが弱く、語感が柔らかいです。

・yet「しかしながら」。← but や however より、否定レベルが強いです。

ネイティブは、話し言葉で、比較的マイルドな「ただし」although も、よく使います。 

 

ここまでのERの台詞を、よろしければ、ポッドキャストで私と一緒に練習しましょう!

 

Dr.ナミ

英語って、ちゃんと自分の口で練習しておかないと、

いざ言おうとした時、

びっくりするほど口から出てこないニャ。

だから「ふむふむ、そうか」で終わったら

結局いつまで経っても、話せないままニャ。

ぜひ一緒に練習しましょうニャ!

 

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今回のまとめ

今回は、ERのグリーン先生が患者さんへ「検査に陽性反応があったことを伝えている」場面から台詞をご紹介しました。

以下に主な学習内容をまとめます。

Dr. グリーン:どうぞ、座って。悪い知らせがあるんだ。

Please, sit down. I have some difficult news.

◆ difficult news   受け入れることが難しい知らせ。良くない知らせ。

ロレッタ:ええ、そりゃもう体はガタガタよ。だって身体一つでここまで稼いできたのよ。新しい仕事は順調だし、子どもたちも学校で問題なくやってるし、言うことないわ、先生。

Yeah, I’ve been tired, but what do you expect from an old hooker? New job’s going great, kids are doing well at school, everything’s good, Dr. Greene.

◆ What do you expect from A?   直訳すると「~に何を期待するのか?」となりますが、これで「~なのだから、そりゃあ当然でしょう。」「~なのだから、当たり前でしょう。」といった意味合いとなります。

Dr. グリーン:前回の生検で、子宮頸がんに陽性反応が出たんだ。 ステージは1Bで、比較的初期の段階だよ。ただし、手術をしてみないと、ステージを確定させることは出来ない。

Your biopsy last time was positive for cervical cancer. It’s stage 1B, which is relatively early in the spread of the disease, althouth that can only be confirmed through surgery. 

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それではまた一緒に英語学習しましょう!

 

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エイミ
医療英会話の発音とリスニングの専門家。ER先生。舌トレ先生。英検先生。
20代後半から英会話習得をスタートし、最初は「センキュー」以外一言も話せない英語音痴だった。日本人にとっての理解しやすさを追求した解説と「トレーニングは楽しく!」が信条。ERが大好き。University of Baguio, Associate in Hotel and Restaurant Management卒。TOEIC 935点。

詳しいプロフィールはこちらからどうぞ。